SAVE JAPAN プロジェクト 2015

レポート

白神山地の水辺でいきものさがし

2015年07月11日(土)実施
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レポート

活動拠点である「わらはんどの池」は、10年ほど前まで水田として利用されていた。しかしダム事業に伴い周辺集落が移転し、今年6月に10年ぶりにこの場所にて田植えを行った。

今回は、わらはんどの池に隣接した水源地である森の中を歩き、近くを流れる大沢川まで探検した。さらに森の中から枝葉を集め燃料として利用し、昼食のピザを作る活動を行った。午後からは大沢川へ出向き、水辺での生き物調査を行った。

当日のスケジュール

09:00  集合・オープニング

09:10  絵本の読み聞かせ

09:30  水源の森探検。大沢川水辺の下見(自然観察)

11:30  昼食準備(ピザ作り)

12:00 みんなでいただきます(昼食)

12:30  水辺の生物観察 (大沢川へ移動。水中の魚やいきものを観察)

15:00  まとめ・クロージング(閉会)

実施内容

「わらはんどの池」は国土交通省津軽ダム工事事務所がダム工事に伴い水没する地域の希少な植物を保全する為に作ったビオトープです。またこの「わらはんどの池」のある場所は、砂子瀬・川原平と呼ばれる集落の方々が僅かばかりの森を開墾し、山からの水を引いた自然との共生の暮らしが営まれていました。しかし現在、ここでの人の営みは行われていません。そこで私たちは、十数年ぶりに田植えを行い、この場所での暮らしの再現を行うことを試みました。

 午前中は「わらはんどの池」と隣接する森を歩き、森の中の生き物や植物の観察を行いました。途中、要注意外来生物であるオオオナモミや帰化植物であるアメリカセンダングサの駆除を行いました。これらの植物は里地の植物で、山林には生育しない植物ですが、工事の影響で増えてしまった植物です。対して森は人が全く入ることが無くなってしまったため、枝葉が茂り大変歩きにくい状況でした。歩く道を切り開きながら、探検しなんとか大沢川へ続く道を切り開きました。

子どもたちが森を探検している間、大人の方々はアースオーブンに火を入れ、昼食のためのピザ作りに取り掛かりました。もちろん探検から戻ってきた子どもたちもいろいろな手伝いをしてくれました。お昼にはおいしいピザをいただくことができました。

 午後からは子どもたちが一番楽しみにしていた大沢川の水辺へ向かいました。最初はすべりやすく岩ばかりの場所を歩き、時には転んでずぶ濡れになりながら川を下って行きました。初めて川に入る小さな子は最初、川の水の冷たさや流れの速さが怖くてなかなか川の中に入れませんでした。しかし、おにいさんやおねえさん達が楽しく遊んでいる姿をみて、小さい子も飛び込みや魚探しに挑戦することができました。



 

このイベントで得られたこと

人の活動で外来種や帰化植物、植物の生育が変わることを体感することができた。水辺での活動を通して、私達が育てている稲がどこから水が来て、どこに流れていくか認識する機会となった。

参加者の声

  • 川で泳いだのが楽しかった (女性/15歳以上)
  • 楽しかったし、植物などいろいろなことが知れた!(女性/15歳以上)
  • 川にはいるなど、自然とたくさんふれあうことができ満足した(女性/15歳以上)
  • ミズカマキリをつかまえた! (男の子/15才未満)
  • 次は森の生き物を観察したい(女の子/15才未満)

イベント実施結果

参加者数
22名(大人13名、子ども9名)※途中参加含む
アンケート回答数
18通
参加者満足度
75%
実施してよかった点
・参加者とともに普段の生活の豊かさを共感することができた。

・子どもたちが火起こしや森に立ち入るなど積極的に活動することができ、ご家族が驚いていた

・稲を育てる水の流れを感じることができた。

実施して苦労した点

・なかなかアースオーブンが温まらず、時間がかかった。

・水辺や森の中での活動が中心であり、安全確保に苦慮した

特に寄付が活きたと感じた点
活動に際し、森林整備に利用する機材や燃料の購入や、薪割りするための斧の購入、活動を指導する講師の謝金に利用させていただいた。