兵庫 日本ハンザキ研究所
渓流の王者・オオサンショウウオに会いに行こう!
野生のオオサンショウウオが神戸の街にやってくる!
■当日の大まかなスケジュールなど
兵庫県では、国の特別天然記念物オオサンショウウオの観察を通じて、自然環境について考えていただくきっかけとなるようイベントを実施しました。オオサンショウウオの生息地は兵庫県の山間の交通の不便なところであるため、交通の手段のないこども、希少生物にあまり関心のない方には参加しにくい懸念がありました。そこで現地観察会(8月23日)に先立ち、気軽に参加しやすい市街地で出前講座も開催することにしました。
○10時30分 午前の部 開場
オオサンショウウオを見る、展示パネルの説明を読む
○11時
オオサンショウウオの研究をしている先生からのお話を聞く
講師:岡田純博士(日本ハンザキ研究所副理事長 鳥取大学プロジェクト研究員)
スクリーンに映し出される写真を見たり、クイズに答えたりしながら、
オオサンショウウオや環境について学ぶ
○12時
オオサンショウウオを観察しながら質疑応答
集合写真撮影
○12時30分終了
○13時 午後の部 開場
○13時30分 お話
○14時30分 観察および質疑応答
集合写真撮影
○15時30分 終了
希望者は運び出す様子を見る
■活動の様子の写真
交雑種のオオサンショウウオ。体長140センチ、体重30キログラム。
オオサンショウウオとその棲む環境について学びます。クイズには、こどもたちが活発に挑戦しました。周りのパネルにも写真や説明がいっぱい。
オオサンショウウオが口を開けると歓声が上がりました。参加者からの質問に講師をはじめ日本ハンザキ研究所のスタッフが答えます。
大きな水槽の前で、何のポーズ? オオサンショウウオの指をまねして、はい、ポーズ!
アンケートと交換にオオサンショウウオの絵のオリジナルバッジをプレゼント。
移動のため、オオサンショウウオの体が乾かないようにネットなどで保護して、水槽の水を抜いていきます。水槽ごと、トラックの荷台へ固定します。
オオサンショウウオさん、さようなら〜! 名残を惜しんでお見送り。
次は現地観察会でお会いしましょう!
■イベントを実施して
・参加人数 61名 (中学生以上40名、小学生以下21名)
・アンケート回答数 57名 (中学生以上37名、小学生20名)
・満足度の平均値(%)(満足 84%、やや満足 14%、どちらでもない 2%、やや不満 0%、不満 0%、無回答 0%)
(他にスタッフ・ボランティア 13名)
■参加者の感想
(中学生以上)
・オオサンショウウオの状況(環境問題、中国のオオサンショウウオとのハイブリッド問題)等が知れた
・なんとなく・・・としか知らなかったオオサンショウウオの生態などを少しくわしく知れた。水族園などで孫達に話してあげることができます。
・身近で見聞することができ、環境を守ってやらねばと考えさせられました。
・大きな個体をじっくり観察できてよかった。
・子どももすごく興味深く聞き、親子で楽しめました。
・写真パネル、説明がよく分かる。
・先生の話がとてもわかりやすくて、おもしろかったです。
(小学校6年生以下)
・本物の大きなオオサンショウウオを見ることができてうれしかったです。
クイズなどを通して、よりオオサンショウウオのことを知れてよかったです。
・本物のオオサンショウウオに会えた!
・オオサンショウウオをはじめてみれてたのしかった。
何をたべるとか、オスとメスの見分けかたやそういうことをおしえてもらえてうれしかったです。
■イベントを実施して苦労した点
国の特別天然記念物であるオオサンショウウオを観察して環境について学習するために、現地での夜間観察会は大変有意義だが、参加できる人が限られることから、交通の便のいい街なかで出前講座も実施することになった。
オオサンショウウオを運んでくることと出前講座の中身に関しては、実施団体である日本ハンザキ研究所の技術スタッフが担当し、運営支援団体は受け入れられる会場を探した。1メートル40センチの大きな個体を入れる一畳サイズの水槽が置けること、給排水ができること、オオサンショウウオが弱らない程度の気温などの条件で、一般の人にとって参加しやすい日時と場所を確保するのがなかなか難しかった。
オオサンショウウオの運搬については、これまでに二時間を越える時間をかけての運搬は経験がなかったため、オオサンショウウオに与えるストレス等が懸念されたが、今まで以上にスムーズな運転を心がけることにより、往路復路共にオオサンショウウオが暴れることもなく、無事に運搬を終えることが出来た。
■イベントを実施して良かった点
元々興味のある人なら交通の便の悪い自然環境の中に出かけて行ってでも観察しようとするが、そこまでの熱意はなくても関心のある層の方々が参加できたこと。
通常繋がりのない都市部の方々がオオサンショウウオを見るために足を運んで下さり、出前講座で興味を持ち、その後の夜間観察会に参加してくれた方も複数おられた。
■特に寄付が活きたと感じた点
限られた予算で活動している日本ハンザキ研究所は、今回の寄付をいただいたことで、市街地での出前講座を実施できたこと、保護や観察、調査に必要な器材を購入できたことは、今後の活動に対して大きな支援になったと感じている。
これまでに経験のない都市部での出前講座を実施出来たことにより、学校や公共施設等への出張が出来るという自信につながった。これからも必要とされればオオサンショウウオについて深く理解してもらうため、各地に出かけて行きたいと考えている。ひとえに今回の寄付及びそれを繋げてくれた日本NPOセンターと市民活動センター神戸の力によるものが大であり、感謝の意を表したい。