SAVE JAPAN プロジェクト 2014

滋賀 富之郷里山クラブ

みんなで里山に入ろう! ~キキョウを守る防護柵づくり~ 

ぼんがら餅を食べて、貴重な植物の保護柵づくりをしよう!

 

■当日の流れ

10:00-11:30 自然観察会
11:30-13:30 ぼんがら餅づくりと試食会
13:30-15:00 保護柵づくり

■活動のようす

 

ここが会場の富之郷入口です。まずは会長からのごあいさつとプログラムの説明。

 

植物に詳しいスタッフの方が、ガイドをしてくださいます。「アザミの花は、たたくと白いオシベの先が一斉に伸びあがります」。よく見かけるアザミですが、初めて聞くことにびっくり!

   
このフィールドには植林地帯もあれば、もともと田んぼだったという湿地帯もあり、変化に富んでいます。木の幹に巻き付けられているのは、鹿の食害から木を守るためのビニールひも。イノシシが掘り返した跡や、先を食べられたササなど、あちこちに獣の気配が見つかります。
 
参加者の皆さんには、里山を歩く間に、ぼんがらもちの材料となるサルトリイバラの葉っぱを集めるというミッションがありました。歩いていると、あちこちに見つかります。がんばって大きめのものを選びました。

サルトリイバラの葉を持って東屋に到着。そこでクロモジ茶を出していただきました。さわやかな里山のハーブティーといった感じです。葉っぱは水で洗います。

 

いよいよ、ぼんがらもちを作ります。材料の小麦粉を練った生地と、中身のあんこが準備されていました。あんこと小麦粉の生地をサルトリイバラの葉でサンドします。参加者の皆さんが楽しみながら交代でおもち作り!

 

大きな蒸し器に並べて蒸します。あっという間に蒸し上がりました。熱々のぼんがらもちの美味しいこと!おかわりもたっぷりいただきました。

 

お餅を食べたら、柵を作ります。キキョウが自生しているあたりを囲んでテープを張りました。鉄の棒を木槌で叩いて、地面に刺し金網を張っていきます。

 

地面との間にすき間ができないように金網を張ります。ウサギが入れないようにしなければ。キキョウをぐるりと囲んで柵ができあがりました。これでウサギからキキョウを守れるはず。花の季節が待ち遠しいですね。

里山での学びと食と保全活動とで、楽しく充実した一日となりました。

 

■イベントを実施して

     参加者人数:大人19名、スタッフ15名
    アンケート回収数:大人17名
    満足度:アンケートの回答から  満足12名、やや満足4名
                    どちらでもない、やや不満、不満 0  
                    無回答1名

 

■参加者の感想

  すべてが新鮮で、さわやかでした。(70代女性)
  自然に親しむのに、餅づくりが入ったことで、よりダイレクトに体験できました。(60代女性)
  思いやりの心が伝わってきて、うれしかった。(80代男性)

 

■イベントを実施して苦労した点

  希少種が食害にあっていることが参加者に具体的に伝わるかどうかの工夫と、そのための保護柵の意義を理解していただくことがプログラムとして必要で、そこが難しかったです。
  具体的な地番などを示すことができない場所なので、案内をする時に地図できちんと伝えられるかが心配でした。

 

■イベントを実施してよかった点

  餅づくりが想像以上に好評で、食べることの恵みが身近にあること、そのためには環境保全が欠かせないことなどが参加者に伝わったようです。
  スタッフのみなさんの熱心さが参加者にも伝わり、和やかで楽しい一日を過ごしていただけたのではないかと思います。

 

■特に、寄付が活きたなーと感じた点

  寄付が活きた・・・とは少しずれるかもしれませんが、今まで当たり前に身近にあった植物でも、社会・自然環境の変化で「希少種」とされることがあるという気づきは、このSAVE JAPAN プロジェクトの取り組みでこそだと感じました。  
  実際の利用はなかったのですが、「最寄駅から送迎バスがあります」と募集の際に伝えられるのは寄付があってこそで、多くの方に参加していただきたいという思いを伝えることができました。