春日山原始林の未来をえがこう
レポート
1回目は春日山原始林を実際に歩き、その場で絵や音を描いて表現し素材集めを行いました。
2回目には森の現状と課題を知るとともにその魅力について話を聞き、前回の体験をふりかえりつつ森にあるものを一人ひとり表現しました。
3回目は「未来の森の姿」を想像して、個人で、全員で作品を仕上げていきました。
作品の制作にあたっては、障害のある人とアートの活動を行うGoodJob!センターに協力いただきました。まあるいスケッチブックや、子どもたちが森で描いたものをデータ化しレーザーカッターを使ってスタンプやステンシルを制作いただいたり、三角形のキャンバスを提供いただいたりと、子どもたちの創造力を後押しする支援をいただきました。
作品については、実際に障害のある方も参加者兼講師として参加いただき、森で感じたこと、ものを使って作品を制作いただきました。
今回は、奈良NPOセンターと奈良市生涯学習財団(中部公民館)が共催している「もうひとつの学び舎」という子どもたちが主体的に学ぶプログラムと連携して実施しました。また、障害のある人のアート活動をおこなう、GoodJob!センターのメンバーに協力いただき、実施しました。参加した子どもは、5名と少人数でしたが、密度の濃いプログラムとなりました。
最終的には、作品の発表で保護者を含めた多くの方に春日山原始林を知っていただく機会にもなり、「子どもたちの視点で伝える」ということも春日山原始林を未来へつなぐために有効な手段であるということを確認することができました。
出来上がった作品は、
プログラム実施会場の中部公民館にて展示いただく他、県内各地で展示し、春日山原始林の課題と魅力を知ってもらう機会とする予定です。
当日のスケジュール
5月11日(土)13:00~16:00
実際に歩いて原始林を感じ、魅力や課題を知ろう。
12:00 スタッフ集合・簡単な打ち合わせ(春日大社駐車場)
12:30 受付開始 トイレ確認
13:00 挨拶・趣旨説明 移動
13:30 春日山遊歩道内到着→注意事項を確認(葉っぱを取らない・持ち帰らない)
五感を使って楽しむアクティビティの実施
15:00 月日亭休憩所にてフィールドノートへの書き込み・共有(30分程度)
15:30 春日大社へ向けて移動
16:00 春日大社にて解散
【第2回】 春日山原始林の魅力をえがこう
6月8日(土)13:00~16:00
みんなで春日山原始林の魅力を語り合い、絵などの作品を作ろう。
12:00 スタッフ集合・画材等の準備
13:00 挨拶・前回のふりかえり
13:20 作品づくりに関する説明
13:30 作品づくり
15:00 片付け
15:45 発表
16:00 終了・解散
【第3回】 春日山原始林の魅力を伝えよう
7月13日(土)13:00~16:00
作品を仕上げよう。たくさんの人に魅力を伝える作品展の準備をします。
12:00 スタッフ集合・画材等の準備
13:00 挨拶・どんな森を描きたいか考える。
13:20 個人で描く「未来の森の姿」
14:00 みんなで描く「未来の森の姿」
15:00 片付け・発表の準備
15:30 発表
16:00 終了・解散
実施内容
【第1回】 春日山原始林を歩こう
5月11日(土)13:00~16:00
1回目のフィールドワークでは、実際に春日山原始林を訪れて、五感を使ったアクティビティを体験。その中で感じたこと、お気に入りを見つける作業を行いました。
GoodJob!センターが作ってくれたまあるいフィールドノートに、体験の中で感じたことを記録したり、森のお気に入りの絵を描いたりしました。
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【第2回】 春日山原始林の魅力をえがこう
6月8日(土)13:00~16:00
第2回は、室内での制作作業になります。前回のフィールドワークの写真を見ながら振り返りつつ、春日山原始林がどんな森なのかを簡単に説明しました。当日はなかなか見ることができなかった森の生き物たちも写真で紹介しました。
その後は、大きな画用紙に、それぞれが絵を描きます。普段目にすることのない、たくさんの画材に子供達は興奮ぎみ。
一人で数枚の絵を描く子、じっくりと写真を見ながら生き物の絵を描く子、それぞれが自由に表現しました。
最後にそれぞれが何を書いたかを共有しました。
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【第3回】 春日山原始林の魅力を伝えよう
7月13日(土)13:00~16:00
第3回、最終回は、いよいよ未来の森を描いていきます。フィールドワークで自分が印象に残った事やものを踏まえつつ、それぞれが「こうなったらいいなあ」という森をまずはそれぞれで描いてもらいました。
仕上げとなる作品の画材にはGoodJob!センターが三角形のキャンバスを。山型のモチーフにそれぞれが絵を描きました。第1回にフィールドノートで描いたモチーフを元に、スタンプやステンシルの素材を用意。ベースをそれらを使って描いたのちに、上から森の姿を描きました。
それぞれの作品が出来上がったら、最後はみんなで未来の森をえがきます。
「岩はあったほうがいい」「木をたくさん書かないと」「サル描いていい?」「川を描こう!」など子どもたちが相談しながら未来の森をえがきました。大人が考える「こうあるべき」という森を綺麗に描くということではなく、ワクワクする場所としての森を描いてくれました。
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最後は、保護者の方や、「もうひとつの学び舎」の他のプログラムに参加していた人たちに描いた春日山を見せ、それぞれがどんな思いで森を描いたのかを発表しました。春日山原始林は、奈良の市街地近くに残された森林ではありますが、あまりにも当たり前の風景として存在しているため、奈良に住む多くの方が意識することが少ないのが現状です。子どもたちがこうして発信することで、改めて森の存在に気づいていただく機会になったようです。
■作品展 奈良市中部公民館にて
8月13日(火)~8月31日(土)
![](http://savejapan-pj.net/sj2018/nara/assets_c/2019/08/190813tenziP1120555-thumb-600xauto-17394.jpg)
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■作品展
期間:9月18日(水)~30日(月)
会場:損害保険ジャパン日本興亜株式会社 奈良支店
期間:10月12日(土)~19日(土)
会場:Good Job!センター香芝
※「3周年オープンウィーク」イベント内にて開催
期間中延べ約1000人の方に見ていただくことができた。
このイベントで得られたこと
・子どもたちの視点からの発信は頭の固い「〜べき」というところを「ワクワク」「たのしい」という視点で伝えることができた。
・複数回同じ参加者とプログラムを実施することでそれぞれの参加者のつながりも深まった。
・春日山原始林を伝える新しい手法について試行することができた。
参加者の声
- ・えをかいて、いろんなことをかんさつしたことがたのしかった
- ・おとなになったらいいかんきょうをかく
- 春日山原始林を散策し、五感で感じたことを丁寧に引き出してもらいました。また森の中の生物について学びも多く、親子共に楽しく学ぶことができました。ありがとうございました。
- 今回のイベントを毎回子ども本人もすすんで楽しみに参加していたので、内容がとても充実していたのだろうとうかがえました。楽しみながら環境問題を学べたと思います。
- 子どもたちの発見と自然のみかたに感動しました
イベント実施結果
- 参加者数
- 25名
- アンケート回答数
- 24名
- 参加者満足度
- 55%
- 実施してよかった点
- ・森へ入ることだけが自然環境を伝える方法ではないということ。絵を描くということを通じてより理解を深める機会となったと感じている。
・様々な団体と連携してプログラムを運営していくことで、運営側の視点からも春日山原始林のことを伝える機会になったのではないか。 - 実施して苦労した点
- ・事前募集の内容が初めてだったこともあり内容が伝わりづらく、参加者の確保に苦労した。
- 特に寄付が活きたと感じた点
- ・障害のある方を表現の講師役として迎えることで、環境のみならず福祉のしごとという面からも連携できる事例を作ることができた。
・豊富な画材を用意していただくことが可能となったほか、連携したGood Job!センターの持っているレーザーカッター等で加工したツールなども活用することが可能となった。
メディア掲載
- 主催・共催
- 主催:春日山原始林を未来へつなぐ会
NPO法人奈良NPOセンター(もうひとつの学び舎)
共催:公益財団法人奈良市生涯学習財団 - 協力・後援等
- 協力:社会福祉法人わたぼうしの会Good Job!センター香芝
認定NPO法人日本NPOセンター - 協賛
- 損害保険ジャパン日本興亜株式会社