SAVE JAPAN プロジェクト 2017-2018

レポート

「ツキノワグマと人間の共生 ~里山ぼうけんin長岡~」

2018年10月08日(月)実施
  • ほにゅう類
  • 森林
  • 里山

レポート

国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで危急種(VU)に指定され、環境省のレッドリストにも掲載されている日本各地で生息するツキノワグマ。
近年では、生息環境の変化により中山間地域での目撃件数や人身被害の問題も深刻になっています。
今回、新潟県では野生鳥獣の生息調査及び被害対策の支援活動に取り組むNPO法人新潟ワイルドライフリサーチと協力し、ツキノワグマをはじめとした野生鳥獣との共生を考える環境保全イベントを開催しました。

10月8日は、長岡市栃尾地域でツキノワグマに出会ってしまったときの対応策などの勉強会や野生鳥獣の被害対策の現場を見学。
長岡市内の小学生、地域住民、行政、NPO等などから約40名が参加し、希少生物の保護や地域の環境保全について考えました。

当日のスケジュール

10:00 開会・オリエンテーション
10:10 ツキノワグマの勉強会
11:00 小向地区へ移動
11:15 小向地区で現地観察会
(ツキノワグマが好むカキやドングリなどの誘因物、畑に設置された電気柵、ツキノワグマの爪あとなど)
12:45 勉強会会場へ移動
13:00 閉会

実施内容

前半は、道の駅おりなすでクマの生態やクマと出会ってしまった時の正しい対応をクイズ形式で学びました。

会場に展示したツキノワグマのはく製やクマ対策グッズ。
子どもたちは、会場に入った瞬間から興味津々です!


後半は小向地区に移動し、軽井沢町から来たベアドッグと一緒に鳥獣被害対策の現場や里山の様子を見学。
地区の区長さんから、電気柵などの対策の様子を教えていただきました。

小向地区の畑の木に残るクマの爪あと

ベアドックの働きに、子どもたちも「すごい!」と歓声。

最後は、参加者全員で集合写真。

このイベントで得られたこと

・ツキノワグマに出会ってしまったときの対応を、子どもたちもわかりやすく学ぶことができた
・ツキノワグマや野生鳥獣の被害を受けた地区で、実際の対策等を見学することができた
・里山の整備や適切な対策を行えば、被害件数は少なくなることがわかった

参加者の声

  • クマのことについて何もわからなかったが、基本的なことも多く学べました。 本当にためになるイベントでした。
  • 子どもたちや若い人たちが関心をもってくれてよかったです。
  • 実際の現場をみれて、貴重な経験になりました。
  • くりを拾ったり、電さくを見たことがよかった。(小学生)
  • クマイヌ(ベアドック)をみれたことがよかった。(小学生)

イベント実施結果

参加者数
41
アンケート回答数
36
参加者満足度
82%
実施してよかった点
・中山間地域の里山(野生鳥獣の被害を受けている現場)で、実際の対策の様子を見学することができました。
・里山の整備が大切だということがわかった。
実施して苦労した点
・前日と参加者層が大きく異なり、多くの子どもたちや家族連れに参加いただいたので、「わかりやすく」「楽しい」イベントを心がけました。
・今回は現地への移動やフィールド活動があったため、安全面に注意しました。
特に寄付が活きたと感じた点
・長岡市内の小学校(約20校)の児童にチラシを配布することができました。
・多くの家族連れにご参加いただき、小向地区の区長さんやお手伝いいただいた住民のみなさんも喜んでいました。
・クマのはく製展示やベアドッグと一緒に現地見学など、紙や映像だけでは得られない体験ができました。

メディア掲載

・10月15日(月)発行/上越タイムス「NPOPRESS」
・朝日新聞長岡支局さんに取材にお越しいただきました
主催・共催
NPO法人新潟ワイルドライフリサーチ
NPO法人くびき野NPOサポートセンター
協力・後援等
新潟県、長岡市、長岡市教育委員会、公益財団法人こしじ水と緑の会、生物多様性保全ネットワーク新潟
協賛
損害保険ジャパン日本興亜株式会社