都市の緑を再発見!ワイルドな雑木林がビルの背後に!
レポート
今回は名古屋大学キャンパスへ。シンボルの豊田講堂の裏手には、実はワイルドな雑木林が広がり、さまざまな樹木・トンボ・野鳥などが観察できる環境が広がっています。当日は直前まで天候の心配があったもの奇跡的にも雨が上がり、都市の自然のモノサシ研究会の皆さんと一緒に雑木林を散策することができました。
当日のスケジュール
12:50 参加者集合(名古屋大学環境総合館1階レクチャーホール)
13:00 【はじめに】SAVE JAPANプロジェクトの主旨、スケジュールの説明、本日の見どころ(名古屋大学の植生・トンボ・野鳥・マスタープラン)、スタッフ紹介、グループ分け
14:10 散策開始...2班に分かれて散策
15:45 【ふりかえり】
16:00 終了
実施内容
このイベントで得られたこと
・団体内には野鳥の専門家が不在であったが、今回は野鳥調査をしている学生サークルの協力を得ることができ、ネットワークが広がった。
・大学キャンパスを使用するにあたり、大学当局に話を通したことで、キャンパスマスタープランを担当する部署とのつながりができ、より深い説明をすることができた。
参加者の声
- 最初の講義で全体像をつかめたのでその後の活動で実物がみれたり新しい発見があたっりして分かりやすかった。(20代女性)
- 自然環境の移り変わり興味深かったです。はじめてキャンパスの奥に入ったのですが、これから機会があったらぜひ来たいです。(40代女性)
- 身近な環境の植生や生態系について細かく解説を頂けて大変興味が深まった。(40代男性)
- 知らないこと、知りたいこと、まだまだいっぱいありました。(50代女性)
- 緑を”守ること””育てること”大切にしてゆきたいと実感できた。(60代女性)
イベント実施結果
- 参加者数
- 31人(大人30人、子ども1人)
- アンケート回答数
- 28人(大人27人、子ども1人)
- 参加者満足度
- 51%
- 実施してよかった点
今回の会場は、地下鉄駅から数分の位置なのにワイルドさが残っている「意外な穴場」。ただし、どちらかと言えば地味目で通好みのテーマ設定なので心配だった。結果として、「こんな場所があるのを知らなかった」という人が多数参加し、「市街地の自然も馬鹿にできない!」を伝える良い機会となった。
時期設定も、落葉樹の色づきが何とかストライクゾーンに入り、林内の構造が認識しやすかっただけでなく、林縁の落葉低木の存在感も増していたのでほっとした(前の週の下見時には、まだ色づいていなかった)。
当方には野鳥の専門家が不在なので、いつも野鳥の説明には頭を悩ます。今回は、毎月野鳥調査をしている学生サークルの協力を得ることができ、ネットワークが広がった。
- 実施して苦労した点
いつも悩むことですが、下記の4点あります。
① 時期設定: 多様な要素の観察に適した時期は、一致しない。チョウやトンボを見るなら10月一杯、樹林の構造を体感するには落葉樹の色づく11月後半、11月末では木枯らしがきつい、...。今回は植生重視で11月中旬に設定(トンボの実地観察は割愛、トンボの生息する環境のみ体感)。結果として、色づきはじめの落葉樹高木層と常緑樹低木層の対比がそこそこ可能で、かつ、増えはじめの冬鳥にも遭遇できた。
② 時間配分: 「事前説明1H/観察1.5H/ふり返り0.5H」を基準にしているが、植生/トンボ/鳥/キャンパス整備の歴史&将来構想...など多様な視点から解題しようとすると、1Hではどうしても手短かにならざるを得ない(説明というより、キイワード提示にとどまる)。
③ コース設定: 見てほしい所は一杯ある。しかし、参加者の多様な年齢層を考えると、フィールドは1.5Hが限度(それ以上だと、疲れてダレる)。他人数が一緒に観察可能かつ地区の特徴を体感できる場所を絞り込み、最短の一筆書きで結ぶのは難題。特に今回は、キャンパス西部(人工度の高い環境)における意外性も観察(東部と対比)したかったが、泣く泣く割愛。
④ 定員設定: できるだけ沢山の人に参加してほしい。しかし歩きながらの解説は、本当は10人以下がベスト。20人を超えると輪が広がりすぎて、集中できない人が3分の1を超える(集中できる人が3分の1、中途半端な人が3分の1)。定員40人(20人ずつの2班編成)というのは、解説に集中できない人が少々出てもやむを得ないと割り切った上での上限値。また、2班編成にすると各ジャンルの説明員を複数確保する必要があり、ジャンルによっては中々厳しい。今回は、雨天による急なキャンセルが多く、結果としてほどほどの人数となった。
- 特に寄付が活きたと感じた点
大学キャンパスを会場に設定するにあたり、公式に参加者募集を行うので、大学当局に正式に話を通したところ...、キャンパスマスタープランを担当する施設・環境計画推進室とのつながりができた。私的で安直に実施していたら、こうしたつながりは生まれなかった。
多様な視点の説明員を複数確保するには、外部講師が必要。このプロジェクトのおかげで、毎回助かっています。