雑木林と田んぼの生き物観察&炭で鮎焼きに挑戦
2018年08月12日(日)実施
レポート
「炭を焼くのが環境にいい」というと「えー、それって環境破壊じゃない?」と声があがりますが、違います。「里山にクヌギの苗木(写真右)を植え、7年で伐採、炭にして売るというのが40年前のこの町の暮らし(産業)でした。放置しても、株から木が生え、7年で木になり、また炭にする」という説明を聞き、感心・感動しているのは大人。環境と暮らしの共生が持続可能性なんだな!と納得。
一方でこうして維持されてきた里山・谷津田の生き物に興味があるのが子ども。良かったことは「むしとり」「クワガタ」「トラップしかけ」「魚とり」・・・。環境にも大人・子どものアプローチが違うんだな、と実感しました。
若いクヌギの木にしか生息しないチョウ、クロシジミは全国で絶滅危惧Ⅰ類。近年栃木県ではこの市貝町周辺しか確認されていません。クヌギの老木では住めないチョウ。木を伐り炭を焼きということを繰り返してきた市貝の里山で、人と自然の共生(持続可能な社会)を炭をテーマに学びました。11月にはクヌギ苗木を山に植えにいきます。
このあと、クヌギ苗木畑⇒クヌギの林の説明⇒雑木林の虫とり⇒水生生物・トラップしかけ・生き物捕獲⇒観察会⇒炭焼き鮎で昼食、となり、大人も子供も大満足でした。
一方でこうして維持されてきた里山・谷津田の生き物に興味があるのが子ども。良かったことは「むしとり」「クワガタ」「トラップしかけ」「魚とり」・・・。環境にも大人・子どものアプローチが違うんだな、と実感しました。
若いクヌギの木にしか生息しないチョウ、クロシジミは全国で絶滅危惧Ⅰ類。近年栃木県ではこの市貝町周辺しか確認されていません。クヌギの老木では住めないチョウ。木を伐り炭を焼きということを繰り返してきた市貝の里山で、人と自然の共生(持続可能な社会)を炭をテーマに学びました。11月にはクヌギ苗木を山に植えにいきます。
このあと、クヌギ苗木畑⇒クヌギの林の説明⇒雑木林の虫とり⇒水生生物・トラップしかけ・生き物捕獲⇒観察会⇒炭焼き鮎で昼食、となり、大人も子供も大満足でした。
当日のスケジュール
9:00/集合・受付
9:30-10:30/①炭と里山の暮らしの話(片岡さん)
②里山の暮らしと生物(絶滅危惧種)の話(遠藤さん)
③鮎の串うち&炭火焼き準備
10:30-12:00/・クヌギ苗木の説明⇒(移動)里山の木と伐採・更新の説明
⇒雑木林の虫とり ⇒田んぼで水生生物・トラップしかけ・生き物捕獲 ⇒観察会
12:00-13:00/炭焼き鮎で昼食(サシバの里自然学校で)
9:30-10:30/①炭と里山の暮らしの話(片岡さん)
②里山の暮らしと生物(絶滅危惧種)の話(遠藤さん)
③鮎の串うち&炭火焼き準備
10:30-12:00/・クヌギ苗木の説明⇒(移動)里山の木と伐採・更新の説明
⇒雑木林の虫とり ⇒田んぼで水生生物・トラップしかけ・生き物捕獲 ⇒観察会
12:00-13:00/炭焼き鮎で昼食(サシバの里自然学校で)
実施内容
クヌギの林。7年で切るとこのように下から株分かれします。「でも、この木は30年は切ってないな」と片岡さん。
谷津田は里山の間にはさまれた山間の田んぼ。作りにくいのて、ここはしばらく耕作放棄されていた。5年かけて復活した。
雑木林でクワガタをすぐ発見。
トラップ(わな)をしかける。手に持っている網かごに餌をいれ、池に投入。
田んぼの脇の小川で仕掛けたトラップを回収。
水生生物の観察。アメリカザリガニは外来生物。すべて持ち帰り自然学校スタッフが食べる。
昆虫:タガメ、ミズカマキリ、ヒメゲンゴロウ、マツモムシは水生カメムシの仲間だ。
魚:タモロコ、シマドジョウのほかに、絶滅危惧種のホトケドジョウ(スナサビ)もいた。
観察後に再び放流。
串にさして鮎を里山の炭で焼く。昼食準備。
いただきます。
これが菊炭。茶道用に使うブランド品だ。
7年目の細いクヌギがベスト。すぐつく、よく燃える。
備長炭は火がつきにくいが火持ちがいい、逆の性質だとのこと。
記念撮影
最後の最後に飛んできたタマムシ。
私は56年目にして初めてみました!(ウバタマムシは見たけど)
このイベントで得られたこと
里山を大切にする、とは「保護ではなく適度に利用すること」と学んだ。
里山で炭を生産し流通させることで人の暮らしが維持でき、更新された里山の雑木(若いクヌギ)にしか住めない絶滅危惧種のチョウ(クロシジミ)がいることも知った。
また、里山を維持してきた農的暮らしの中に燃料(エネルギー生産)の販売による自給的暮らしのヒントがあり、ブランド炭の生産は化石燃料を使わない現代版の農的暮らしの可能性を示唆するものであった。
木を伐り炭を焼きということを繰り返してきてた市貝の里山で、人と自然の共生(持続可能な社会)を炭をテーマに学んだ。
里山で炭を生産し流通させることで人の暮らしが維持でき、更新された里山の雑木(若いクヌギ)にしか住めない絶滅危惧種のチョウ(クロシジミ)がいることも知った。
また、里山を維持してきた農的暮らしの中に燃料(エネルギー生産)の販売による自給的暮らしのヒントがあり、ブランド炭の生産は化石燃料を使わない現代版の農的暮らしの可能性を示唆するものであった。
木を伐り炭を焼きということを繰り返してきてた市貝の里山で、人と自然の共生(持続可能な社会)を炭をテーマに学んだ。
参加者の声
- 「木を切る」ことにネガティブなイメージしかなかったが、木を切って森を利用することに意味があるのだと分かりました。(30代主婦)
- 炭のこと、生き物のこと知らなかったのことをたくさん聞けた。こどもたちが大喜びで虫を追いかけていた。(40代女性)
- 炭や生き物の説明が面白かったです。ただ面白いばかりでなく、何かしら社会の役に立てるというのがいいです。(40代主婦)
- バーべキューで使う炭について、木を切って使っていたので「どうなのか」と思っていたが、詳しい話を聞けて、県内の木を大切に使おうと思いました。(会社員・男40代)
- 生物が暮らせる環境を整備することが大切だと分かりました。炭についてのお話が面白かったです。ありがとうございました(学生・女)
イベント実施結果
- 参加者数
- 普段自然と接する機会が少なく良い体験ができました。生物に関しても、1匹1匹詳しく説明していただいたので、子供も私も勉強になりました。(会社員・男40代)
- アンケート回答数
- 大人:14 子供:10
- 参加者満足度
- 92.86%
- 実施してよかった点
- 大人にとって:エネルギー生産と環境問題というある意味での地球温暖化防止の王道のテーマを、身近な里山の維持を通して伝えられたこと。
子供にとって:里山の生き物は自然との共生で生きていることが伝わったこと。
大人と子供、別々のアプローチが同時進行でできたこと。 - 実施して苦労した点
- 活動全体の企画・コーディネート。炭と生き物の関わりについて工夫した。
- 特に寄付が活きたと感じた点
- 2012年からのSAVEJAPANプロジェクトのおかげで「サシバの里=市貝町」は町ごと持続可能な社会へのブランド化が進んでいる。
「サシバ米」や「道の駅サシバの里」「サシバの里自然学校」「金ブナ」(無農薬の田んぼにフナを飼い、甘露煮にして売るプロジェクト)、そしてこの「菊炭プロジェクト」など、
SAVEJAPANプロジェクトのおかげで村おこしの産業が連続して発生した。まだまだ小さな取り組みだが、里山とその生態系の持続可能性(農的暮らし)を追求することが、瓢箪から駒が生まれた理由であろう。
メディア掲載
下野新聞(2018年9月1日)
- 主催・共催
- NPO法人オオタカ保護基金
サシバの里・自然学校
片岡林業
認定NPO法人とちぎボランティアネットワーク - 協力・後援等
- 協力:認定NPO法人日本NPOセンター
- 協賛
- 損害保険ジャパン日本興亜株式会社