SAVE JAPAN プロジェクト 2015

レポート

伊吹山のふもと信長が開いた薬草の里で薬草体験

2015年09月13日(日)実施
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レポート

伊吹山の3合目に位置する春日川合古屋地区にある信長が開いたといわれる薬草園の保全活動を行いました。代表的なミヤマトウキやクロモジの植え付け、薬草名人の案内で自然観察や薬草探しを行いました。子ども達は、化石探しも行いました。
地元食材のお昼ご飯をいただいたあと、薬草のスキンクリームのワークショップや薬草の足湯体験など、秋の一日薬草三昧の体験でした。

今回の活動や体験を通して、薬草文化が根付いた春日川合古屋の魅力と、薬草の保全の意義などをお伝えできたと思います。

当日のスケジュール

10:00~10:05 開会式 (春日振興事務所駐車場)
10:05~10:40 活動場所(伊吹山3合目)へ移動
10:40~10:50 春日の薬草の説明
10:50~11:40 ミヤマトウキ、クロモジなどの植え付け
11:40~12:30 自然観察・薬草探し(大人) 化石探し(子ども)
12:30~12:40 河合古屋地区の集落へ移動
12:40~13:30 昼食(地元食材の弁当)
13:30~14:30 薬草スキンクリームのワークショップ、薬草の足湯体験
14:30~14:40 ふり返り/アンケート
14:40~15:00 春日振興事務所へ移動 解散

実施内容

伊吹山の麓、春日地区にある春日振興事務所に集合。開会式(損保ジャパン日本興亜の浅田さんより挨拶)のあと、車で、伊吹山の3合目春日川合古屋の薬草園へ向かいました。山間の細い道を進むと、「君が代」の歌詞のいわれとなった「さざれ石」のある公園に着きます。ここから、一気に伊吹山の斜面の急勾配の道を上がりきると「信長の薬草園」があります。
活動場所へ着き、山菜の里いびの小寺理事長より、春日の地の薬草の話や信長との関わりのお話がありました。
昨年、下刈りをした、ミヤマトウキの生息場所は、今年、花を付け順調に生育しているそうです。今年は、ミヤマトウキの植え付けをすることになりました。スタッフの皆さんに指導を受けながらみんなで植え付けます。小さな子達も一生懸命に植え付けます。
植え付けの後は、子ども達は周辺にある石の中から化石探しをしました。周りの岩は石灰岩質の岩(石)が多く、割ると中から太古の時代に海の底で生息していあた生き物の化石が現れます。
大人達は、山菜の里いびのスタッフの案内で自然観察や薬草観察を行いました。

活動終了後は、山を下り、古屋集落の民家で、地元の食材で作られたお昼ご飯をいただきまました。

お昼からは、春日の薬草でスキンクリームを作るワークショップが行われ、イブキヨモギやクロモジから抽出した製油、蜜蝋でスキンクリームを作りました。その後、春日で取れた10種ほどの薬草を煮出した薬湯の足湯に漬かりながらヨモギ茶・黒文字茶を味わっていただきました。

午前中の活動は当然ですが、こうして春日の食材や、薬草の活用など、春日を知って、みんなで活かすことが、貴重な薬草を後世に残していくことになります。

今回は岐阜県、愛知県だけでなく、北陸や関西など遠方よりのご参加いただいた方もおみえでした。
SAVEJAPANの活動をきっかけにこうした活動は広がり、日頃からの活動に参加していただける事を期待しています。




<秋晴れの好天での活動となりました>


<「山菜の里いび」の小寺理事長から信長の薬草園のいわれを聞いています>


<ミヤマトウキの苗を植え付けます>


<付近の斜面は薬草の宝庫です>


<子ども達は化石探しに夢中です>


<古屋の集落の民家で地元産のお昼ご飯をいただきます>


<お昼からはイブキヨモギ、クロモジのエキス入りのクリームを作るワークショップです>


<薬草の製油と蜜蝋、オオバオイルで薬草スキンクリームを作りました>

このイベントで得られたこと

都会や遠方の皆さんとの交流が持てたことや、その皆さんへ、春日の薬草文化をお伝えできたことが何より良かったです。フィールドでの活動だけでなく、麓の集落の古民家での昼食やワークショップで日常の暮らしにとけ込んでいる薬草文化を感じていただけたのではと思います。
同時に、参加者の皆さんとの交流の中で、アドバイスをいただいたり、魅力の再発見をすることができました。
参加された皆さん全員から、これからの活動の案内が欲しいとの要望もいただきました。活動を続けていくこと、春日の薬草文化を守っていくことのきっかけとなりました。

参加者の声

  • ・知らない事や聞いてはいるが花を見るのが初めてでとても楽しく覚えることができました。(60代 女性)
  • ・薬草の勉強ができて、おいしいご飯、お土産までいただいて大満足です。また、参加したいです。来年以降も是非続けてください。(30代 女性)
  • ・薬草について教えていただいたうえ、ワークショップや土地の食材をふんだんに使ったお昼ごはんまで、すっかりおもてなしを受けてしまいました。(40代 女性)
  • ・薬草を身近に感じることができた。(50代 男性)
  • ・西濃地区の在住ですが、このような自然がたくさんの場所をしることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。また参加させていただきたいと思います。(30代 女性)

イベント実施結果

参加者数
28名(大人23名 子ども5名)
アンケート回答数
23名
参加者満足度
94%
実施してよかった点

 活動地は一般の皆さんの立ち入りをお断りしている場所です。このような機会がないと、お見せできません。今回の参加者の中には石川県や大阪府からの参加者もありました。これからの交流が生まれそうです。

実施して苦労した点

活動場所が遠いことや、公共交通でも来訪が難しいこともあり、参加者お一人お一人の希望をお聞きし、最寄り駅よりの送迎も行いました。

特に寄付が活きたと感じた点
春日の川合古屋地区は伊吹山の麓で一番奥の集落です。集落内の住民が高齢者ばかりです。こうして活動に参加していただき、薬草への興味や理解が深まりることが集落存続のきっかけになるかもしれません。