SAVE JAPAN プロジェクト 2013

島根 大田の自然を守る会

島根県中央部における生物多様性と希少種を守り育てよう!

大原川に生息する希少魚類ミナミアカヒレタビラの保護及び大原川清掃活動

■当日の様子

ミナミアカヒレタビラは、島根県指定の希少魚です。山陰地方のミナミアカヒレタビラはとても限られた場所にしか生息しておらず、河川環境の小さな変化によって絶滅する可能性が高いと考えられています。
島根県大田市の大原川では、ミナミアカヒレタビラが卵を産み付けるドブガイが多く生息しています。水田に水を引くために設置されたゴム堰で水をせき止めていますが、稲作期間が終わると一気に水が流されてしまいます。そこに取り残されたたくさんのドブガイを救出するのが、今回の活動です。当日は、近くの小学生とご家族などが参加してくれました。
ゴム堰から水を流し、水位が減少したところで大原川に入りドブガイを救出、水場へ戻します。同時に近年急激に増加している外来種のタイワンシジミを採取。(生態系の異常が発生するかは不明ですが、外来種特有の増殖速度のため駆除しています。)途中でオオナマズやイシガメを発見し、子どもたちは大はしゃぎ! 学校からすぐ近くの川に、様々な生物が暮らしているのを発見して、感激の連続でした。
その後、県に許可をもらい採取し人工繁殖したミナミアカヒレタビラの観察会を実施し、イベントは終了しました。

 
 
【水を流し始めたゴム堰】   【水を流し切ったゴム堰】   【水が流された大原川】
 
   
 
 【ドブガイの救出】   【ドブガイ救出の様子】   【ドブガイの救出とタイワンシジミ】
     
 【タイワンシジミ】    【オオナマズを発見】   【イシガメを発見】
   
【ミナミアカヒレタビラ人工繁殖池】   【ミナミアカヒレタビラ人工繁殖池】   【記念撮影】

 

■イベントを実施して
・参加人数:36名(内、子ども15名) アンケート回答者:31名(内、子ども15名)
・参加された方の満足度(割合):満足という回答が100%

 

■参加者の感想

・島根県の許可を得てミナミアカヒレタビラの繁殖をやってみたい。(11歳)
・次回はミナミアカヒレタビラだけでなく色々な生き物を探して見てみたい。(11歳)
・大田市の自然保護のため児童たちが頑張っていることに感動した。(60代・男性) 
・自然保護のため、スタッフの1人1人が一生懸命されていることに感心した。(40代・男性) 
・大田市の自然保護に少しでも役に立てたことがとても有意義でした。次回もぜひ参加したいと思います。(60代・男性) 

 

■イベントを実施して苦労した点
久手小学校の先生と児童たちに呼びかけたところ、快く参加してくれましたが、川には深み等もあるため、安全配慮についての苦労がありました。

 

■イベントを実施してよかった点
今回のイベントにより、近隣の久手小学校との連携がとれ、今後自然教育の一環としてミナミアカヒレタビラの保護活動が実施されるようになったこと。

 

■特に、寄付が活きたなーと感じた点
ミナミアカヒレタビラの人工繁殖についてここ数年チャレンジしてきましたが、予算的なこともあり設備が乏しい状況のため、なかなか成果が出ず。以前、島根県より許可を得て採取した生体も産卵可能な年齢があとわずかになってしまいましたが、今回補助をいただけるということで他の予算を回すことができ、繁殖設備を充実させたところ、人工繁殖に成功。絶滅を心配していましたが今後個体数を増やす目途が立ったことが一番だと思います。