ひょうごが誇る特別天然記念物・ハンザキかんさつ会 『巨大オオサンショウウオが姫路の街にやってくる!』
レポート
現地夜間観察会(8月22日)に先立ち、どなたでも気軽に参加いただきやすい市街地で、出前講座を開催することにいたしました。2014年度の神戸市に引き続き、2015年度は姫路市で行いました。
当日のスケジュール
○10:30 午前の部 開場
イベント会場室内外に展示した、オオサンショウウオに関する多数のパネルを自由に閲覧しました。
○11:00 イベント開始
主催者からのご挨拶、SAVE JAPANについての説明、諸注意などを参加者さんに聞いていただきました。
○11:15 オオサンショウウオの研究を長年続けている先生からお話を伺う
講師:栃本 武良 先生(日本ハンザキ研究所 理事長、元・姫路水族館館長)
オオサンショウウオの研究を続けてなんと40年。姫路に流れる市川の最上流で1,600匹ものオオサンショウウオを登録して追跡調査している、とてもすごい先生です。栃本先生からオオサンショウウオについて説明を受けたり、スクリーンに映される画像を見たりしながらオオサンショウウオの生態や、生息環境について学びました。
○12:00 オオサンショウウオの自由観察
大型水槽に入ってやって来た、特大サイズ(1m40cm)のオオサンショウウオとご対面!なんと今回は特別に…ちょっとだけさわらせていただくことができました!(※オオサンショウウオは専門家以外の人が許可なく触ったり、捕まえたりしてはいけません。今回は専門家監視のもと、特別にちょっとだけです)オオサンショウウオと記念写真を撮ったり、じーっと見入ってみたり。
○12:20 終了の挨拶
参加者のみなさんにアンケートをご記入いただいて、記念品としてオオサンショウウオのイラスト入りオリジナルバッヂをプレゼントしました。
☆☆☆☆☆☆
○13:00 午後の部 開場
イベント会場室内外に展示した、オオサンショウウオに関する多数のパネルを自由に閲覧しました。
○13:30 イベント開始
主催者からのご挨拶、SAVE JAPANプロジェクトについての説明、諸注意などを参加者さんに聞いていただきました。
○13:45 オオサンショウウオの研究を長年続けている先生からお話を伺う
講師:栃本 武良 先生(日本ハンザキ研究所 理事長、元・姫路水族館館長)
午前の部に引き続き、栃本先生からオオサンショウウオについて説明を受けたり、スクリーンに映される画像を見たりしながらオオサンショウウオの生態や、生息環境について学びました。
○14:15 オオサンショウウオの自由観察
大型水槽に入ってやって来た、特大サイズ(1m40cm)のオオサンショウウオとご対面!午前に引き続き、ちょっとだけさわらせていただきました。参加者のみなさんも、さわれたことに感動。午後の部では、スケッチブックと色鉛筆を持参されたお子さんがとても多く、みんなそれぞれのオオサンショウウオの絵を一生懸命描いていました。
○14:45 全員で集合写真撮影
○14:50 終了の挨拶
参加者のみなさんにアンケートをご記入いただいて、記念品としてオオサンショウウオのイラスト入りオリジナルバッヂをプレゼントしました。
午後の部終了後も、オオサンショウウオに愛着がわいた一部の参加者さんはお別れし難がたかった方もいらっしゃいました。なかなかゆっくり触れ合う機会のないオオサンショウウオ、可愛がっていただけてよかったです。
実施内容
今年も僕がやってきましたよ。鼻先をケガしているのはご愛嬌。
たくさんの展示パネルを前に、説明を受けています。
栃本先生の講義では質問もたくさん寄せられました。
いよいよオオサンショウウオとご対面!
大きな水槽の周りにみんな集まってきました。
すごい大き~~~~い!
思わず写真撮っちゃいます。
水槽に手を入れていいの?!大丈夫?!
今回だけ、ちょっとだけの特別ですよー!ドキドキ。
スケッチしています。みんなとっても上手でびっくり!
アンケート書いてくれてありがとう!バッヂ、どれにする?
午前参加者のみなさんと。
オオサンショウオと同じ、4本指で!オオサンショウウオポーズ!
午後参加者のみなさんと。オオサンショウウオも首をあげています。
今回は会場の外でもパネル展示をさせていただきました。
姫路労働会館の皆さま、ありがとうございました!
おわかれだよ~。会いに来てくれてありがとうね。
このイベントで得られたこと
そしてその恵みのすばらしさについて、参加者の皆さまに再認識していただけたと思っています。
参加者の声
- こどもがオオサンショウウオが好きで、色々な所に一緒に見に行きましたが、初めて触ることができて私も感動しました。(40代・女性)
- 先生のお話がとってもおもしろかったです。目の前でオオサンショウウオを見ることが出来て、感激でした。(40代・女性)
- 久しぶりに子どもに戻った気分でした。幼い頃からなぜかサンショウウオ大好き少女な娘の気持ちが、少し分かった気がしました。(60代・女性)
- いろいろなことを知った。マイクロチップを入れるなど、先生方がやっていることを自分もしてみたいと思った。(小学5年生)
- 大きなオオサンショウウオが動くのを見れて、写真もとれて、さわれたのでおもしろかったです。さわったらぬるぬるでした。(幼稚園生)
イベント実施結果
- 参加者数
- 大人(中学生以上):36名 こども(小学生以下):43名 合計:79名にご参加いただきました。
- アンケート回答数
- 大人(中学生以上):36名 こども(小学生以下):39名 合計:75名にご回答いただきました。 ※以下の参加者満足度は大人アンケートの集計結果によるものです。
- 参加者満足度
- 78%
- 実施してよかった点
イベント開催にあたり、オオサンショウウオの生息地は、兵庫県でも山間部の、交通の不便なところであるため、自家用車をお持ちでない方や、お子さん、そして希少生物にさほどご関心のない方には参加していただきづらいという懸念がありました。
市街地で出前講座を開催したことで、地域生物や自然環境などに対する熱意・関心度がさほど高くない層の方にも気軽にご参加いただけたことにより、オオサンショウウオの不思議な魅力を通じて、希少生物が棲み続けられるような、私たちが暮らす兵庫県の自然環境の多様性や恵みについても改めて考えるきっかけにしていただけたのではないかと思っています。- 実施して苦労した点
国の特別天然記念物であるオオサンショウウオを観察して地域の生物生態や自然環境について学習するには、夜行性であることを考慮すると、本来は生息地での夜間観察会がもっとも有意義ですが、開催の場所が交通の便が悪いことや時間帯の問題などで参加できそうな方が限られてしまうことから、どなたでも気軽に参加いただきやすい市街地で(今回は姫路市)出前講座も実施することとしました。
講座の内容とオオサンショウウオの移動に関しては、実施団体『日本ハンザキ研究所』が担当し、姫路市内での開催会場の選定は運営支援団体『市民活動センター神戸』が担当しました。
会場の選定については、
●畳一畳ほどの大きさの大型水槽が持ち込めること
●上下水道が使えること
●イベント後、水槽から排水を行えること
●1トントラックでの積み降ろしが可能であること
●オオサンショウウオが弱らないよう、室内を会場とすること
などの条件で探さなくてはならず、なおかつ、イベントに興味を持たれた方が参加しやすい日時と場所で確保するということがなかなか難しかったです。オオサンショウウオについても、長時間移動の運搬によってオオサンショウウオに与えるストレス等がとても懸念されましたが、トラックに乗せた水槽内のオオサンショウウオに極力衝撃を与えないようスムーズな運転を心がけることにより、往路復路共にオオサンショウウオが暴れることもなく、無事に運搬を終えることができました。
- 特に寄付が活きたと感じた点
【実施団体・日本ハンザキ研究所より】
限られた予算で活動している日本ハンザキ研究所は、今回の寄付をいただいたことで、市街地での出前講座の経験を重ねたことと、保護や観察・調査に必要な器材を購入できたことは、今後の活動に対して大きな支援になったと感じている。昨年に引き続き、都市部での出前講座を実施できたことにより、学校や公共施設等でのイベント講座開催を実現することにつながった。これからも必要とされればオオサンショウウオについて深く理解してもらうため、各地に出かけて行きたいと考えている。ひとえに今回の寄付及びそれを繋げてくれた市民活動センター神戸と日本NPOセンターの力によるものが大であり、感謝の意を表したい。