【2019夏・ぼくらの自然再生プチ作戦#3】
アカタン大調査団
2019年09月29日(日)実施
レポート
シリーズ3回目で最終回となる今回は、前回(8月)のイベントで完成させた「手づくり魚道」により、赤谷川(アカタン)の生きもの分布に、どんな影響があったのか、なかったのか…
それを確認する“大調査団”に参加してもらい、生きもの探しと観察を実施しました!
まずは、観察しやすいように、川岸から2つの「手づくり魚道」をチェックします。
完成から42日の間に雨の多い日もありましたが、どうにか大きな崩れもなく、十分に魚道としての役割を果たしてくれている様子を確認しました。
続いて、魚道のある段差で区切られた3つのエリアを、下流側から上流側に向けて移動しながら、計3回の「生きもの探し」&「観察」を実施。
次々に姿を見せる、多くの種類の生きものたちと直に接する機会となりました。
7月に開催した1回目の観察会と比べ、生きものの分布に大きな変化が認められたわけではありませんでしたが、「ヤマメ」「シマドジョウ」「ドンコ」など、複数エリアで見つかった生きものの数は多くなりました。
これは、「実際に魚道を利用する魚たちがいる」という可能性を、参加者の皆さんに十分に感じてもらえる結果だったと言えそうです。
3回シリーズのまとめとして、“自然再生”の物語の中で、豊かな自然環境を継続させるために「ぼくらができること」にも思いをよせる貴重な体験となりました。
それを確認する“大調査団”に参加してもらい、生きもの探しと観察を実施しました!
まずは、観察しやすいように、川岸から2つの「手づくり魚道」をチェックします。
完成から42日の間に雨の多い日もありましたが、どうにか大きな崩れもなく、十分に魚道としての役割を果たしてくれている様子を確認しました。
続いて、魚道のある段差で区切られた3つのエリアを、下流側から上流側に向けて移動しながら、計3回の「生きもの探し」&「観察」を実施。
次々に姿を見せる、多くの種類の生きものたちと直に接する機会となりました。
7月に開催した1回目の観察会と比べ、生きものの分布に大きな変化が認められたわけではありませんでしたが、「ヤマメ」「シマドジョウ」「ドンコ」など、複数エリアで見つかった生きものの数は多くなりました。
これは、「実際に魚道を利用する魚たちがいる」という可能性を、参加者の皆さんに十分に感じてもらえる結果だったと言えそうです。
3回シリーズのまとめとして、“自然再生”の物語の中で、豊かな自然環境を継続させるために「ぼくらができること」にも思いをよせる貴重な体験となりました。
当日のスケジュール
08:30 受付開始(川に入る服装で集合)
09:00 開会あいさつ、プログラム説明等、集合写真撮影
09:20 魚道の点検
09:40 ライフジャケット装着、セーフティートーク
09:50 道具の説明と生き物探しのコツ、生き物探し、観察
11:30 集合場所に移動、アンケート記入、ふりかえり
12:00 終了、解散
実施内容
第2回目(8月)には満開だったハスの花も実を結び、見事な「ハチス(蜂巣)」姿に。
今回は、秋の気配も感じられ始めた9月下旬の赤谷川が舞台です。
【開会式】
損保ジャパン日本興亜株式会社 福井支店 支店長さま。
当日は、会全体への目配りや参加者の方へのサポートなどもいただきました。
2019夏・ぼくらの自然再生プチ作戦3回連続参加のご家族に、オリジナルデザインの『レンジャー認定缶バッジ』贈呈。
「おめでとうございます~ ♪ これからもよろしくね」
【川に入る前に】
川岸から、前回みんなで力を合わせて作った魚道をチェック。
その後の大雨にも崩されずに残ってくれてた!!
少しは魚たちの役に立てたかな?
下流側の手づくり魚道
上流側の手作り魚道
【恒例の集合写真】
【いよいよ川へ】
川での活動に向けてワクワク☆
事故防止のため、川に入るときは、大人も子供も「ライフジャケット」と「ヘルメット」装着は鉄則です。
きれいに咲いた彼岸花越しに、大調査団の大移動開始!
【下流側の手づくり魚道近辺から調査開始】
さあ、スタート! どんな生き物が見つかるかな?
アミの中をみんなで観察。いろいろな種類の生きものがこんなに!!
【下流側エリアで見つけた生きものたち】
☆シマドジョウ☆
☆ウグイ☆
☆ドンコ☆(幼魚:20mmほど)模様だけは一人前。
☆トビケラの仲間の巣☆
渓流の女王 ☆ヤマメ☆
【手づくり魚道を1段登って少し上流側のエリアを調査】
子どもはもちろん、大人も夢中です♪
見て見て~こんなのつかまえたよ!!
パパ~しっかり写真撮ってね!!
【ひとつ上の“段”で見つけた生きものたち】
☆カマツカ☆
前回イベント(8月)のチラシの主役!
本物に出会えて担当デザイナーも喜んでました☆
☆ナベブタムシ☆
☆アカハライモリ☆
☆ホシホウジャク☆(蛾の幼虫)
☆ヤマメ☆ 下流に続いて2段目のエリアでも発見!!
【もう1段魚道を登って最後のエリアを調査】
今度は、川幅の狭いエリア。
アミの棒が後ろの人にぶつからないように気を付けながら、川の中もしっかり観察。
☆カエル☆ つかまえたよ~!
先生~何がとれたんですか~?
早く知りたいです!
【上流側のエリアで見つけた生きものたち】
☆カワムツ☆
☆ヘビトンボ(幼虫)☆
☆ヤゴ(Lサイズ)☆
☆トビケラの仲間の卵塊☆ なかなか珍しい。
7月(1回目のイベント)に続き、今回も登場!
渓流の王者 ☆イワナ☆
☆ヤマメ☆ 3エリア全てでお目見えの皆勤賞!!
観察した生きものたちは、同じエリアに“お帰り”いただきました。
みんな、ありがとう~。 元気でね~☆
【アンケート記入タイム】
集合写真とともにイベント参加の重要なミッション!!
それぞれのご家族に、すてきな思い出ができたでしょうか?
川を見たら、今日ここで出会えた生きものたちのことを思い出してね。
【閉会式】
大調査団も無事終了。
県立大学の田原先生からは、手づくり魚道の意味についてもお話がありました。
帰路・そばの花が満開! もうすぐ越前も、新そばの季節ですねー。
このイベントで得られたこと
3回のシリーズを通じての「物語」(初期の生きもの探し→手づくり魚道の設置→手づくり魚道後の生きもの探し)を理解しての体験活動により、「個人のレベルで、どう自然環境にコミットできるか」という視点を共有できた。
また、河岸の整備工事等により“人間の視点”で激変した自然環境であっても、身近な形(例えば「手づくり魚道」)の修正を施していくことで、少しずつでも生きものたちの生活圏を改善できる可能性を実感してもらえた。
また、河岸の整備工事等により“人間の視点”で激変した自然環境であっても、身近な形(例えば「手づくり魚道」)の修正を施していくことで、少しずつでも生きものたちの生活圏を改善できる可能性を実感してもらえた。
参加者の声
- 自分の知識では教えられないことを教えていただける良い機会でした。また、生き物への興味が高い子供は、住んでいる環境について考えることができました。(40代・男性)
- 普段見ている川にも、やまめ、いわななどがいる事が驚きでした。(40代・男性)
- 休日のイベントで大変なご苦労があったと想像します。これからも毎年続けていただくことで、プロジェクトが世に認知されると思います、がんばってください。(40代・男性)
- ありがとうございました。前回の魚道の後を見れて楽しかったです。(50代・女性)
- どのような動物が絶めつのききにさらされているのか。また何が原因でそうなってしまったか。(小学5年生)
イベント実施結果
- 参加者数
- 47名(大人24名 / 子ども23名)
- アンケート回答数
- 47名(大人24名 / 子ども23名)
- 参加者満足度
- 65%
- 実施してよかった点
- 今年度は、わかりやすく「継続性のある企画」としての3回シリーズだったこともあり、1回目(7月開催)・2回目(8月開催)に参加された皆さんの応募が多かった。
特に、2回目で「手づくり魚道工事」を経験した皆さんの割合が高く、イベントでの体験を「自分ごと」としてとらえ、継続して興味を持ってくれた結果だろうと思われる。
一方で、運営スタッフや講師サイドのメンバーも、「手づくり魚道」のその後を気に掛けて、雨の後に訪れて簡単な補修を行うなど、自主的にコミットする姿があった。
このあたりに、環境問題や希少生物への関心の継続と、多様な立場のひとりひとりが活動に参加していくヒントがあるように強く感じた。
今年度のトータルとして、その実感を得られたことは、大きな収穫だと思う。 - 実施して苦労した点
- 学術的な調査がメインではなく、あくまで参加者に体験してもらうことにポイントを置いた活動なので、「手づくり魚道」設置後の生きものたちへの影響が、うまく可視化できるかが課題だった。
イベント前に、スタッフが各魚道の上流に簡単なトラップを仕掛けて、特徴的な生きものが捕獲できるかも試したが、こちらは不発。
▼仕掛けたトラップのひとつ
ただ、参加者の皆さんがイベント中に発見した生きものたちの豊富さで、それぞれのエリアでの「生きものの行き来」の可能性を、十分に感じられる結果になった。
これは、赤谷川流域の環境の豊かさと、熱心な参加者の皆さんに助けられた形であり、とても感謝している。
アンケートに関して、用紙両面への記入をお願いし、用紙にも裏面への誘導の記載をしていたが、裏面の記入を忘れた方も何人か存在。
そのために「参加者満足度」のポイントが低くなってしまった点が残念。
過去には、あまり発生しなかったことだっただけに、運営側のより細かな心配りの必要性を感じた。 - 特に寄付が活きたと感じた点
- 今回も含め、シリーズを通して、専門家である大学の先生に講師をお願いすることができた。
当日の解説役だけでなく、企画段階からアドバイスをいただくなどの連携を、今年度の事業全体を通じてできた意味は大きかった。
また、赤谷川と地域としてつながる「田倉川と暮らしの会」の方々にサポートしてもらえたことにも資金的な裏打ちはありがたかった。
「鯖江市、越前市、南越前町」の小学1年生~4年生全員に、質の高いチラシを配布する事ができ、事業告知のアピール度も確保できている。
行政系の補助金等とまた違って、“企画段階からの自由度の高い事業”への資金援助は、事業そのもののクオリティーだけでなく、参加者、スタッフのモチベーションにも直結する、とても重要な仕組みだと、大いに実感、感謝している。
- 主催・共催
- 一般社団法人環境文化研究所
認定特定非営利活動法人さばえNPOサポート - 協力・後援等
- 認定特定非営利活動法人日本NPOセンター
鯖江市教育委員会、越前市教育委員会、南越前町、
南越前町教育委員会、応用生態工学会福井
福井新聞社、福井ケーブルテレビ、さかいケーブルテレビ - 協賛
- 損害保険ジャパン日本興亜株式会社