ハマボウフウの種をまこう ~みやぎの海辺をめぐる体験バスツアー
レポート
「NPO法人名取ハマボウフウの会」さんとともに取り組んでいるイベントの第2回目は、「ハマボウフウの種をまこう~みやぎの海辺をめぐる体験バスツアー」と題し、宮城県沿岸部の七ヶ浜・湊浜海岸、若林区荒浜・深沼海岸、名取市・閖上海岸の3つの海岸をめぐるバスツアーを開催した。
各地で環境保全に取り組む団体を訪ね、希少植物『ハマボウフウ』の種の収穫や種まき、海岸清掃を行うとともに、東日本大震災で大きな被害を受けた沿岸部の現状を見て、聞いて、知る機会にもなった。
当日のスケジュール
9:00 仙台駅東口バスプール出発
9:40 七ヶ浜町・湊浜海岸着
(海岸視察・種まき)
11:00 若林区荒浜・深沼海岸着
(海岸周辺視察・ハマボウフウの花壇見学・参加者のメッセージ入り黄色いハンカチの贈呈)
12:20 名取市閖上・集会場「閖上まちカフェ」で昼食
13:25 名取市・閖上海岸着
(海岸視察・清掃活動・種まき・参加者のメッセージ入り黄色いハンカチの贈呈・集合写真撮影)
14:30 「メイプル館」(閖上・トイレ休憩)
15:30 仙台駅東口到着
実施内容
※子孫繁栄のために、ハマボウフウが残してくれた種。今回のイベントの主役です。
<七ヶ浜町・湊浜海岸>
・「七ヶ浜ハマボウフウの会」の紹介、団体・活動紹介
・震災前後の海岸状況のお話
・ハマボウフウの種の収穫、種まき
※一か所にまとまっているもの収穫し、周辺にバランスよくまいていきます。
「ほかの海浜植物や草が生えているところには水分があるから、その側にまこうね」
<若林区荒浜・深沼海岸>
・「荒浜再生を願う会」の紹介、団体・活動紹介
・震災前後の海岸周辺等のお話
・ハマボウフウの栽培花壇見学
・参加者のメッセージ入り「黄色いハンカチ」贈呈
※震災前後の海岸の現状を知る機会にもなりました。
<名取市・閖上海岸>
・「名取ハマボウフウの会」の紹介、団体・活動紹介
・震災前後の海岸状況のお話
・海岸の清掃活動
・ハマボウフウの種まき
・参加者のメッセージ入り「黄色いハンカチ」贈呈
・集合写真撮影
※スコップで砂地を掘ると水分を含んだ地層が現れます。
「発芽率を高めるために、水分は欠かせないんだ」とハマボウフウの先生達から、いろいろなお話を聞くことができました。
各海岸によってまき方法もさまざまなんですね。
※今回も参加者のみなさんに、閖上海岸、荒浜地区に掲げてもらう、
黄色いハンカチにメッセージを書き入れてもらいました。
このイベントで得られたこと
さまざまな想いを持って参加いただいたみなさんに、希少植物や自然環境、震災後の現状や、その中で環境保全活動に取り組む団体の存在を知ってもらい、それぞれに気づきを得てもらう機会となった。
また、参加者からの応援メッセージ入りの黄色いハンカチや、「また花を見に来たい」「とても良い経験ができた」「またイベントがあれば参加したい」という嬉しいお言葉をいただくことができ、各団体のこれからの活動の励みになるとともに、参加者とのつながりもできた。
そして、各団体にとっては、お互いの活動を知り、ノウハウを共有し合える関係ができた。同じ目的を持つ同志がつながる機会となったことも、このイベントの大きな成果だろう。
参加者の声
- ハマボウフウのこと、被災地の人々の話を聞くことができ、とても貴重な経験になった。(20代男性)
- まだ被災地した現場を自分の目で見ていなかった。今日見て、まだまだ復興の途中であると感じた。ハマボウフウにも触れ、貴重な経験になった。(30代男性)
- とてもいい経験ができた。今回種をもらってきたので、息子と一緒に育てようと思う。(40代男性)
- 震災から4年がたったが、被災地の方の想い、ハマボウフウのこと、ハマボウフウを保護しようとする方々のことも知らなかったので、興味があり参加した。ハマボウフウの花が咲く頃にまた来たい。(60代女性)
- 沿岸部がどんな状況かと思い参加したが、大変な被害があったと実感した。種をもらったので、自分でも植えてみたい。いつか海岸にハマボウフウがたくさん咲ことを願っている。(60代女性)
イベント実施結果
- 参加者数
- 参加者33名(協力者、スタッフ含め、67名)
- アンケート回答数
- 33名
- 参加者満足度
- 98%
- 実施してよかった点
- ●初めてハマボウフウを知ったという参加者が多く、ハマボウフウをはじめとする海浜植物を保護育成しようと活動している団体の存在を伝えることができた。さらに、今回は希望者に種をプレゼントしたため、イベント後もハマボウフウに触れる機会を提供できた。
●各海岸の被災状況、震災の傷跡を目の前にし、まだまだ復興途中である沿岸部の現状を伝えることもできた。
●沿岸部で活動する環境保全活動団体をつなぐこともでき、お互いの活動内容、海岸の現状等を共有し、今後の活動の参考にしてもらえた。
●帰路中、参加者にみなさんにお聞きした感想では、「またイベントに参加したい」「今日播いた種が芽を出す来春にまた来たい」「花を見にまた来ます」というお言葉たくさんいただき、実施団体の今後の活動につながるイベントになった。 - 実施して苦労した点
- ●各地の移動時間の把握。各沿岸部では、今もかさ上げや防潮堤工事のため、トラックたくさん往来している。その中で、大型バスがスムーズに通行できるか、駐車場のスペースは十分かなどの下見が重要となった。
●各海岸ともに工事中であったため、通行許可を得るための手配も必要だった。 - 特に寄付が活きたと感じた点
- ●3つの沿岸部をまわるための大型バスを一日使用することができた。
●前回作成した、実施団体のパンフレットを活用できた。
●ハロウィンに合わせて、参加者におやつを提供できた。