つがる野もりびと部 -動物のすむ森を守ろう!-
レポート
あいにくの天候でしたが、施設の軒下を借りて開催。活動地周辺は草地が広がり狩り場として多くの猛禽類が確認されるが、大半が幼齢林のため、フクロウに代表される猛禽類にとって生息し辛い環境であると想定された。今回は特に、フクロウの生態について学び、そして実際に巣箱を作成する活動を実施しました。今後は、継続した経過観察を行い、飛来や繁殖などの活動を調査し、今後の管理に活かすこととしています。
当日のスケジュール
10:00 集合・オープニング
10:15 フクロウの生態に関するレクチャー、巣箱作り
11:00 昼食準備(野外調理・自然体験)
11:30 みんなでいただきます(昼食)
12:30 巣箱作り活動・生態系を学ぶゲームの実施
15:00 まとめ・クロージング(閉会)
実施内容
今回のイベントにおける活動対象地である「わらはんどの池」は津軽ダム湖畔にあり、また世界自然遺産白神山地の山懐に位置しています。一方で、ダム工事に伴い集落が移転し、耕作放棄された田畑は草地に変わり、希少な猛禽類の刈り場として利用されています。一方で、周辺の森は、若いブナやミズナラの森が広がり、樹洞に生活する鳥類や小型哺乳類にとっては暮らしにくい環境となっています。
今回は、森に住むフクロウのために巣箱を設置するために、フクロウについて学び、そして実際に巣箱を作成する活動を行いました。またこの活動には、損保ジャパン日本興亜青森支店の方々を中心に、地元弘前大学の大学生にもご協力頂き、実施しました。まずは、対象となる「フクロウ」がどのような鳥なのか?何故、このような環境でくらしているのか?どのような1年を過ごしているのか?狩りの仕方や子育てについて基本的な知識について学びました。講師は、弘前大学でフクロウなどの鳥類を研究している院生の方を講師にお招きし、ご指導を頂きました。
その後、実際に巣箱の作成に挑戦しました。複数枚の板から、のこぎりを用い巣箱に必要なパーツを切り出し、そして釘や金づちを利用し、板同士を繋げ組みあげていきます。組み上げる最中に隙間が見つかり、修正する必要のある場所も見つかりましたが、フクロウが使いやすいような工夫を施して行きました。
完成後は、白神山地のブナを中心とした生き物のつながりを学ぶゲームに挑戦。ゲームを通して、四季折々に見えてくる植物や動物、そして人間との関わりについて、学びました。
今後は、この巣箱を森に設置し利用状況をセンサーカメラにて調査します。フクロウだけでなく、リスやムササビなどの動物も確認されている場所です。厳しい冬に、この巣箱を誰かが気に入り、使って冬の寒さを凌いでくれる事を楽しみに待ってみたいと思います。
このイベントで得られたこと
各個に活動してきた団体が連携して環境維持にかかわる事が出来たことは新鮮でした。天候に恵まれず、直前でのキャンセルが入ったため、大人のみの開催となりました。一方で、巣箱作りなどは大人の知識や知恵、仕事とは違うコミュニケーションを生かした活動となりました。
参加者の声
- 内容は十分満足できるものでしたが、天候不順で参加が少なく、交流の機会が減ってしまい残念でした。 (男性/50代)
- ふくろうの生態を通して、自然環境が以前と変わってしまっている点について、楽しく理解を深めることができた。 (男性/40代)
- 環境問題について、体験もしながら考えることはこれまでになかったため、非常に有意義な時間を過ごすことができた。 (女性/20代)
- ただ自然環境を守りましょう!というだけではなくその理由やそこに生活している希少動物の生態まで詳しく、楽しく学べました。そして、得た情報を他の人にも伝えたい!と思えるイベントでした。(女性/40代)
イベント実施結果
- 参加者数
- 19名(大人19名、子ども0名)※途中参加含む
- アンケート回答数
- 11通
- 参加者満足度
- 81.8%
- 実施してよかった点
- 参加者及び実施団体、関係団体と挑戦する喜びを共感することができた。
- 実施して苦労した点
・なかなか機材の手配、人的資源の確保が直前まで確立できなかった。
・テーマが難しく、他人事になりやすいテーマであったため、参加者の参集がままならなかった。- 特に寄付が活きたと感じた点
環境整備並びに環境保全を行ううえで、今後も利用する機材の購入に予算を利用した。また、環境維持活動や、野生動物の生息環境の保全を自分事として知っていただくために、活動の広報や、活動展に利用し効果を得た。