SAVE JAPAN プロジェクト 2015

レポート

われら鎮玉(しずたま)探検隊 ~"幻のタガメ"の里を訪ねて~

2015年08月22日(土)実施
  • 両生類
  • 昆虫・その他
  • 里山

レポート

静岡県では絶滅したと思われていたタガメが今もひっそりと暮らす「鎮玉(しずたま)の里」。

日本の有数のホタルの乱舞が見られる豊かな里山環境の中で、絶滅危惧種に指定された水生昆虫をはじめ、水辺に暮らす生き物とその生息環境について学ぼうというプログラム。

まずは、別所ビオトープで網を片手に生き物探し。網を入れると何かが獲れるほどで、小さな生き物をたくさん捕まえました。

お昼からは場所を移して久留女木川に行き、アユのつかみ取りをして、鮎の塩焼きや流しそうめんを味わいました。

その後は川遊びをして、大自然の中で、川の豊かさや楽しさを満喫したイベントとなりました。

当日のスケジュール

10:10  「別所ビオトープ」集合、あいさつ、イベントの説明

10:40  別所ビオトープで生き物探索

11:35  生き物の解説/タガメ紹介

12:00  漁協前の渓谷へ移動

12:30  昼食(鮎塩焼き&流しそうめん)、鮎つかみ捕り

13:00  川遊び

14:00  解散

実施内容

当日はお天気にも恵まれ、浜松市の都市部や磐田市、掛川市から40名余りが参加しました。

開会あいさつ


ひずるしい鎮玉のメンバーが約1年近くかけて造成した「別所ビオトープ」。
別所ビオトープ

網と水槽を手にした子どもたちが元気よく生き物探しを楽しみました。
生き物探し2

生き物探し4

その後、捕まえた生き物や鎮玉地域に生息する水生昆虫について、生き物に詳しいメンバーが実物を見せながら解説しました。
生物の解説

<見つけた生き物>昆虫:ギンヤンマのヤゴ、コオニヤンマのヤゴ、シオカラトンボのヤゴ、ヒメガムシ、マツモムシ、両生類:ツチガエル、魚類:ミナミメダカ
捕まえた生き物

タガメはこの場所にはいないので、前日別の場所で捕まえた2齢~5齢の幼生と、羽がある成虫(6㎝ぐらい)を見せました。オタマジャクシを掴んで体液を吸っている様子に「うわぁ~~」と歓声が上がりました。

タガメは落ち葉の下で越冬します。数が少なくなった原因は、コンクリート化や農薬の普及もありますが、街路灯(水銀灯)に集まって車に轢かれることも多いそうです。(LEDの光には集まらないけれど、今度はホタルが集まってしまうそうで…難しいですね。)
タガメ

それから久留女木川に移動して、鮎のつかみ取りにチャレンジ!
アユのつかみ取り

鮎はメンバーがつくったミカンの木でつくった炭でじっくりと塩焼きし、参加者からは「こんなおいしい塩焼きは初めて!」との嬉しい感想を聞くことができました。
アユの塩焼き

流しそうめんでは、鎮玉地域にある会社がつくっている遠州手延べ素麺を使用。流れてくる素麺やフルーツに歓声があがっていました。
そうめん流し

日中の気温は高かかったのですが、久留女木川に足をつけているだけで、ひんやりといい気持ち。子どもたちは、川で泳ぎまわっていました。
川遊び1

川遊び2


鎮玉に足を運んでいただいた参加者のみなさん、またのお越しをお待ちしております!
のぼり

このイベントで得られたこと

・水辺の生き物を実際に捕まえたり、観察することができた。

・「たがめの里」を現場で見てアピールすることができた。

・初めてこの場所に来た人が多く(22人中、都市と中山間地の交流人口を増やすことにつながった。

・ひずるしい鎮玉協力隊、湖北高校生物科学部、浜松市民協働センターのスタッフや大学生などがボランティアとして活躍した。

参加者の声

  • タガメがずっと生存している環境が続くとよいなと関心が持てました。ヤゴがトンボになる話もはじめて。鮎もおいしく、子どもも川を楽しみました。(40代女性)
  • たがめを生で見られた。食べる様子を見られた。県内でたがめを見られるのは、ここだけと初めて知った。鮎つかみ、水遊びが楽しかった。(40代女性)
  • たがめに会えた!久しぶりに網持ってはしゃげました。川も素敵でした。(50代女性)
  • 子どもだけでなく、大人が楽しむことができました。このような土地を守りたいと思います。(40代女性)
  • ビオトープに知らない生物がたくさん居り、それらについて知ることができた。(20代女性)

イベント実施結果

参加者数
47名:大人28名、子ども19名(うち未就学児8名)
アンケート回答数
大人22名、子ども8名(77%)
参加者満足度
81.8%
実施してよかった点
・地域を訪れたことのない人たちに、地域の自然の豊かさを伝えることができた。
・地元紙(静岡新聞)でも大きく紹介されたことで、活動のPRになった。
・域外からのゲストの受け入れのスキルアップにつながった。

実施して苦労した点
・会場が車で移動する2箇所に分散していたために、移動時間がかかった。
・開催日間際まで参加者数がよめず、準備する食材の量をどうするかに悩んだ。
特に寄付が活きたと感じた点
・当日、紹介するために、事前にタガメの調査を行うことができた。