SAVE JAPAN プロジェクト 2015

レポート

自然博士ケン先生とゆく!夏の遠足〜海・川・山〜(第3回)

2015年08月23日(日)実施
  • 昆虫・その他
  • 里山

レポート

第1回で海辺の貴重な自然を観察し、第2回では海につながっている川の自然を守る取り組みを学びました。第3回は、川につながっている里山・山の環境を守り、人間の生活を豊かにしている取り組みを間近で体験するとともに、里山や山での取り組みが川へ、そして海につながっていることを学びました。

当日のスケジュール

10:00 集合・オリエンテーション
10:30 ミカン畑へ移動、ミカンの摘果体験と生き物の痕跡探し
11:45 農場の野菜を使ったバーベキュー
13:30 摘果ミカンを使ったシロップづくり体験
14:50 振り返りとまとめ
15:30 終了

実施内容


今回の会場は紀の川市の観音山フルーツガーデン。所長から和歌山の果物や自然についてお話をうかがいました。


その後、ミカン畑に徒歩で移動。急な傾斜地にあります。

ミカンは傾斜のある斜面に植生しています。まず、摘果の必要性についてスタッフの方からうかがいました。
十分な栄養を行き渡らせて、おいしいミカンをつくるために、一定よりも高い場所にある実を取り除く作業が必要であることを学びました。


子どもはもちろん、大人も摘果は初体験。

畑ですので様々な昆虫などもやってきます。ただし、ハチなど人間にとっては危ない虫もいると注意喚起がなされてちょっとびっくりした様子。




そうしているうちに見つかりました!

ミカンの木の根元にカミキリムシが開けた穴!カミキリムシなど昆虫もミカンが大好きで、昆虫に食われてしまったミカンは味がすっかり落ちてしまい、人間は食べられない、と。昆虫と人間が共生することの重要性だけではなく大変さを教えてくれました。

山を下りてきて昼食の準備。

こちらは七輪で火をおこす体験。


こちらは野菜を切る係。スタッフやお母さんの手ほどきをうけながらおそるおそる包丁を。このあと、この農園で採れた野菜を炭火で焼いて思う存分味わいました!

午後からは摘果したミカンを加工してみます。

ミカンを切って・・・


力一杯絞り・・・


グラニュー糖を加えて煮詰めます。さて何になるでしょう?


あれれ、かき氷マシンが登場!


摘果したミカンを使ってかき氷のシロップが完成!


最後に振り返りです。


みなさんありがとうございました!

このイベントで得られたこと

今回の会場となった農場では、本来は、人間のためにも、そこに棲む動植物のためにも、無農薬で農産物をつくりたいのですが、それでは手がかかり過ぎ、栽培できる面積に限りが出てしまいます。また農業が盛んなこの地域でも耕作放棄地は増えている一方。そこでこの農場では、できるだけ少ない農薬を使用しつつ、地域の耕作放棄地を積極的に借り受けて農地を広げる取り組みをおこなっています。人間の生活と、生き物の成育も含めた地域の環境保全の両立を追求しています。

また、今回シロップの原材料になったのは摘果したミカンの実。本来は廃棄するようなものでも工夫すればこういう形で活用ができます。これも廃棄物の減少、ひいては川や海の環境も守り、希少生物の保護につながります。

さらになんといっても、日頃わたしたちが口にしている農作物がこれだけの手間暇をかけて作られていることを親子ともに再認識することができました。前回、人間が川を汚す要因の一つが食べ残しということを学んだところですが、食べ物を粗末にしないことは、あらゆるものに感謝を伝えるだけではなく、希少生物種をはじめとしてあらゆる環境の保全にも役立つ、ということが体系立てて理解することができたのではないかと思われます。

参加者の声

  • 自分でとったみかんを使ったシロップづくり、それをかき氷にかけて食べたり、とてもよい経験になった。子どもの楽しめてよかった(40代・女性)
  • もともとNPOに興味があった。自然が大好きで大切なことを子どもとともに学びたいと思っていたので、とても勉強になった(40代・女性)
  • みかんをしぼったことが楽しかった(小学校3年生)
  • かき氷づくりとバーベキューがおもしろかった(小学校6年生)

イベント実施結果

参加者数
27名(大人14名・子ども13名)
アンケート回答数
25
参加者満足度
76.9%
実施してよかった点
農園の方にすごくご協力をいただきました。農園へのインターンシップの大学生のお二人にも精力的にお手伝いをいただき、みんなでつくりあげるイベントになったものと感じます。
子ども自身が調理を体験したことで、日頃はあまり食が進まないであろう野菜もおいしく食べられていたように見受けられます。
実施して苦労した点
今回は会場が和歌山市より遠く離れていたため、会場の案内が難しいかと思われましたが、事前に場所の地図をメールで送信したことでほとんどトラブルなくお越しいただけました。
また、ミカン畑に入ることから、服装などについてご案内していたのですが、暑さもあって、足が少し露出する格好の靴で来られた方が少数ですがいらっしゃいまして、イベント実施の季節設定と事前案内の難しさを改めて感じました。
特に寄付が活きたと感じた点
今回は人数が多いなかで、急傾斜地での果樹園での体験ということで、サポートいただく方がたくさん必要だったのですが、お手伝いをいただく方を多数確保することができました。
また、想像以上の暑さとなったため、熱中症対策が急務となったのですが、対策のための飲料などの準備がスムーズにできるなど、ゆとりのある運営に役立ちました。