SAVE JAPAN プロジェクト 2015

レポート

高梁川上・中流域の環境保全と暮らしを学び・体験しよう! 2 ~ブッポウソウの巣箱観察~

2015年06月20日(土)実施
  • 里山

レポート

冒頭の講義では、ブッポウソウの生態について研究を行う講師を迎え、全国有数の繁殖地である岡山でどのように暮らし、個体数の減少の背景として何が課題となっているのか、豊富な写真や記録映像、時折クイズも交え分かりやすく解説していただき理解を深めました。

そのあと、里山に設置されブッポウソウが抱卵を行っている巣箱の観察へと移動しました。時期的に親鳥の姿を巣箱の外で観察することはできませんでしたが、道中の水田でカエルなどの生き物や草木を観察したり、遠くの山木にブッポウソウの姿を探したりと、自然に親しみながら、ブッポウソウの暮らしやすい環境について体験的に考えていきました。

昼食休憩をはさみ午後からは、「高梁美しい森」の中を歩きながら、オオムラサキの幼虫を探したり、栗の木をルーペで観察したりといった体験を行いました。自然環境、自然空間と人間の暮らしについて参加者全員で振り返りを行い発表しあった後、各講師からまとめの言葉をいただき閉会としました。

▼貴重な映像やクイズを交えブッッポウソウに関する講義をいただきました。

ブッッポウソウに関する講義

当日のスケジュール

09:00 集合・開会式
09:15 ブッポウソウの生態についての講義
    講師:
    岡山大学大学院後期博士課程 黒田聖子氏
         NPO法人 フォレストフォーピープル岡山 理事/森林インストラクター
    小見山節夫氏
10:15 ブッポウソウの巣箱観察
11:45 昼食、写真撮影
12:30 高梁美しい森自然観察
13:55 観察体験の共有
14:00 閉会式
14:20 終了、解散

実施内容

ブッポウソウの観察と高梁美しい森の自然観察を行いました。

▼抱卵中の親鳥が守る巣箱を観察しました。
ブッポウソウの巣箱観察

このイベントで得られたこと

座学・実地の観察を通じて、里山と希少種生物の生息環境について、知識と体験の両方から学びました。ブッポウソウの生態を通して、餌とする昆虫や植物などの生命のつながりについても学び、そのつながり、生態系全体を保護することの大切さを学びました。

いずれも専門的な講師及び実践団体の協力を得られたからこその成果だと考えます。

▼ルーペをお借りして、木の葉や虫をしっかりと観察しました。
高梁美しい森

参加者の声

  • 「生態系」という広い枠の中で見る事が出来た。しかしブッポウソウがしっかり見られなかったので、また実際に来て見られたらと思う。(20代男性)
  • ルーペを持って植物や昆虫を近くで自分から見る事が新鮮だと感じられ自然に対する興味も深まった。(20代女性)
  • 生物多様性、生き物が住みやすい環境としての里山の必要性がよく理解できた。(50代男性)
  • 自然の中を歩き色々と説明したいただきながら覚えるのにとても楽しく歩けました。(60代女性)
  • 自然環境についての関心が初心に戻った気持ちにさせてくれました。(70代男性)

イベント実施結果

参加者数
17名
アンケート回答数
19名(実施協力団体2名を含む)
参加者満足度
47%
実施してよかった点
昨年度本事業の中で巣箱づくりを行った場所で観察体験を行いました。実際に昨年度の作業に参加された方が継続して参加くださったことで、ブッポウソウの生育環境づくりの意義を体感していただくことができました。
実施して苦労した点
ブッポウソウの観察を予定していましたが、時期的に孵化には早く、巣箱の外で親鳥が餌を運ぶ様子を見ることはできませんでした。また「高梁美しい森」でのオオムラサキの幼虫観察には時期的に遅く、こちらも実物を見ることはできませんでした。ただ成虫が美しく舞う姿を観察できるなど、全体を通じ「自然」について考えるきっかけを多く得ることができました。

▼参加者全員で、観察体験を共有しました。
観察体験の共有
特に寄付が活きたと感じた点

参加費を無料として開催したことで、参加者にとって敷居が低く、参加しやすいプログラムとなりました。また講師や協力団体に対して適正な謝金を支払うことができ、環境保全を担う人材の育成にもつなげることができました。

貸しきりバスを利用することで、イベント実施場所までの参加者のアクセス向上に加え、講座を行ったセンターから巣箱の観察場所まで全員そろって移動することができ、車内で講師からの解説を伺うなど、時間を有意義に活用することができました。


▼参加者全員での記念撮影
記念撮影