SAVE JAPAN プロジェクト 2013

滋賀 みなくち子どもの森自然友の会

トンボが群れ飛び、ゲンゴロウが泳ぎ回る 里山の水辺を取り戻そう!

トンボが群れ飛び、ゲンゴロウが泳ぎ回る里山の水辺を取り戻そう!

■イベント実施日  第1弾 2013年8月24日(土)  第2弾 2013年10月13日(日)  

 

■当日はこんな感じでした

<第1弾 8月24日>

 

最初に、外来種が入ってくることにより、その生態系がどのように変わっていくかのお話がありました。今まで慣れ親しんだ植物や魚・昆虫などが激減していく様子を、写真などで説明していただきます。小さい子どもたちにはちょっと難しかったかもしれませんが、大人の方々はみな大きくうなずいています。子どもたちのためにも、豊かな自然環境を取り戻し、つないでいきたいものです。

外は曇り空で、天気予報では雨マークも出ていました。今日の作業が予定通り進められるといいのですが。雨が降った場合に慌てなくてもいいように、状況に応じてどのように進めていくかといったスケジュールの説明でした。

 

注意を聞きながら、今日の活動場所であるビオトープへ向かいます。

子どもたちの期待がどんどん高まってきます。

 
 

さあ、いよいよザリガニつりが始まります。

木の棒に糸をつけ、糸の先にエサをつけます。今日のエサはスルメ。アメリカザリガニの大好物ですが・・・・ヒトにとっても大好物!?

みな思い思いの釣り竿を作っていきます。

 
 

早速、ビオトープに糸をたらします。あまり動かずにじっとしている方がいいそうですが、子どもたちはむずむずした気持ちを抑えることができず、糸を引いてしまいます。

あっ、残念!! アメリカザリガニの姿は見えるのですが・・・・。

 

だんだん釣り竿が網へと持ち変わっていきます。釣り竿より網の方が手っ取り早い!?

今日は、池の水をくみ出しアメリカザリガニを追いつめて駆除する作戦です。隣にはポンプが置かれ、水のくみ上げが始まりました。

 

池の水がどんどん少なくなってきて、底のドロが見えてきました。このドロの中にもアメリカザリガニがたくさん。もちろん、いろいろな生きものも。網ですくって、アメリカザリガニとそれ以外の生きものを分けてプラスティックのコンテナへ入れていきます。

足下が不安定な中、ドロを掻い出すのは力仕事です。ここでお父さんたちが力を発揮。子どもたちからお父さんへ、熱い視線が注がれていました。

 
 

作業が終わり、今日の成果を確認します。ひとうひとつ取り上げ、子どもたちの質問に答え、丁寧に解説してくださいます。アメリカザリガニの繁殖力は絶大ですが、そんな中でも生息している生きものがたくさんいるんだとわかりました。

*今日の成果

アメリカザリガニ120~130匹(除去)
メダカ(多数)、ギンヤンマ属のヤゴ6、シオカラトンボ属のヤゴ12、コガムシ1、ヒメガムシ10、コシマゲンゴロウ1、ヒメゲンゴロウ3、オケラ4 

 

心配していた雨は、施設の中での昼食休憩中に降ったものの、作業中は全く問題なしでした。予定していた作業は無事終了。

手も足も顔も!?ドロだらけでがんばった参加者のみなさんです。ドロだらけですが、笑顔が輝いていました。

 

<第2弾 10月13> 

 

快晴です。前回は曇り空でしたが、今日は雲ひとつないすっきりと晴れ渡った青空が眩しいばかりです。気持ちもワクワク。

集合して、前回の作業後のビオトープの様子と、今日の活動についての説明がありました。

 

9月中旬にやってきた台風18号は、滋賀県に甚大な被害を及ぼしました。ここ、みなくち自然の森も例外ではありません。敷地内が冠水し、全体が川のように水が流れていたとのことです。

アメリカザリガニは水があるところを伝って移動するため、この台風で敷地内の低いところへと移動したようだとのお話がありました。つまり、前回駆除したビオトープにまたアメリカザリガニが侵入したのだそうです。

自然の織りなすこととはいえ、ちょっと残念な気持ちです。

上の方にある、もともとアメリカザリガニのいないビオトープがどうなっているかを見に行きます。どうやらここは台風の影響は及んでいない様子。たくさんの昆虫類や水草が確認できました。

 
 
   
 

今日の作業は、ビオトープへの水草移植がメインなのですが・・・・。

アメリカザリガニが台風の大雨後ビオトープに再侵入した話を聞き、参加者のみなさん、スイッチが入ったようです。手に網を持ち、黙々とすくっていきます。そして、たくさんのアメリカザリガニがいることを実感。本当にたくさんいるので、みんな驚きました。あっという間に、コンテナの中にアメリカザリガニが!! ゆうに100匹は越える数です。

人の力の及ばない自然の営みに思いを馳せながら、地道な作業が必要なことを改めて感じます。

参加者のみなさんがアメリカザリガニの駆除に集中されるのは予定外でしたが、それならと、急遽、前回のように池の水を抜くことにしました。ポンプが動き出しました。これでまた、効率アップです。

 
 
 

今日のメイン、水草の移植。水草の種類と特徴を説明していただきます。増やしてからビオトープへ移すとのことで、コンテナに植えていきます。

地味な作業なので、子どもたちの心を掴みきれませんでした。子どもたちは池に戻り、また網を手にしています。

 

いいお天気の中、活動が終わりました。

アメリカザリガニを完全に駆除することは難しいですが、参加者のみなさんの力が結集されてこその成果でした。

「これからどうなるか気になるわ~」「また来ようね」「次来た時は、また違う虫が帰ってきているかな?」 この関心が大切ですね。みなさん、ぜひ関心を持ち続けてください。

 

 

 ■イベントを実施して

  参加人数  46名 (大人27名 子ども19名)
  アンケート回収率  85.2% (大人80% 子ども91.7%)
  満足度(大人)  満足 8  やや満足 4  

 

■参加者の意見(アンケートの自由記入欄より抜粋)

  最近見かけない生物と触れ合えて楽しかった(男・40代)
  ・  子どもと一緒に参加することによって自然の生態系をじかに触れることがよかった。泥遊び(?)も楽しかったです。(男・30代)
  アメリカザリガニをいっぱいとれたことがすごくうれしいです(小4)
  ・  環境保全活動の重要性を再確認しました(男・60代)

  

■イベントを実施して苦労した点

  前日が雨だったため足下が悪く、参加者に作業をしてもらうのに注意してもらう声かけが大変だった。
  子どもたちがザリガニを取ろうとして、釣り糸を少しでも遠くに落とそうと身を乗り出し、危ない場面が何回かあった。
  1回目の作業でどのくらいの効果があがるのかが読めず、2回目のメニュー設定に悩みが多かった。台風という想定外の状況が発生したが、かえって自然の営みを感じることができた。
  ビオトープの大きさを考えると参加者数は適正だったが、多くの方には参加してもらえず残念だった。

 

■イベントを実施してよかった点

 

子どもたちが積極的にドロの中に入っていく様子が、とても頼もしかった。日常的にはなかなか体験できないことだった。
  昆虫や魚など、自分たちが見つけた生きものを詳しく説明していただき、また質問にも丁寧に答えていただき、理解が深まった。
  自然の力の大きさを感じながらも、必要な作業を地道に続けていくことの大切さを実感することができた。環境保全活動の大切さが伝わった。

 

■特に寄付が活きたと感じた点

 

ひとりひとりに網を用意することができたので、自由に工夫しながら作業ができ、参加者の達成感が高かった。
  PRのカラーチラシが大量に作成でき、近辺の小学校で全員配布ができた。通常のチラシは白黒のものなので、注目してもらうことができたようだ。都合が合わずに参加することはできないが、身近でこういうことが起きているとは知らなかったとか、どのように駆除するのか教えてほしいという声があった。チラシの配布が、地域の関心を高める一助となった。
  団体にとって、活動を広げていくきっかけとなった。