SAVE JAPAN プロジェクト 2015

レポート

高梁川上・中流域の環境保全と暮らしを学び・体験しよう!5 ~ウスイロヒョウモンモドキの草原をつくる~

2015年12月05日(土)実施
  • 昆虫・その他
  • 里山

レポート

 新見市土橋地区に生息するウスイロヒョウモンモドキは絶滅危惧種Ⅰ類に指定されており、日本に生息している蝶類の中で、最も危機に瀕している種のひとつです。生息地の草刈りを行うことで、ウスイロヒョウモンモドキの幼虫の餌となるカノコソウの生育を促すことを目的とし、新見・土橋地区の皆様と一緒に活動を行いました。

 地域の皆様が草刈り機を使用し、SAVE JAPANプロジェクト参加者は刈り取られた草を運ぶなど整理の手伝いをさせていただきました。山仕事に不慣れな参加者が多い状態ではありましたが、多様な世代の方と会話をしながら活動をともにすることで、和やかに作業を進めることができました。

▼地域の方による草刈り機での作業


▼SAVE JAPAN参加者も作業へ参加しました!


▼草刈り終了後。草原がすっきりとしました。



 草刈りのあとは地域の方々とともに昼食をいただき、講師よりこれまで当地域で12年間に渡り実施されてきた草刈りの活動についてご説明をいただきました。

▼地域の皆様が準備してくださった昼食をともにさせていただきました。


 外部の専門家が主導して「守ってください」と保護を推し進めるのではなく、地元の方への説明と勉強会を重ねるところから活動をはじめ、今では地域の観光や活性化へつながる大切な取り組みとして根付いていることを伺い、参加者からは感心の声が上がりました。

 講義のあとは草間台自然環境の観察へむけ、羅生門へと移動しました。一度訪れたことがあるという方も多く、希望者のみでの観察となりましたが、珍しい植物に時折足をとめながらゆっくりと自然を楽しみました。

 観察の終了後は送迎バスにもどり、今後も同地域での活動へ継続的に関わりたいとの意見を交わしながら、解散としました。

当日のスケジュール

10:00 集合、ウスイロヒョウモンモドキ生息地の草刈り作業
12:00 昼食
12:30 オリエンテーション、ウスイロヒョウモンモドキの生態講義
13:30 草間台自然環境の観察(羅生門)
14:15 終了、解散

実施内容

ウスイロヒョウモンモドキの生育環境整備と、草間台地の自然観察を行いました。

このイベントで得られたこと

作業のみに留まらず取組みが始まる背景について教えていただいたことで、活動の意義や保護活動の重要性、継続のむずかしさについて学ぶことができました。

参加者の声

  • 天候にめぐまれて全員チーム学生さんと楽しくできた。(70代男性)
  • 自然や地域の方と触れ合うことができた。(20代男性)
  • 環境整備の達成感。(20代男性)
  • 草刈りをして達成感があった。(20代男性)
  • 虫がとれた。(小学校2年生男子)

イベント実施結果

参加者数
19名
アンケート回答数
19名
参加者満足度
70%
実施してよかった点
地域の方から、「多くの方に参加いただけてよかった」との感想を伺うことができました。希少な生物の保護活動について、生息地を有する一部の地域にのみ委ねるのではなく、多様な地域・世代からの参加者によって支えていくきっかけとなりました。
実施して苦労した点
小学生の方が参加してくださいましたが、草刈作業については危険が大きいため、周辺地域での自然観察を行って頂きました。せっかく関心を寄せていただいたので何らかの形で保護活動へ関わっていただく方法を検討したいと思います。
特に寄付が活きたと感じた点
送迎バスを手配できたことで学生など移動手段を持たない方にも参加していただけ、活動の幅が広がりました。また地図上では分かりづらい作業場所への移動も、参加者全員でスムーズに行うことができました。