高梁川上・中流域の環境保全と暮らしを学び・体験しよう!3 ~ブッポウソウの巣箱作り体験~
レポート
当日のスケジュール
10:00 集合・開会式、主旨説明
10:05 ブッポウソウの生態についての講義
講師:岡山大学大学院後期博士課程 黒田聖子氏
10:30 質疑応答
10:40 休憩
10:50 ブッポウソウの巣箱づくり体験
NPO法人フォレストフォーピープル岡山 理事/森林インストラクター 小見山節夫氏
11:50 巣箱完成、記念撮影
12:00 昼食
13:00 巣箱の観察(高梁市内)
14:15 高梁美しい森 散策
14:30 アンケート記入
14:40 閉会式
実施内容
ブッポウソウの巣箱作りと、子育てを終えた後の巣箱観察、そして高梁美しい森での自然観察を行いました。体験前にブッポウソウの生態について専門に研究を行う講師より、全国有数の繁殖地である岡山でブッポウソウがどのように暮らしているのか、また個体数減少の背景として何が課題となっているのか、豊富な写真や記録映像、時折クイズも交え分かりやすく解説していただき理解を深めました。
▼貴重な映像やクイズを交えブッッポウソウに関する講義をいただきました。
そのあと、実際に里山へ設置する巣箱の作成を行いました。巣箱は痛みが早く、3年を目途に掛け替えが行われます。この日は子どもから大人まで参加者どうしが協力しあい、10個の巣箱を完成させることができました。完成した巣箱に名前やイラストをかいたあと、記念撮影を行いました。
▼完成した巣箱です。
お昼は、地元高梁市の特産物がふんだんに使われたお弁当をいただきながら、山の環境やブッポウソウの暮らしについて、参加者どうしで楽しい時間を過ごしました。
昼休憩ののち、実際に今夏ブッポウソウが滞在していた巣箱の観察へと移動しました。講師自身が電柱をのぼり、巣箱をおろす瞬間には、参加者から「高い!」「これは重労働だ」と保護活動の大変さを目の当たりにし、驚きの声が上がる場面がありました。
巣箱の中身を見るのは参加者全員が初めての体験で、分厚く堆積した草や土をほぐしながら、ブッポウソウの食べた昆虫の羽、運んできた貝殻などを観察し、その生態について知識を深めました。
里山から戻ったあとは、「高梁美しい森」の中を歩きながら、センブリの葉を探したり、山の整備について話を伺ったりといった体験を行いました。自然環境、自然空間と人間の暮らしについて参加者全員で振り返りを行い発表しあった後、各講師からまとめの言葉をいただき閉会としました。
このイベントで得られたこと
参加者の声
- 環境保全に真剣に取り組んでいる方から色々なお話を伺えたから。(40代女性)
- 普段機会のない鳥の巣箱づくりや観察等が体験できて楽しかった。(40代男性)
- ブッポウソウの生態や鳥類について知ることができた。(20代男性)
- 知識が満たされた。自然に癒された。(40代男性)
- 天気もよく、巣箱づくりも観察もとても楽しかった。(40代男性)
イベント実施結果
- 参加者数
- 14名
- アンケート回答数
- 9名
- 参加者満足度
- 100%
- 実施してよかった点
- 昨年度本プログラムで作成した巣箱の設置場所にて、実際にブッポウソウが使用した巣箱の観察を行い、ブッポウソウの1年の生態サイクルを学習することが出来ました。また巣箱の架け替え作業の様子を実際に間近で見ることで、希少生物の保護活動の苦労と工夫を知ることが出来ました。
▼講師による巣箱取り外しのようす。
▼取り外した巣箱の中身を観察しました。 - 実施して苦労した点
- 6月に開催した「ブッポウソウの巣箱観察」の参加者による連続参加がなく、整備から観察までの一連の参加を通じてブッポウソウへの理解が深まるプログラムとなるよう、開催日の設定や参加の呼びかけに工夫を行う必要があると感じました。
▼インストラクターの解説を受けながら里山を歩き、設置された巣箱やブッポウソウの生育環境について学びました。 - 特に寄付が活きたと感じた点
- ブッポウソウの巣箱設置には通常3,500円程度の費用がかかりますが、参加者がボランティアで作成を行うことで、保護活動を行う団体の経費削減につなげることができました。また体験プログラムの材料として巣箱を購入でき、生息環境の整備においても大きな力となりました。
▼完成した巣箱