SAVE JAPAN プロジェクト 2018-2019

レポート

【2019夏・ぼくらの自然再生プチ作戦#1】
サカナのきもちで川たんけん

2019年07月21日(日)実施
  • はちゅう類
  • 両生類
  • 昆虫・その他
  • 森林
  • 藻類
  • 里山

レポート

今年の企画は、生きものの豊かな赤谷川(福井市丹生郡越前町)に「手づくり魚道」を設置して、重機などの力を借りなくても「自然再生」のお手伝いができることを体験する3回シリーズ。
1回目は、「手づくり魚道」ができる前の川の様子と、段差で区切られたそれぞれのエリアで生活する生きものたちの観察がメインです。

川に入る前に、明治時代に福井県で最初に作られ、アカタン砂防堰堤まで周辺の環境を観察しながら散策しました。
アカタン砂防堰堤は、当時、地域住民の共働によって7年がかりで作られ、現在は「登録有形文化財」に登録された歴史的砂防施設です。

赤谷川(アカタン)の延長約150mほどの間に落差工が2箇所あることで、生物の移動が困難になっているのではと仮説を立て、落差で区切られたエリアを3つに分けてガサガサを行い、どんな生き物が住んでいるのかを観察しました。
下段で「アブラハヤ」「ドンコ」「ヘビトンボ」の幼虫
中段で「アカザ」「シマドジョウ」
上段で「イワナ」「抱卵中のサワガニ」
という具合に、エリアによって生息している生き物が異なることがわかりました。

その他にも、カワゲラ・ブヨ・ニッポンヨコエビ・トノサマガエル・ニホンアマガエル・カナヘビ・様々なヤゴなど、多くの生き物がいることが分かりました。

心配された雨も降らず暑くもなく、たくさんの生き物と出会って、すばらしい川探検の日になりました。

当日のスケジュール

08:30 受付開始(川に入る服装で集合)

09:00 開会あいさつ、プログラム説明等、集合写真撮影

09:20 アカタン砂防堰堤まで周辺の環境を観察しながら散策

10:00 ライフジャケット装着、セーフティートーク

10:20 道具の説明と生き物探しのコツ           

      生き物探し・観察

11:30 集合場所に移動、アンケート記入、ふりかえり

12:00 終了・解散

実施内容


イベント開始前にも、スタッフが入念に下見


出発前にまず集合写真


アカタン堰堤まで散策スタート


途中、橋の上から「魚道」を見学


少し上流の堤防からも、別の「魚道」を見学


登録有形文化財のアカタン堰堤の一つ、一番下流の9号堰堤(左上の石積みの部分)に到着!!


堰堤の横でも写真撮影


川に入るときの注意事項いろいろあります「安全第一」


川下側で生き物探しスタート!!


隠れていないで出ておいで~


みんなが捕まえた生き物を観察しながら、川の生き物の専門家の先生のお話を聞いています☆


ドンコとアブラハヤがいたよ!!


観察の後は、「ありがとう~バイバイ~また会おうね」


川の段差をひとつ上って“再調査”


一段上がったところには何がいた?


これは、レッドデータブックにも載っていますね!!


その正体は → ナマズの仲間の「アカザ」


もうひとつ段差を上って、最後の探索エリアへ


何がいるかドキドキ


なんと、イワナが2匹も!!
水温が低いから?


抱卵中のサワガニ
手のひらに乗せてそーっと観察


観察させてくれてありがとう~元気でね☆


何が一番楽しかった?


えーっと、今日見つけた生き物は・・・


つぎはなにをしたいかというとねー


赤谷川さん、来月もまた来るね☆

このイベントで得られたこと

小さい川でありながら、ちょっとした河川構造物の違いで生息する生き物が異なることを、子どもたちに実体験を通じて得てもらえたこと。

参加者の声

  • 普段山間部で生活していますが、川に入る機会も教えてくれる年上の子供達もいなくなり、川遊びの方法も伝えられていない状況です。子供達が川で遊ぶ事の意味は沢山あると感じています。また参加したいです。(40代・女性)
  • 普段意識していない川の生物、環境保全のことに対して興味が高まりました。身近なところでも、こういったイベントがあると参加しやすくて、今後も継続していただきたいです。(40代・男性)
  • 自然相手の企画で、天候や安全面など配慮が大変だと思いますが、楽しくためになる企画をありがとうございました。(40代・男性)
  • 子どもと川遊びをまじめにできました。ただ遊ぶのではなく、生き物数や名前、水の冷たさや川のにおいなど学べました。(40代・男性)
  • 暑すぎず天候が丁度良かった。同伴の4歳児のはしゃぎっぷりにも丁寧に対応してもらえて本人も満足していました。声がもう少し後ろまで届くと良かったです。(30代・女性)

イベント実施結果

参加者数
49名(大人24名 / 子ども25名)
アンケート回答数
46名(大人22名 / 子ども24名)
参加者満足度
75%
実施してよかった点

子どもたちが自ら魚などの生き物(イワナ、アカザなど)を探し見つけたことで自己肯定感が向上したと感じられた。

実施して苦労した点

行政や関係団体も協力的であり大きな苦労はなかった。漁協のアユシーズンの為通常河川は使えず砂防河川を使わざるを得なかった。

特に寄付が活きたと感じた点

大人気で申し込み殺到し受け入れ数を増やしたが、ライフジャケットを増加(購入)したことで全員が安全に体験することができた。
大学で教鞭をとる川の魚の専門家を呼んで、直接いろいろ教わることができた。
今回も、チラシを、鯖江市・越前市・南越前町の、小学1年生~4年生全員に配布することができた。

主催・共催
認定特定非営利活動法人さばえNPOサポート
一般社団法人環境文化研究所
協力・後援等
【協力】認定特定非営利活動法人日本NPOセンター
【後援】鯖江市教育委員会、越前市教育委員会、南越前町
    南越前町町教育委員会、応用生態工学会福井
    福井新聞社、福井ケーブルテレビ、
    さかいケーブルテレビ
協賛
損害保険ジャパン日本興亜株式会社