SAVE JAPAN プロジェクト 2015

レポート

国蝶オオムラサキの棲む里山体験~観察会&クラフト~

2015年07月12日(日)実施
  • その他植物
  • 昆虫・その他
  • 里山

レポート

国蝶オオムラサキの日本有数の生息地、北杜市長坂町を楽しんでいただきました。豊かな里山の環境を学び、動植物と触れ合うことを通して、「オオムラサキの棲む環境をいつまでも残したい」と思う心が、育まれたと思います。

当日のスケジュール

08:20 受付準備・打ち合わせ(北杜市オオムラサキセンター映像室前)
08:30 受付開始(北杜市オオムラサキセンター映像室前)
09:00 開会式(北杜市オオムラサキセンター映像室)
09:20 プログラム案内 3班にて各行動の説明
09:30 プログラム開始 北杜市オオムラサキセンターと周辺自然公園
 ・ガイドウォーク(70分)
 ・オオムラサキの観察(40分)
 ・工作体験(40分)
12:00 プログラム終了・集合写真

実施内容

北杜市オオムラサキセンター施設周辺で3班に分かれて、「ガイドウォーク」「オオムラサキの観察」「工作体験」の3つの活動を、ローテーションを組んで行いました。「ガイドウォーク」では、施設周辺の自然公園をご案内しました。五感を使って、樹液の出る木とそこに集まる昆虫の観察、水辺の生き物の観察、棚田のある里山の風景の中で、さまざまな動植物や自然を体験していただきました。「オオムラサキの観察」では、生態観察施設びばりうむ長坂において、職員が解説し、間近でオオムラサキやカブトムシをご覧いただきました。「工作体験」では、オオムラサキの森づくりを行った際の間伐材を使って、チョウのオーナメントを作っていただきました。

開会式の様子
開会式の様子

瑠璃色の翅が輝きます
瑠璃色の翅が輝きます

棚田や沼も観察します
棚田や沼も観察します

水辺の生き物もいましたよ!
水辺の生き物もいましたよ!

協力して楽しく工作♪
協力して楽しく工作♪

オオムラサキが、手にとまってくれました♪
オオムラサキが、手にとまってくれました♪

みんなで集合写真
みんなで集合写真

このイベントで得られたこと

多くの皆さんに、北杜市オオムラサキセンター周辺の豊かな自然を体感していただくことができました。半日で3つの活動を行いましたが、どの活動もよかったというお声や、プログラムを通して自然に対する知識を深めることができた、感動した、というお声をいただくことができました。オオムラサキや水辺に棲むさまざまな生き物の観察、里山の風景などを体感していただくことで、里山の自然に魅力を感じていただけたと思います。この日の思い出が、「里山という環境を大切にしたい」という気持ちに繋がることを期待しています。

参加者の声

  • 普段意識することのない自然環境を身近に感じることができリフレッシュすることができました。この様な自然環境を大切にしていきたいと思います。(20代男性)
  • オオムラサキの生活(里山)の様子が近くで体感できた(40代男性)
  • 里山の大切さが改めて分かって良かったです。今回サナギが見れてちょっと感動しました。(40代女性)
  • とてもよかったです工作も作りやすくて家にかざる事ができそうです(50代男性)
  • ちょうちょがみれてたのしかった(未就学)

イベント実施結果

参加者数
66名
アンケート回答数
45名
参加者満足度
62%
実施してよかった点
半日の中で、1つのテーマに対してそれぞれ目的が違う3つの活動を行えたことで、多くの皆さんに、さまざまな角度から里山の環境を学び、間近で体感していただけたことです。力強く、美しいオオムラサキの姿やカブトムシなどをご覧いただける時期でもあったため、より魅力を感じていただくことができました。体験も多かったためか、未就学の方から小学校高学年の方まで、どのご年齢のお子様にも楽しんでいただけたようでした。
実施して苦労した点
今年も、季節柄、雨天時の対応になる可能性や荒天による中止が懸念されました。当日は、晴れて日差しが強かったため、野外の活動では休憩時間を入れる等、十分な注意が必要でした。
昨年大変好評であり、参加者の皆さんに大きなインパクトを与えていた「樹液に集まる多くの昆虫」や「野生のオオムラサキ」を、今年はご覧いただくことができませんでした。里山の豊かさを体験していただくには、多くの生き物や植物との出会いの体験が大きな力となります。しかし、自然が相手であるため、その状況によってお伝えできることや印象が異なるところに難しさがあります。その時のどんな状況でも、多くの方に満足感を持っていただく、もしくは「見られなかったけど、また来て体験したい」と思っていただけるように、内容を工夫してプログラムを実施していきたいと思います。
特に寄付が活きたと感じた点
今年も、広報面でチラシを多く作成・配布をすることができたため、多くの皆様に周知することができ、定員を超える多くの皆様にご参加を希望していただけました。
プログラムの面では、職員が対応するガイドや、専門の講師をお招きして、小さなお子様でもできる昆虫に関わる工作を行うことが出来ました。
また、北杜市オオムラサキセンターの施設を利用することができ、晴天時の安全管理や雨天時の対策、開会式の会場の設定ができました。施設はプログラム内でも活用でき、野外でご覧いただくことが難しかった昆虫の観察や、施設内だからこそ見ることができる昆虫の姿を観察していただくことができ、より良いイベントの企画に繋がりました。

今回のコンセプトの一つに、環境保全活動を行うきっかけにつながるイベントとするということがありました。ご参加いただく方に費用面などで大きな負担がかかるイベントでは、環境に関して興味がない方にはなかなかご参加いただけないということもあります。今回は寄付をいただけたことで、ご参加いただく方の負担を大きく軽減できたことは、間口を広げることに繋がったと考えられます。

また寄付を活用し、夏休み期間中に、里山に住む昆虫やその環境に親しみ、魅力を感じていただくための「野外観察と解説」も計画することができました。今後のイベントで、キャンセル待ちでご参加いただけなかった方々にもご案内したいと考えています。さらに多くの皆さんが、多くの動植物が生きる里山環境の保全について、考えるきっかけとなることを期待します。