SAVE JAPAN プロジェクト 2014

埼玉 エコシティ志木

希少生物カヤネズミの棲むヨシ・オギ群落地の環境保全と啓発

志木カヤネズミ原っぱで宝さがし ~カヤの迷路に何があるかな~

■当日の大まかなスケジュール
9:00 集合
9:30 迷路(カヤのンネルでお宝さがし)/虫取り/草遊び(矢投げ)
11:00 成果発表会
11:15 全員で記念撮影・アンケート記入
11:30 マシュマロバーベキュー
12:00 解散

【当日の様子】
前日の天気が雨天だったこともあり、翌日の天候が回復するか心配されたが、当日は朝から秋晴れに恵まれ、当日参加者は57名の申込に対し、欠席者がわずか2名と非常に高い参加率となった。

会場は、夏の観察会を行なった「志木市いろは親水公園河川敷」の『ヨシ・オギ群落保全地』。イベント内容は、「志木カヤネズミ原っぱで宝さがし ~カヤの迷路に何があるかな?~」と題し、カヤネズミの棲むヨシ原の迷路やトンネルを楽しみながら宝探し、秋の虫取り、ヨシ・オギで作った矢を投げる草花遊びなどを行い、カヤネズミが生息する保全地とその周辺の都市河川の楽しみ方を伝え、最後にマシュマロバーベキューを行なった。

夏のイベントに引き続き、この河原に棲息する希少生物であるカヤネズミの生態について説明を行い、危険外来種であるオオブタクサが繁茂すると、「ヨシ・オギ群落保全地」が消滅し、「カヤネズミ」が生息できなくなってしまうということを理解してもらった。さらに、今回の観察会では、会場となった新河岸川に流れ込んでいる柳瀬川で採取した魚類や水生昆虫などが観察できる展示水槽も用意した。

55名の参加者を3班に分け、それぞれの班に生き物博士を配置。①水槽の魚や水生昆虫の観察・虫取りコーナー、②カヤの迷路でお宝探しコーナー、③草遊び(矢投げ)コーナーの3ブロックに会場を分けた。 ①のコーナーでは、近所の川に、想定しているよりも多種多様な水生の生き物がいることに、大人も子どもも興味津々に水槽を覗きながら博士の説明に聞き入っていた。虫取りについては、時期的に昆虫の種類が少なくなっていたが、バッタ類が沢山おり、おんぶバッタなどを発見するなど、想定していたよりも堪能してくれていた。

2)のコーナーでは、エコシティ志木の皆さんが、大人の背丈より高くなった秋のヨシ原を事前に部分的に刈り込み、1週間かけて迷路を製作してくださった。行き止まりや、回り道、トンネル、カヤネズミの巣がみられるポイントなど、非常に工夫して作られた迷路は大好評で、自分の背丈を覆う迷路に分け入ると、子どもたちは歓声を上げて探検を初めた。カヤネズミの巣を発見して「シーッ」と言いながら観察した後は、「巣があったよ!」と感激している様子だった。迷路出口の広場は、木々にぶら下げて隠されたお宝探し会場となっており、小学生以下の子どもはお母さんに抱っこされて一生懸命発見。お宝は「セミの抜け殻、カタツムリの貝殻、ミノムシの蓑」の3点セットで、子どもたちは嬉しそうにお宝と一緒に写真撮影をしていた。

3)のコーナーでは、形の良いアシやオギを探し、その根本を布で巻いて矢をつくり、3mくらい離れた場所に設置された網に向かって矢投げ遊びを行なった。子どもと親が一緒になって作業した矢作りは、親子で自然に触れ合って物を作る良い機会となった。

全員が全コーナーを体験した後、参加者全員で記念撮影を行い、アンケートに記入した子どもから順番にお土産の「どき土器クッキー」(50個)を手渡した。「どき土器クッキー」は志木市内の西原大塚遺跡で発見された縄文時代の土器をモチーフに、よもぎ、あわなど健康に良い食材を使い、NPO法人シンフォニー(福祉作業所)のみなさんが製作しているものである。

最後に、昨年のイベントでも好評だったマシュマロバーベキューを行った。ちょうどお昼前の小腹が空いた時間だったこともあり、大人も子どもも「美味しい!」と、幾つも頬張りながら楽しんだ後、流れ解散の運びとなった。

今回は、カンカン照りでもなく暑すぎない秋の気候のなか、ちょうど良いあんばいの時間配分でバリエーションのある自然の遊びと観察が行なえたため、参加者の笑顔と元気が最後まで絶えなく、スタッフ一同ともに非常に満足できるとても良いイベント結果になった。

■当日のスナップ

柳瀬川に棲息する魚や水生昆虫いる
水槽に興味津々


おかあさんとオギの穂で矢作り

上手になげられるかな?


「えいっ!」
いよいよ迷路に入るよ!


迷路の中をドキドキ探検中
途中でカヤネズミの巣を発見!


出口の木に「お宝」が!
お宝はセミの抜け殻・カタツムリ
の貝殻・ミノムシの蓑


お宝自慢の記念撮影
みんなで記念撮影 マシュマロバーベキューはみんなで
美味しく盛り上がりました!

■イベントを実施して

[参加人数]
総数 ...71名 (参加者55名 スタッフ16名)
参加者再掲55名(大人23名 子ども32名)

[アンケート回答数]
44枚(大人16枚 子ども28枚)

・小学生以下は未配布、ただし子どものうち小学生以下3名が回答した結果も含む。
・満足度:満足(13) やや満足(3) どちらでもない(0) ...計16枚

■参加者の感想
【大人】
1.新しいことを知ことができる良い機会でした。(30代/女性)
2.近所だったので。近くにこのような場所があると知ることができた。(40代/女性)
3.かやねずみを色々知った。(60代/女性)
4.楽しかった。(30代/女性)
5.普段では体験できない迷路などもでき、子どももとても喜んでいた。(40代/女性)
6.虫取りだけではなく、迷路など、内容がたくさんで楽しかった。(30代/女性)
7.なかなか自然と触れ合う時間がないので、こういうイベントがあると助かります(30代/女性)
8.絶滅危惧種がいることが身近な問題だと感じました。(30代/男性)
9.台風で延期になったのが残念でした。(40代/男性)
10.子どもとともに自分も自然に触れる良い機会だった。(30代/女性)
11.迷路でカヤネズミの巣をみることができたし、アシなどでヤリを作り的当てをしましたが、
   子どもも大人も楽しむことができました。(40代/男性)
12.普段とおれない場所に入れて楽しかったです。(40代/女性)

【子ども】(たのしかったこと)
1.全部楽しかった(2人)
2.迷路(10人)
3.虫取り(2人)
4.矢なげ(2人)

■イベントを実施して苦労した点
・屋外イベントのため開催が天候に左右されることが大きい。
本イベントも当初は10月5日の開催予定であったが、台風により中止せざるを得ない結果となり、前日に手分けをして80名近い参加申込者に中止と日程調整による順延についての連絡を行なった。しかし、日程調整をした11月2日が秋の行楽シーズンの三連休の真ん中に当ったこともあり、参加申込者が20名程度になった。

◎その対策として...
1)夏のイベント参加者全員に案内を行なった。(30名近い参加者を得ることができた)
2)無料で掲載できるイベント告知サイトに掲載をした。(近隣県より1家族5名参加有り)
3)開催予定日は、週間天気予報で降水確率が50%、開催3日前の金曜日の時点でも前日まで
  雨予報であったため、前日の朝発表される翌日の降水確率発表を待ち、開催の可否を問わ
  ず参加予定者全員に電話連絡を行なった。
  この前日フォローが、当日の欠席者2名という高参加率に結びついたと推察される。

・子供が興味を持ち親子で楽しめるように、ヨシ・オギを使った秋の自然ならではのプログラムを
 意識した。

・前回のアンケート結果をふまえて、プログラムをローテーションで回る時間配分を工夫し、
 途中で待ち時間などができないよう配慮した。また、プログラムにバリエーションを持た
 せることで、飽きずに身体を使って楽しめるよう意識した。


1)日時が延期になり、昆虫の種類が減ってしまった虫取りコーナーは、水槽を設置し
 柳瀬川の魚や水生昆虫が観察できるようにして、充実を図った。

2)カヤの迷路でお宝探しコーナーは、迷路の出口で「お宝」が発見できるように配置、
 発見した子どもにはその「お宝」が成果物として与えられるようにした。
 「お宝」は、「セミの抜け殻・カタツムリの貝殻・ミノムシの蓑」の3点セットとし、子ども
 たちが自然の生き物の姿を学習できるようなものを工夫した。

3)草遊び(矢投げ)コーナーでは、的に当たった子どもに(基本的に全員)景品として
 カヤネズミの缶バッチをあげるようにした。

■イベントを実施してよかった点
・2回目の参加者の方々も多く、同じ「ヨシ・オギ群落保全地」でも夏と秋では差異が
 あり、自然を使って楽しめることを体感して知ってもらえた。

・身近に保護すべき素晴らしい環境があり、希少生物が生息しているということを
 多くの方に知ってもらえた

・苦心作であるカヤの迷路は子どもたちに大好評で、9割の子どもたちが一番楽し
 かったプログラムとしてあげてくれた。

・100%近くの参加者から、満足・ほぼ満足の評価を頂いた。

・設置した水槽については、参加者の興味度が予想よりも高く、子どものアンケート
 にも次回は「釣りがしたい」など、魚や水生昆虫へ関心を示した回答が多く見られた。

・無料イベントサイトを利用して募集掲載を行なったが、募集を締め切ったあとも
 本開催場所はスポット案内として残されるため、ネットを通じて沢山の方々に
 場所を知ってもらえる。
・「エコシティ志木」と「さいたまNPOセンター」との信頼関係が醸成された。

■特に寄付が活きたと感じた点
・デザイン性の高いカラーチラシが制作できた。
・学習用教材としてのパンフ「カヤネズミ原っぱの生き物たち」を制作出来た。
・優秀な自然観察指導員を確保することができ、観察会の内容が楽しくかつレベル
 の高いものになった。
・子どもたちに地元名産のお土産を用意することができたことで、イベントの締め
 くくりが一層良いイベージが作られ、さらに地元への理解が深まった。
・マシュマロバーベキューを行なうことで、色々な親子や子どもたちがより親しみを
 持てる時間を持つことができた。さらに、解散時間が12時であるため、お昼前の
 小腹が空いた時間としてちょうど良いおやつタイムとなった。

■参加者募集ツール
1)夏の観察会と同様に子ども達に的を絞ったチラシを作成し、市内の小学校に配布した。
小学校のみへの配布で定員50名のところ80名近い申込みがあった。

<チラシの配布>
志木市内の小学校(4,500枚)
会員及び関係団体(900通)

2)定員オーバーにより夏の観察会に参加できなかった申込者(50名)には優先して
 封書で案内を行なった。

3)台風でイベントが中止になり日程が再計画となったため、新たな案内を参加申し
 込み者全員(80名)と夏の観察会参加者全員(100名)に郵送で案内をした。

4)さいたまNPOセンターHPにイベントの再計画決定を掲載、募集を行なった。

5)無料イベントサイト「いこーよ」を利用し募集を行なった。
 10/2掲載→11月1日掲載終了の間に閲覧回数258 回、オフィシャルサイト
 誘導数22回(誘導率8.53%)、近隣他県より参加者1家族5名があった。

以上