SAVE JAPAN プロジェクト 2016-2017

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SAVE JAPAN プロジェクト 全国事務局ブログ

【開催報告】損保ジャパン日本興亜×日本NPOセンター 企業とNPOの協働フォーラム 「地域の持続可能性を引き出す企業とNPOの協働のカタチ」を開催しました。

損保ジャパン日本興亜×日本NPOセンターは、企業とNPOの協働フォーラム(以下、本フォーラム)「地域の持続可能性を引き出す企業とNPOの協働のカタチ」を、2016年2月18日(木)に損保ジャパン日本興亜本社ビルで開催しました。?

「SAVE JAPANプロジェクト」(以下、本プロジェクト)は、2015年度末で丸5年を迎えます。これまでに、47都道府県の環境NPO、NPO支援センター、日本NPOセンター、損保ジャパン日本興亜が4者で協働して、全国で600回を超えるイベントを開催し、30,000名を超える市民の皆さまにご参加いただきました。
 5年間継続して実施していく中で、「地域の持続可能性に貢献していること」が見えてきました。当初より「生きものが住みやすい環境づくりを4者協働で実施する」ことにしていましたが、環境保全効果だけでなく、市民間のコミュニティ構築や地域におけるNPOと市民の関係強化等、地域活性化に対しても効果を発揮し始めていることが明らかになりました。

【SAVE JAPANプロジェクト福井"カエルのお城が危機一髪!ザリガニ捕獲大作戦☆"】

本フォーラムでは、本プロジェクトのこれまでの取組みを共有するとともに、その成果を可視化するための評価レポートや地域からの事例についても報告し、「地域の持続可能性を引き出す企業とNPOの協働のあり方」について考える場として開催しました。当日は、NPOや企業のCSR担当者などを中心に、105名の方にご参加いただき、熱心に議論がされ、企業とNPOの協働が引き続き注目されていることがうかがえました。

【開会挨拶】

第一部では企業とNPOが協働で実施したことの意義をまとめた「インパクトレポート」について報告が行われました。以下、報告内容をまとめたものをご紹介いたします。

<報告1> 今田克司   日本NPOセンター常務理事
本プロジェクトは、市民が環境保全活動に参加するきっかけを提供することを通じて、地域の自然環境への関心や生物多様性への理解の向上につながることを主な目的としていますが、社会的インパクト創出の仕掛けとしては、「イベントへの参加の呼びかけ」、「イベントへの参加」、「関係団体の能力強化」という3つの要素が不断に回ることによって、①環境問題のために行動する市民の層の厚みが増すこと、②協働関係のネットワークの醸成、③市民への持続的な関心喚起という波及効果が生まれることも目途しています。

 参加者、環境団体(実施団体)およびNPO支援センター(運営支援団体)を対象に行ったアンケートやヒアリング調査では、3つの主要素について概ね高い評価を得ていることが分かりました。また、とちぎボランティアネットワーク、さいたまNPOセンター、ぎふNPOセンターが関わった3事例からは、波及効果についても一定程度の社会的インパクトが創出されたと考えることができます。(インパクトレポート23-25ページを参照)


<報告2> 塚本一郎さん 公共経営・社会戦略研究所取締役社長
 本プロジェクトの第三者評価の一環として、費用便益分析の一種であるSROI(社会的投資収益率)分析を社会的インパクトの計測方法として用いたが、「環境保全活動に参加するきっかけづくりのサイクル」から派生するアウトカム(成果)に加え、プロジェクトのプロセスで生み出される副次的・波及的あるいは中間的アウトカム(成果)も可能な限り便益項目として設定し、プロジェクト全体の社会的インパクトを貨幣化するように努めました。
 SROIは総便益を総費用で割って算出しますが、社会的プログラムの効率性と有効性を計測し、単なる数値化ではなく、貨幣価値に換算して可視化するものであり、SROIが「1.0」を超えれば、その社会的プログラムは有効であり、効率的とみなしえます。本プロジェクトのSROIは、1.76であり、本プロジェクトの費用対効果は有効であったと結論づけることができました。
 しかしながらSROIは万能ではないので、数値化や貨幣化ができない取り組みにも目配りしながら他のアプローチとバランス良く使いながら、できるだけ見える化することが今後求められます。


<コメント> 金井 圭(損保ジャパン日本興亜特命課長)
会社内でCSR予算を使った事業の成果を分かりやすく説明することが求められるなかで、事業の価値を貨幣価値に換算して可視化することができるSROIを導入しました。SROIの導入により、自社のグループCSR-KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)の指標として活用したり、他社から検討したいという問い合わせが増えるなど、良い効果が出てきています。今後、SROIが普及することで、企業でのCSR予算が獲得しやすくなり、結果的にNPO等との協働事業の増加に繋がればいいなと考えています。ただし、CSRの取組みは全てSROIで数値化できるものではないので、バランスをもって取組むことが大切だと思います。

※インパクトレポートは、以下からダウンロードできます。
Impact-report.pdf

第二部では、地域の具体的な事例を共有し、地域の持続可能性を高める企業とNPOの協働のあり方についてフロアディスカッションを通して会場からの質疑も交えて活発な意見交換が行われました。第二部のはじめに、SAVE JAPANプロジェクト関係団体からの活動報告を行いました。

<報告1>持続可能な事業運営による市民へのアプローチ
村田恵子さん さいたまNPOセンター 専務理事
青木明雄さん エコシティ志木 事務局長 

 第一部の報告で紹介された波及効果の一つ「市民への持続的な関心喚起」の具体例として、村田さんと青木さんから報告いただきました。埼玉県の取り組みに関して、イベントに遊びの要素を取り入れたり身近な自然を体感してもらうため場所の選定を工夫したりしているなどの報告がありました。このように一般市民が気軽に参加できるイベントを継続的に実施できるようサポートをさいたまNPOセンターが担うといった役割分担のもと、地域でイベントを実施し続けたことで各イベントが満員御礼を達成するだけではなく、賞を受賞するなどの成果も挙げられました。

<報告2>地域課題を意識し、行動する市民を増やす
野村 典博さん ぎふNPOセンター 副理事長

 第一部の報告で紹介された波及効果の一つ「環境問題のために行動する市民の層の厚みが増すこと」の具体例として、野村さんから報告いただきました。「自然は人の暮らしと密接で、人の暮らしがあってこそ自然は持続する」という考えのもと、学生の巻き込みを意識し、地域で活躍できる人材育成をめざしたイベントを行いました。単にイベントを実施するだけではなく、過疎化地域でのイベント実施を通じて地域課題と絡めることで、過疎化地域と学生をつなぐ役割をこのプロジェクトが担ったと報告されました。また、成果として、環境イベントが終了後も学生が過疎化地域に自発的に出向くようになり、「地域課題解決提案事業」でベストプレゼン賞を受賞したという成果も挙げられました。


次に、フロアディスカッションを日本NPOセンター事務局長新田英理子の進行で会場の参加者と行いました。「環境保全を行うことと、イベントで人集めをすることのバランスは?」「この事業だけで、地域課題は解決できるのか?」といった質問があげられました。パネリストからは、「環境保全の目的がもっとも大切でありイベントを複数回に分ける工夫をしている」「この事業だけで、地域課題の解決を行えるとはなから考えておらず、地域に目を向けるきっかけ、そしてそのきっかけが話題になったりしていくことが大切です。地域、大学、企業の連携による地域創生への足がかりとしてこの事業を捉えています。」などの回答がありました。

【会場の皆さんで質問と感想を出し合うワークショップを実施しました!】



【会場から出た質問表(黄色は質問、ピンクは感想です)】

最後に、事例発表者も交えてパネルディスカッションを行いました。「企業とNPOの協働」についてセクターの立場を超えて価値の創造をめざしていくべき、との意見があり、立場の違いを超えてお互いの理解を深める大切さを確認しあいました。各事例発表者から、「地域の持続可能性を引き出す企業とNPOの協働のカタチ」をテーマに協働を進めていくうえで必要なことを一言ずつ発表して、終了しました。

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≪金井圭 損保ジャパン日本興亜 特命課長≫

"相手の立場" NPOの思いの強さと企業のリソースを合わせることが重要

≪今田克司 日本NPOセンター 常務理事≫

"自分の強みの説得力" NPOの想いを世に伝わる形で届ける技術が必要

?≪野村 典博さん ぎふNPOセンター 副理事長≫

"関係性" 良好な関係性の維持の努力が必要?

≪青木 明雄さん エコシティ志木 事務局長≫

"あそぼう"
企業側はまじめな議論が多い。「あそび」がないとストレートなものの見方になってしまう。あそびをやると子供がついてくる。楽しさが波及して人が増える。数字では見えないあそびの部分をしっかり伝えたい。

≪村田 恵子さん さいたまNPOセンター 事務局長≫

"企画と心意気" 企画があってこそ。やっているうちに心意気がわいてくる。


開催後のアンケートからも「NPOと企業の協働、その成果について具体的なお話を伺うことができて参考になった」「資金のみあてにせずに(住民)と企業が共に求め協力し合えることを探すことで地域と企業が成長することを考えてゆきたい」など、前向きな意見をいただき、SAVE JAPANプロジェクトや4者協働に対する関心の高さがうかがえるフォーラムとなりました。
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