SAVE JAPAN プロジェクト 2018-2019

レポート

水辺の生き物みつけてみっべ ~夏の自然観察会~

2019年07月13日(土)実施
  • その他植物
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  • 里山

レポート

 金山町の山形県遊学の森にあるビオトープづくりの作業に、参加者みんなで取り組みました。ビオトープにかかっている壊れた橋を修復するために、軍手とエプロンをつけて、準備した角材に防腐剤を塗りました。

 その後はフィールドにでかけて、夏に見られる野草や水生生物を観察しました。講師の説明を聞きながら夏の里山を散策し、エゾアジサイやトチカガミ、ヒメガマ、菖蒲、マタタビ、水芭蕉、オオウバユリ、メダカやゲンゴロウ、ヌカエビやイトトンボも見ることができました。桑の実を味わったり、ヨシで草笛を作って吹いたり、オオイタドリにリードを挟んでみんなで音を出しました。

 また、アサザは山形県内では自生地はないと言われているそうで、この場所で見られたものは、他のところから移植したものだそうです。なんとも可憐な黄色い花でした。

 五感をフルに使って夏の自然に触れたことで、身近な自然の大切さを感じていました。イベント当日は天候にも恵まれ、2歳のお子さんから50代の方まで、計25名の皆様に参加頂きました。

*イベントの様子はスライドショーでもご覧いただけます。下記URLからご覧ください。
https://www.yamagata-npo.jp/archives/16098

当日のスケジュール

 9:45 参加者集合、受付開始 

10:00 開会式、集合写真撮影

10:10 オリエンテーション

10:15 フィールドワーク 夏の自然観察開始

11:45 振り返り、アンケート回収

11:55 講師から講評、まとめ

12:00 解散

実施内容

<開会式>

 天候が心配されましたが、昨夜からの雨も上がった中で受付を始め、準備を整えて、開会式に臨みました。協賛企業や主催団体から挨拶があり、スタッフからオリエンテーションがありました。自然の中に出かける前に、参加者全員で集合写真を撮りました。

 

<ビオトープの橋づくり>

 開会式が終わったその場所で、ビオトープの橋作りの作業をしました。エプロンをつけて軍手をはめ、橋の材料となる角材に防腐剤を塗りました。角材の六面全体に塗り残しをしないように注意深く塗っていくのはけっこう大変な作業でした。

<夏の自然観察>

 作業が終わるといよいよフィールドワークの始まりです。2班に分かれて集合場所の木もれび館を後に、斜面を下っていきました。歩きながら講師がいろんな植物の説明をしてくれました。

 歩いて移動する途中で、野生のあじさい(エゾアジサイ)、トチカガミ、ヒメガマ、菖蒲、マタタビ、水芭蕉、オオウバユリなどたくさん見つけることができました。トチカガミは絶滅危惧種に指定されているそうです。また、菖蒲は里芋の仲間なので、花は咲かないということでした。

 川を渡り、水辺に近づいて来ました。水の中にはメダカやゲンゴロウが観察できました。

 ヌカエビもたくさん見つけることができました。山形県内でタガメはもういないことを聞いて、私達を取り巻く現在の環境について、考えさせられるものがありました。

 

 途中で、桑の実を観察しました。食べられるんだよとの講師の言葉に、恐る恐る口に入れる参加者もいて、その後は「甘い~」と笑顔がこぼれていました。トンボが飛び交う中で、くるみの木やカキツバタを観察し、ミツガシワも見ることができました。

 今回の活動フィールド、ビオトープの全景です。

 ビオトープの池の「アサザ」という山形県絶滅危惧種に指定された植物の観察をしました。橋円形の葉を水面に浮かべる浮葉性の水生植物で、初夏に鮮やかな黄色の花を咲かせます。山形では全ての生育地で絶減し、栽培下でのみ生き残っているとのことでした。

 その後は、ヨシで草笛を作って吹いたり、オオイタドリにリードを挟んでみんなで音を出しました。ちょっとした加減で音が出なかったり、大きな音が出たりして、みんなで楽しみました。

 木もれび館に戻る途中でとても大きなナメクジに出会いました。みんな興味津々で、近くに寄って観察しました。この大きなナメクジは、フィールドの中では色が周りに紛れて、目を凝らさないと見つけることができないほどカモフラージュしていました。みんなでカモフラージュの意味を考えました。

 観察会を指導してくださった講師の方と、主催団体のスタッフの方です。大変にお世話になりました。木もれび館に戻ってきて、振り返りとまとめをしました。

 天候が心配されましたが、昨夜からの雨も上がり、普段触れることの少ない自然、魚や植物に触れ合うことができました。この美しい里山を整備し、希少生物が生息するビオトープを、次世代につないでいきたいと強く感じました。みんなで作業をしたビオトープの橋の完成が楽しみに待たれます。

 

このイベントで得られたこと

・同じフィールドで春にも自然観察会を実施しました。今回は夏に見られる植物や動物の自然観察会とビオトープ整備のための橋の作業を行いました。参加者はそれぞれの回で違っていましたが、両方に参加した方も複数いて、同じフィールドでの季節の違いや移ろいを感じることができました。

・今回の目的の一つであるビオトープ整備のための作業、具体的には購入した角材に防腐剤を塗布する作業を通して、ビオトープ整備に主体的な関わりを持つことができました。講師に迎えた地元の環境系NPO団体と実施団体、そしてNPOの中間支援組織と環境保全活動に貢献している企業とのつながりも構築できたと思われます。今後の更なる連携に期待が持てそうです。

・講師の丁寧な説明を聞きながら、直接見たり触ったり、捕まえたり、味を確かめたり、直接体験することができて、自分たちの身近な場所でこんなにも豊かな自然があることに気がつきました。その気づきは、自分たちの住んでいる地域の自然環境の価値を学ぶことにつながり、これから大事に守り育てていこうという意識の醸成につながったのではないかと思われます。

・怪我や事故は何もありませんでしたが、6月8日に予定していたイベントは残念ながら悪天候に阻まれ、やむなく中止という判断になりました。野外のイベントの中で危険予知の重要性も学ぶことができました。

参加者の声

  • 朴の木で飛行機を作って楽しかった。
  • たくさんの生き物、普段見ることができない生き物を見ることができました。
  • ゆっくりとその場、その場で話を聞かせていただいて、自然に対する豆知識が面白かった。
  • 笛を吹いたり、虫取りができて楽しかった。
  • とんぼを捕まえたりナメクジを触ったりできて楽しかった。

イベント実施結果

参加者数
17名
アンケート回答数
15名
参加者満足度
87.5%
実施してよかった点

・当日になって体調不良のためのキャンセルがありましたが、参加した親子は皆さんが自然の豊かさ、特に山形県絶滅危惧種に指定されたアサザなどの観察を通して、驚きを隠せない様子でした。その気づきを共有できたことは大きな成果であると言えます。その貴重な自然を守らなければならないことに心を馳せ、そのために今日から自分ができることは何だろうと、意識の変容や行動を変えていく自主的な動きが見られたことは大きかったと感じています。

・事業実施団体のみならず、講師として招聘した地元の環境系NPOの方々の持つ知識や経験値にふれることができて、それもまた私達の資源と捉えることができました。様々な地域や年代の方々と交流もできて、楽しいひと時を過ごすことができました。一過性のイベントとしてではなく、参加者の環境に対する意識に働きかけができたと感じています。

実施して苦労した点
・開催日は週間天気予報によると雨とのことで、参加者の安全確保の点から開催が懸念されましたが、主催団体との協議を重ねた結果「開催」と判断しました。そして、参加する皆さんも心配されていたことと思い、前日に開催する旨の連絡をしました。予報に反して当日はなんとか曇りのまま経緯し、雨に降られることはありませんでした。天候による開催可否の判断に苦労しました。
特に寄付が活きたと感じた点
・実施したフィールドの広大なビオトープの整備・営繕費用に使用することができたのはとても有益でした。既存の橋が朽ちかけており、この場所での自然観察に危険を伴っていましたが、今回のプロジェクトでビオトープに掛ける木製の橋の材料を調達することが可能になりました。このことにより、より多くの人達に、この場所の自然に親しんで頂く機会を安全に提供できることになりました。
主催・共催

<主催>

遊学の森案内人会

<共催>

NPO法人山形の公益活動を応援する会・アミル

山形市市民活動支援センター

協力・後援等

<協力>

認定NPO法人日本NPOセンター

NPO法人ネイチャーアカデミーもがみ

<後援>

山形県教育委員会

金山町教育委員会

協賛
損害保険ジャパン日本興亜株式会社