[福井]水辺と生き物を守る農家と市民の会 アベサンショウウオを守ろう!人も生きものも元気な里づくり
ミジンコからコウノトリまで、生きものパラダイスを作ろう!
■プログラム実施日
2012年10月14日(日) 9:30~12:30
■当日の大まかなスケジュール
フィールドとなった越前市西部地域では、アベサンショウウオやハッチョウトンボなどの小さな生き物の保護に加えて、その豊かな生態系を活かして、コウノトリなどの大きな生き物も暮らしていける環境を整えようとしています。第3回目となる今回は、休耕田に手を入れて、コウノトリが食べるカエルやドジョウ、昆虫などが生息できるビオトープを整備しました。
まずは越前市エコビレッジ交流センター・大ホールに集合して頂き、今回の生きものパラダイス(ビオトープ)の概要と作業の説明をしました。その後、徒歩で5分ほどの休耕田(約30m四方)に移動。
生きものパラダイスの作り方、説明中 | この休耕田に水辺を作り、ミジンコやドジョウ、カエルを増やします |
作業としては3段階。最初に枯れ草を集めて積み上げ、生きものの冬眠場所を作る。次にスコップやクワで20センチほどの深さの穴や溝を掘っていきます。この穴や溝が水辺となりミジンコやドジョウ、オタマジャクシなどの生息地となります。また陸の部分には草が生い茂り、昆虫や小動物の生息地となります。最後に牛糞を発酵させた堆肥を水路まわりにまき、これがミジンコ等の栄養分となります。来春には水が引かれ、水辺と草地が入り交じった湿地に、ミジンコから大きな生物までが暮らす環境が整い、水田や里地の自然生態系が見られる事でしょう。
さあ、がんばって掘りましょう! | だんだんスコップの使い方も上手になりました |
参加した親子や若者、町に住んでいる人たちは、最初は重たいスコップと土に大変そうでしたが、だんだん慣れてくると力を合わせて作業を楽しんでいました。また、約1時間の作業中にはニホンアカガエル、トノサマガエル、ツチガエル、アカハライモリなどの生きものが顔を出し、参加者は驚いたり、珍しそうにのぞき込んだりしていました。
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窪みのまわりに牛糞堆肥をまきます。ミジンコの栄養源 | ニホンアカガエルたちも顔を出してくれました☆ |
作業終了後、閉会式を行い、参加者には無農薬の田んぼで作られた「コウノトリ米」のおにぎりが配られました。力を合わせ体を動かした後だけに、その美味しさは格別だったようです。また、生きものと共生していく田んぼは、おいしいお米を育む事も体感して頂けました。
皆さん、おつかれさまでした☆ |
作業終了後、コウノトリ米のおにぎりを味わいました。おいしい☆ |
■プログラムを実施して
・参加人数 : 21名 (大人18名/子ども3名)
・アンケート回答者 : 19名 (大人16名/子ども3名)
・平均満足度 : 93.1%
■参加者の感想
・ビオトープについて、もう少し詳しい説明をしてもらえるとよかったように思う。こんなに大ざっぱに作っても大丈夫なものなのか、ちょっと不思議な感じがした。(女性/40代)
・すごく有意義な時間をありがとうございました。(女性/20代)
・体力が続かなかったため、自分の体力不足を痛感しました。次は、体力作りをして参加したいです。(女性/30代)
・ビオトープをはじめて作ったので新鮮でした。(女性/30代)
・非常に楽しく作業を行うことができました。(女性/30代)
・久しぶりに、カエルや虫がいっぱいの中で活動して懐かしかったです。掘る時は、クワよりスコップの方がやり易いことに気付きました(笑)。(女性/20代)
・すごく力のいる取り組みで疲れましたが、終了後は達成感を感じることができ、参加してよかったと思いました。(女性/20代)
・誘われてイヤイヤ参加しましたが、充実しました。満足度120%。(男性/30代)
・最後に水を張るところまでできなかったので残念です。(女性/30代)
・今日、作ったものが、今後どういうふうになっていくかが楽しみです(女性/40代)
・溝が少しずつつながって、水が通る瞬間を見て、子どもの頃に遊んだことを思い出した。子どもと一緒に体験できてよかった。(女性/40代)
・こんなに生き物がたくさんいてビックリしました。(女性/20代)
・ビオトープ作り。水路がつながっていくことには感動しました。(女性/30代、3名)
・クワやスコップが思いのほか重く感じて、土を掘ることができなかった。(女性/30代)
・土に触れることの喜びを感じた。(男性)
・損保ジャパンのWEB約款推進が形になっているのを初めて見たので、今後、より推進していこうと思いました。(女性/20代)
■プログラムを実施して苦労した点
・地主さんとの交渉。
・今後の管理面についての話し合い。
・もともと水が無くて田んぼを放棄したところなので、水の便をどうするか考えるのに時間がかかったこと。
・参加者が少なかったこと。
■プログラムを実施して良かった点
・地区外の方にこういった活動を知っていただくことができたこと。
・若い方がたくさん来てくださったこと。
■特に、寄付が活きたなーと感じた点
・重機を入れてパイプを埋めたので、何とか水が入るようにできたこと。
≪活動を振り返って≫
・3回のプログラムを通して、これまで環境保全活動に参加したことがなかった多くの方に、希少生物について興味を持っていただけたこと。今後も参加したいと思っていただけたことは、本当に良かったと思います。