SAVE JAPAN プロジェクト 2013

兵庫 ソーシャルデザインセンター淡路

「ホタルの里」へようこそ!淡路島の自然をみんなで探検しよう!

―森・里・海をつなぐ水循環と生態系について考えるVOL.1― 「諭鶴羽山系のホタルを見に行こう!in淡路島」レポート

■イベント概要

兵庫県では、淡路島において、今回のSAVEJAPANプログラムをおこないました。

122名の参加者が、水辺に光るホタルの舞を本当に楽しむことができました。

 

淡路島の南あわじ市において2013年4月開校の「吉備国際大学地域創生農学部」にご協力いただき、

第一部としてホタルと環境についての講和、そして地道にホタルの住む環境を創り、守ってきた「成相ダム」付近の水辺にて、

コーラスの歌声でホタルを呼び、無数に飛び交うホタルの鑑賞をおこないました。

 

 
子たちも(*゚▽゚*)ワクワク 
美しいコーラスの歌声でおでむかえ

 

当日プログラムとしては、17:30開会のあいさつの後、

第一部「ホタルと諭鶴羽山系のお話」として、ホタルと環境について学びました。

1.「流蛍 よみがえれ“ホタルの里”」-三原中学校理科部のあゆみー

(元三原中学校理科部顧問:山形和子先生)

2.「ホタルが飛ぶ環境条件と私たちの暮らし」

(吉備国際大学地域創成農学部/京都大学名誉教授 内藤正明先生)

 

休憩ののち、私たち120名は、4台のバスに乗り込み、

19:00に吉備国際大学から、ホタル観賞場所の成相ダムまで移動しました。

 

大学からホタル観賞の現場にバスで移動します 
ダムから水辺のホタルの住む場所へ

現地に到着後、ホタルを呼びこむ「ハマーコーラス」の皆さんの歌声とともに、

水辺にひとつ、ふたつと「光」があらわれ、私たちは水辺の光の舞に驚嘆と感動の時間を

しばし過ごすことができました。

無数のホタルが幻想的な空間を創りだしました。

 

21:30過ぎ、吉備国際大学にもどり解散式ののち私たちは帰路につきました。

皆で写真

 

 

◆プロジェクトを通じて

近年、地球温暖化や生物多様性喪失といった地球環境問題が浮き彫りにされ、今後、持続可能な社会を築いていくうえで、二酸化炭素を多量に排出する生活が「豊か」であるという価値観からの脱却、或いは価値の転換が求められています。

 こうした中、古来より「御食国」と呼ばれ生態系サービス(自然の恵み)豊かなはずの淡路島にもさまざまな変化が起きています。シカ等の獣害による農産物への被害、それに伴う里山の崩壊、また漁獲量の減少、磯焼けなど、生活を支える地域経済にもつながる深刻な問題となっています。今回の事業ではこうした淡路島の暮らしそのものに関わる生態系の今を考え、これから持続可能な島の暮らしを考えるきっかけとなるような場にしていきたいと考えています。

まずは「森・里・海をつなぐ水循環と生態系について考える」ための入り口として「ホタル」を題材に選びました。清流にしか棲まないといわれる「ゲンジボタル」の再生を目指し、40年以上継続してきた活動について学び、その成果を目の当たりにし、美しい自然に触れることで、まずは自然の大切さを実感するところから、こうした取り組みのすそ野を広げたいとの思いからでした。

次回(10/27)は、専門性の高いフォーラムを行い、今後の調査、研究、そして、住民参加の島のビジョンづくりへと進めていきたいと考えています。

 

◆イベントを実施して

 ・参加者人数    大人 93人 子ども 29人

 ・アンケート回答数 大人 77人 子ども 19人

 ・満足度 96%

【所感】

・土曜日でしたが、開始時間がちょうど夕食時だったので、遅れてくる人が多かったのが気になりました。ただ、それを配慮し、お弁当を準備したのは、よかったと思います。

・二部構成にしたことによって、小さな子どもを連れたファミリーにとっては参加しやすかったようでした。

 

◆参加者の感想

・子供が蛍に興味をもってくれた。環境問題についてあらためて考える機会ができた。

・都会生まれなので、このような環境は本当に残して欲しいです。コーラスの歌声を聴きながら蛍の光を見ていたら涙が出てきました。

・ホタルを見に行くだけでなく、お話も良かったですしコーラスもすばらしかった。現地でホタルの乱舞に感動!バックコーラスにも感動でした。

・ホタルが見れて子供たちがとても喜んでいました。想いがホタルに通じたようでとても嬉しかった。

・環境問題だけでなく、地域の人も巻き込んだプロジェクトだった。

 

◆イベント実施で苦労した点

・準備期間が短かったので、企画等の準備が忙しかったこと。

・実施時間帯が、ちょうど夕食時と重なったため、お弁当の準備が必要となり、その対応に、手間がかかっこと。

・夜のイベントでホタルの生息地が川沿いであること、参加者が120人と多かったこと、子どもたちの動きが把握できにくかったことなどから安全管理に気を使いました。

 

◆イベント実施で良かった点

・「ホタル」を取り上げたことで、参加者の年齢層の幅が広がったことは、大変良かったです。また、コーラスグループが「ホタルと自然を歌う」と題して、アカペラで合唱するという音楽とのコラボは、参加者の心に感性を通じて、より印象づけられたように感じています。実際、アンケートの声にも結果が表れていました。

・今回の取り組みでは、SAVEJAPANプロジェクトのご支援をいただき、その全国ネットで島外の人々にも広く淡路島のことを知っていただける機会をいただいたことが何よりの成果であったと思っています。実際に、島外からも参加してくださったのはうれしい限りです。

・こうした環境を守る活動は、一つの地域における特有の課題ではなく、広く地球環境にまでつながる大切な活動だと思います。『シンクグローバリー・アクトローカリ―』が「特定非営利活動法人ソーシャルデザインセンター淡路」のコンセプトですが、「ホタル」の再生を目指し、40年以上も地道に取り組んでいる淡路島での活動と環境問題についてお話をいただくこともできたことが、これからの未来へつながる「価値観」について、ともに考えるきっかけづくりとして島内の人々の関心がグローバル化されることに期待が持てました。

 

◆特に寄付が活きたと感じた点

・今回の事業実施への助成金で、一番、ありがたかったのは、ホタルの生息地まで、バスを4台も借りることができて一度に送迎できたことです。山の中で、駐車場もないので、一度に動かないと安全管理が難しかったと思います。また、一緒に移動することによって、短時間でしたが、ともに集う仲間意識のような関係性が生まれたようにも感じました。

・次に講師先生への謝金が用意できたこと、また、スタッフの事業実施準備、当日等の人件費が確保できたことです。行政だと、助成金の性質によっては、人件費はボランティアで、というのが多いのですが、私たちの長年の経験から言うとボランティアでは、なかなか、継続が難しいところがあります。こうした目に見えない仕事をも大切に考える御社の経営理念であるかと感じました。心から感謝申し上げます。

神戸新聞