Action! Nature ボランティア「蒜山の草原を守ろう!」山焼き(火入れ)草原保全活動
2022年04月02日(土)実施
レポート
今年のSAVE JAPANでは、今回レポートする「山焼き」をメインイベントととし、準備期間から通年関わることで環境問題などに対する目線と理解、広い知見を持っていただけるよう、ボランティアさんを募集してまいりました。
そしてメインイベント「山焼き」を、4月2日と9日の2週にわたり、実施いたしました!
レポートが長くなりますので、メインの4月2日に開催した鳩ヶ原のレポートをお届けいたします。
そしてメインイベント「山焼き」を、4月2日と9日の2週にわたり、実施いたしました!
レポートが長くなりますので、メインの4月2日に開催した鳩ヶ原のレポートをお届けいたします。
毎年春に山焼き(火入れ)が行われている蒜山の草原には、多様な動植物が生息・生育しており、絶滅危惧種も数多く育む貴重な動植物の宝庫となっています。県下で唯一山焼きが続いているのは、ここ蒜山だけ。
昔は地元集落の採草地(草刈り山)として使われており、草原の草は家畜の餌としたり、たい肥にして田畑にいれたりと、生活に欠かせないものでした。
しかし、生活の変化や地域の高齢化による人手不足などにより、山焼きの継続が段々と困難になっており、実施面積は年を追うごとに減少しつつあります。
次の世代へ「蒜山の草原」という素晴らしい自然環境を守り残すため、参加者の皆さまには真庭市蒜山上徳山「鳩ヶ原」の山焼き草原で地域住民の方々やスタッフと行動を共にし、ジェットシューター(消火用器具)を背負い、火消し作業をしていただきました。
当日の火付け開始前の作業説明に加え、より安全に山焼き実施するために動画視聴による事前学習と、質疑応答の事前研修を実施し、誰ひとりケガもなく無事完了することが出来ました。ありがとうございました。
当日のスケジュール
08:00 受付、活動準備、作業説明など
08:30 現地移動
09:00 鳩ヶ原山焼き作業
12:00 お昼休み
13:00 徳山山焼き作業
16:00 解散
08:30 現地移動
09:00 鳩ヶ原山焼き作業
12:00 お昼休み
13:00 徳山山焼き作業
16:00 解散
実施内容
前回2021年11月に実施した草寄せ&火道(防火帯)づくりから5か月が経ち
ついに火入れのシーズンがやってきました!
天気に左右される屋外での活動ですが、心配していた残雪も溶け、おだやかな晴天に恵まれました。
今回のボランティアさんは総勢55名。スタッフを含むと70人態勢での山焼き作業です。
集合場所で班に分かれ、装備の確認や作業説明などを行い、いざ出発です!
一般的な野焼きとは違い山焼きは規模が大きいため、火付け役と火消し役の役割ごとにチームが組まれます。
(鳩ヶ原の広さは、なんと50ヘクタール!)
今回は10グループ、ボランティアさんたちはそれぞれ持ち場の火消しに注力します。
こちらは事前に実施団体さんから参加者へ共有された当日の配置図です。
注意点も細かく記載があり、安心して活動に取り組むことが出来ました。
さて、スタート地点に到着しました!
長年山焼きをしてこられている地元の大先輩たちから
ジェットシューター(消火用器具)の使い方を教わります。
火消しはとてもとても重要な役割。
火道以上に火が上がってこないように、ジェットシューターで火を消していきます。
もうひとつの大事な役割は、「目の前の火だけではなく、自分の背後にも気を配ること」
風による飛び火で後方の林が大火事になったこともあるそう。
そしてこのジェットシューター、なんと重さが20キロ。
容量20リットルのタンクを背負っているので当たり前なのですが、結構重いです。
火付け役が順番に点火していきます。
山の大きさや地形によっても火のつけ方が変わってくるそうです。
今回は2人の火付け役が頂点から横に下っていく形で点火していきます。
無線を使い、遠く離れたもう1人の火付け役と風を読み点火していきます。
火の広がり方、風の影響、地形の違いなど、何年も積み重ねてきた熟練の読みです。
火消し役がいる中央が少し拓けているのがわかるでしょうか?
草が刈られている部分を「防火帯」といい、これ以上燃やさないために草を刈っています。
(昨年11月にSAVE JAPAN事業で刈ったエリアです。)
写真の右側の樹林群が燃えないよう、火消し役が重要なわけなんですね。
火付けは、山をぐるっと外周から燃やしていくようなイメージです。
ふもとの火は、上に上に上がっていくので、先に頂上を燃やしておくことで、それ以上燃え広がらないようにしているわけです。
日常生活の中で大きな火の近くに寄る機会はなかなかありませんが、顔が焼けそうなくらい熱いです。
ですので、参加者の皆さんはタオルを巻いたり、ゴーグルを装着することで、熱や煙、灰から身を守っています。
両サイドからの合流地点で最後まで火を見守ります。
残り火などもチェックし都度消火作業を行います。
そして最後に合流地点をバックに集合写真!
ご参加くださいました皆様、お疲れさまでした!
少しですが雪がまだ残っている箇所がありました。
綺麗に燃えなくていいのか?と初心者の私は思ったわけですが、
「燃えるところ、燃えないところがあることで、また草原に多様性が生まれる」と山焼き隊の片岡さんがおしゃっていました。
ついに火入れのシーズンがやってきました!
天気に左右される屋外での活動ですが、心配していた残雪も溶け、おだやかな晴天に恵まれました。
今回のボランティアさんは総勢55名。スタッフを含むと70人態勢での山焼き作業です。
集合場所で班に分かれ、装備の確認や作業説明などを行い、いざ出発です!
一般的な野焼きとは違い山焼きは規模が大きいため、火付け役と火消し役の役割ごとにチームが組まれます。
(鳩ヶ原の広さは、なんと50ヘクタール!)
今回は10グループ、ボランティアさんたちはそれぞれ持ち場の火消しに注力します。
こちらは事前に実施団体さんから参加者へ共有された当日の配置図です。
注意点も細かく記載があり、安心して活動に取り組むことが出来ました。
さて、スタート地点に到着しました!
長年山焼きをしてこられている地元の大先輩たちから
ジェットシューター(消火用器具)の使い方を教わります。
火消しはとてもとても重要な役割。
火道以上に火が上がってこないように、ジェットシューターで火を消していきます。
もうひとつの大事な役割は、「目の前の火だけではなく、自分の背後にも気を配ること」
風による飛び火で後方の林が大火事になったこともあるそう。
そしてこのジェットシューター、なんと重さが20キロ。
容量20リットルのタンクを背負っているので当たり前なのですが、結構重いです。
火付け役が順番に点火していきます。
山の大きさや地形によっても火のつけ方が変わってくるそうです。
今回は2人の火付け役が頂点から横に下っていく形で点火していきます。
無線を使い、遠く離れたもう1人の火付け役と風を読み点火していきます。
火の広がり方、風の影響、地形の違いなど、何年も積み重ねてきた熟練の読みです。
火消し役がいる中央が少し拓けているのがわかるでしょうか?
草が刈られている部分を「防火帯」といい、これ以上燃やさないために草を刈っています。
(昨年11月にSAVE JAPAN事業で刈ったエリアです。)
写真の右側の樹林群が燃えないよう、火消し役が重要なわけなんですね。
火付けは、山をぐるっと外周から燃やしていくようなイメージです。
ふもとの火は、上に上に上がっていくので、先に頂上を燃やしておくことで、それ以上燃え広がらないようにしているわけです。
日常生活の中で大きな火の近くに寄る機会はなかなかありませんが、顔が焼けそうなくらい熱いです。
ですので、参加者の皆さんはタオルを巻いたり、ゴーグルを装着することで、熱や煙、灰から身を守っています。
両サイドからの合流地点で最後まで火を見守ります。
残り火などもチェックし都度消火作業を行います。
そして最後に合流地点をバックに集合写真!
ご参加くださいました皆様、お疲れさまでした!
少しですが雪がまだ残っている箇所がありました。
綺麗に燃えなくていいのか?と初心者の私は思ったわけですが、
「燃えるところ、燃えないところがあることで、また草原に多様性が生まれる」と山焼き隊の片岡さんがおしゃっていました。
国の自然再生法に基づき「蒜山自然再生協議会」という組織が今年立ち上がり、山焼き隊もこの組織に属し、事務局を真庭市が担っています。
これからの活動展開にも期待大です!
このイベントで得られたこと
防火帯の設置や、地形、風向きの把握など十分な準備と知識・経験の蓄積により、燃え方(燃やし方)はコントロールできるということ。燃やすことにより守られるが、燃やさないと失われる自然環境や生物多様性があるということ。
参加者の声
- 風向きが変わった時に周りの様子から危険さが感じられ勉強になりました。(20代学生)
- 作業自体は簡単で、体力的にもきつくはなかったが、一歩間違えば事故につながるという独特の緊張感があった。主催側の注意事項に従っていれば、自分の身は守れると感じた。作業の合間に、スタッフの方から草原の自然の解説を聞けたのがよかった。(30代公務員)
- 火の迫力に感動しました。(20代会社員)
イベント実施結果
- 参加者数
- 55名(関係者含め、70名)
- アンケート回答数
- 20件
- 参加者満足度
- 90%
- 実施してよかった点
希少生物種のことをここまでの活動を通してあまり触れてこなかったため、「サクラソウの発育のために必要な山焼き活動ができた」と感じました。
ボランティア参加については、「草原の保全に関心のある学生が、実際の現場での動きを体感することができた」と思います。- 実施して苦労した点
- 特にありません。
- 特に寄付が活きたと感じた点
- 活動に慣れていない参加者は、装備が不十分だが、人数分のグローブやゴーグルを用意することが出来た。
ジェットシューターは消耗品のうえ、高額なので買い足すことが出来た。
- 主催・共催
- 山焼き隊
蒜山自然再生協議会 - 協力・後援等
- 特定非営利活動法人 岡山NPOセンター
- 協賛
- 損害保険ジャパン株式会社