SAVE JAPAN プロジェクト 2015

レポート

アメリカザリガニ捕獲大作戦

2015年07月12日(日)実施
  • 昆虫・その他
  • 湿原

レポート

参加者169名が集まり、野生メダカや川に棲む生物のこと、また自然環境のことを楽しく学ぶことができました。小学6年生以下の子どもが74名参加しましたが、みんなでザリガニ釣りに夢中になり、満足したとの言葉を残してくれました。全部でザリガニ629匹、8.1kgを捕獲し大成果となりました。

当日のスケジュール

9:00     受付開始
9:15~9:45  開会のご挨拶とオリエンテーション
         小田原が発祥の「めだかの学校」をみんなで斉唱
         SAVE JAPANの横断幕の前で集合写真撮影
9:45~11:00 3班に分かれて活動
         第1班 新ビオトープ・避難堀の造成予定地視察
         第2班 予め餌を入れて置いたザリガニ捕獲かごを回収
         第3班 竿でザリガニ釣り
11:15~   各班が水田ビオトープ脇の空き地に集合
         ザリガニなどの専門家一寸木肇氏の講話
         希望する子ども達がザリガニのスケッチ
11:50~   イベント終了のご挨拶とアンケートの回収
12:00     解散

実施内容

開会式

 小田原が発祥の「めだかの学校」をみんなで斉唱しました。


第1班 新ビオトープ・乾水時のメダカなどの避難堀の視察
 メダカなどの水生生物は水田を重要な生活の場としていますが、お米の収穫の時などは田んぼの水を干し上げるので多くの命が失われています。
 こうした時にメダカ達が生き延びられるように避難堀を造って、魚道で田んぼと行き来ができるようにする計画を進めようとしています。今はまだ初段階にありますが、その造成予定地を見て頂き、構想を聞いて頂きました。

第2班 ザリガニ捕獲かごの回収
 ザリガニはメダカやヤゴなどの水生生物を食べてしまい、田んぼに穴を開け、早苗を切ってしまう有害生物なので駆除しなければなりません。ザリガニが好きな餌を入れたかごを予め仕掛けておいて、それを皆で引き揚げて中のザリガニを回収しました。


第3班 竹竿でのザリガニ釣り

 主として子どもとその親たちによって、水田ビオトープと周辺水路のザリガニを、スルメを餌にした仕掛けで釣ってもらい、楽しみながらザリガニ駆除をしてもらいました。


ザリガニなどについての専門家のお話

 ザリガニなどの甲殻類に詳しい専門家の一寸木肇さんに、子どもにも分かり易く多少専門的な話をしてもらいました。子ども相手の話が上手で、飽きさせることなく、新しい知識を吹き込んでくれました。日本でアメリカザリガニを飼ったのは、ウシガエルの餌として飼い始めたという事や、いろいろな話を聞いた親子共々が一寸木先生の話が面白かった、もっとザリガニのことを知りたくなったとの声をアンケートに寄せてくれました。

 
ザリガニの集計
 みんなで捕まえたザリガニを数えました。ザリガニが629匹、合計8.1kgでした。



ご参加、ありがとうございました。

 

このイベントで得られたこと

①多くの参加者が、自然環境・生態系の保全活動に理解を示し、その重要性を認識してくれました。機会が有れば保全活動に参加したいとの声も多く寄せられ、励みとなりました。

②環境問題への関心と知識が深まり、大変良い経験ができましたとアンケートに答えてくれた参加者が多くいました。

③メダカを始めとする希少動植物に対する愛護の気持ち、自分たちが守ってあげないと絶滅してしまうと言う意識を多くの参加者が持ってくれました。

④自然の中で、親子、そしてそこに集まった多くの参加者が相互に親睦を深める良い機会になったと思います。

参加者の声

  • 現在の生息環境と今後の取り組みにつき説明して頂けた。     (40代男性)
  • 知る機会のなかった神奈川の自然を知ることができた。      (20代女性)
  • 子ども達が楽しそうで良かった。ザリガニ以外の生物も見られた。 (20代男性)
  • 次はザリガニを食べてみたい。                 (小学校3年生)
  • 次はザリガニ以外の生物をつかまえて観察したい。        (小学校5年生)

イベント実施結果

参加者数
169名
アンケート回答数
121名
参加者満足度
97.3%
実施してよかった点
・ザリガニ釣りに子ども達がこぞって参加し楽しんでくれました。子ども達が喜ぶ姿を見て親たちもみな満足し楽しんでくれました。

・一寸木肇氏に話をして頂き、楽しむと同時に、水生生物についての知識が増え、また自然環境や生物を守ることの大切さが参加者に伝わりました。

・多くの参加者が、環境保全活動の機会が今後又有れば参加したいとの意向を示してくれました。
実施して苦労した点

・参加者が予想を超えて169名(そのうち小学6年生以下74名)となったために、怪我や事故などの防止にスタッフの多くを必要とするので、プログラムの進行に多少の変更と支障が生じてしまいました。

・参加者リストを作成し受付を円滑に行えるように準備をしていましたが、集合時間帯に一度に多勢が詰めかけ、混乱と不便をおかけしてしまいました。

・トイレは事前に近所の施設を使用できるように要請し、その場所を地図に載せて案内したので、大きな混乱は生じませんでした。

特に寄付が活きたと感じた点

・これまで不足していた草刈機や胴長靴など保全整備に欠かせない装備品を充実させることができ、作業の効率化や省力化が図れるようになるので、活動の対象範囲を広げ、質を向上させることができるようになります。絶滅危惧に指定される希少植物も保護することができるようになります。

・水田の乾水時に田んぼに生活を依存するメダカなどの生物の多くが死滅するのを、避難堀と魚道の造成で救えるようになり、生態系、生物多様性の維持に大きく貢献できるようになります。

・今回のイベントは猛暑の下で行われましたが、寄付で買って頂いたテントのおかげで熱中症に罹る者は一人も出ませんでした。今後のイベントでも大いに活躍してくれると思います。