サシバの村で秋のトレッキングと紙すき体験
2016年10月23日(日)実施
レポート
サシバは里山に暮らす猛禽類で、絶滅危惧種になっている鳥です。イベント会場なった木島平村の内山集落には、毎年数つがいが子育て(繁殖)をしているとても貴重な場所です。
この地でサシバの生態を観察・研究してきたecology&eco-lives信州の荒井さん、西さんの案内で、サシバの生息地を歩いて自然観察をしました。秋はサシバは東南アジアに渡っているので、実際に観察することはできませんが、今年の巣の中の様子やどんなエサを食べていたのかなど、多くの写真と現地の林や田んぼを見ながら、教えていただきました。
トレッキングの後は、村の伝統文化である「内山和紙」の手すき体験をしました。日頃はなかなか体験できない「かずはたき」という行程から紙すきまで、オリジナル和紙作りに参加者は楽しく、熱心に取り組んでいました。
昼食は地元のきのこを使った料理や伝統料理の「笹寿し」などおいしくいただき、参加者同士の交流もはかりました。
当日のスケジュール
9:30 開会
10:00 サシバの里でトレッキング
10:45 かずはたきとかみすき体験
12:30~13:30 昼食
13:00 まとめ、アンケート記入
13:30 終了
実施内容
内山集落内をみんなでトレキング。右上の林の縁に巣があること、左に広がる畦で蛇やカエルなどのエサを狩りして、こどもたちに与える映像をビデオで収めたことも披露していました。サシバに生活についての質問も多く出され、来春は実際にサシバの観察がしたいと参加者からも声があがっていました。
和紙の紙すき体験の様子です。木島平アート部のメンバーで内山手すき和紙体験の家のスタッフでもある上野さんから丁寧に手順を教えていただきました。他の和紙で模様を入れたり、落ち葉や草など自然の物をいれて、参加者各々がオリジナルの「はがき」を完成させました。使うのがもったいないほどの素晴らしい出来栄えです。
やっぱりイベントは「みんなでごはん」でワイワイするのが楽しいですよね。田舎の秋の味覚満載で、お腹も心も満足でした。
このイベントで得られたこと
貴重な鳥である「サシバ」ですが、なかなか一般の人には馴染みがありません。今回から始まった木島平村のイベントがそのサシバの存在とそれを取り巻く村の環境や農業のことに、関心を持っていただけるきっかけに確実になったのではないでしょうか。
サシバが飛来し子育てをする来春に思いをはせながら、信州の里山の豊かさを参加者全員が実感できたことが最大の収穫となりました。
サシバが飛来し子育てをする来春に思いをはせながら、信州の里山の豊かさを参加者全員が実感できたことが最大の収穫となりました。
参加者の声
- (1)サシバの生息環境を実際に歩いて観察できたのはとてもありがたかった。紙すきも普段は体験できない「かずはたき」の体験をさせていただき、とてもいい経験ができました。昼ごはん郷土料理がありとても良かった。
- (2)サシバという鳥をはじめて知りました。里山の環境の保全頑張ってください。
- (3)貴重なサシバの生活の仕方や色々な自然を学び、紙の作り方がわかってめったにない貴重な経験ができたからです。
- (4)サシバが見たかった。
- (5)時間がちょうど良い。参加者もよい人だった。
イベント実施結果
- 参加者数
- 23人(大人20人、こども3人)
- アンケート回答数
- 18人(大人16人、こども2人)
- 参加者満足度
- 80%
- 実施してよかった点
- 木島平村の地元の協力団体である「木島平アート部」や「NPO法人地域創生研究所あつまれむらびと」との協働による実施体制が組めたことです。環境保全に直接関わる団体だけでなく、地域づくりのいう視点からサシバをまんなかになにかできないかという動きが始まったことはとてもすばらしいことです。
当日は地元で開発され、和紙で作ったサシバの形をしたラベルを貼った「サシバ酒」も試験的に販売。即完売するなど今後がとても楽しみです。 - 実施して苦労した点
- 晩秋に差し掛かった時期なので、生き物の気配がすくなく、自然観察するにはすこし物足りなさが出てしまいました。
- 特に寄付が活きたと感じた点
- 当日は木島平村全体のイベントの一貫の位置付けをしていただき、広報も一緒のやることで相乗効果が得ることができました。実際に飛び込みで東京からのお客さんが参加しました。
昼食など振る舞いできてよかったです。