フデリンドウと万葉の植物を求めて 薩摩川内市陽成町の自然と歴史を知ろう! ~地域の環境の変化を知り、地域の未来を想像する観察会~
レポート
当日のスケジュール
10:00~ 開会式(主催者挨拶・協賛企業様の事業、活動の紹介等・注意事項説明等)
10:50~ 薩摩川内市混岳登山、生物多様性を考えながら、万葉集に出てくる四季の植物の話を聞く観察会
12:00~ 万葉植物についての講話・混岳、陽成地区の自然と歴史、文化、地域活動についての講話
12:40~ 昼食(地域の方による炊き出し)
13:10~ 紙漉き体験
13:40~ まとめ・閉会式・アンケート記入
14:00~ 解散
実施内容
小雨が降る中、開会式の様子。
混岳登山口から入ってすぐのところで見られた『フデリンドウ』あいにくの雨のため、開花の様子は見ることができませんでした。
数日続いた雨により、足元が滑りやすかったため、山頂までは行かず、
中腹にて混岳と混岳に生息する植物について専門家の話を聞きました。
混岳から下山し、薩摩川内市陽成地区コミュニティセンターにて、『万葉集』にもうたわれている、地域の植物についての話を聞きました。
混岳や地域の自然と歴史、文化、地域活動について、陽成地区コミュニティ協議会 会長さんのお話しを聞きました。
陽成地区コミュニティ協議会の方々が、手作りの昼食をご提供くださいました。
「炊き込みご飯」と「豚汁」が特用林産物の竹の器に入っていました。
昼食会の様子
昼食後に行った紙漉き体験
今回も『生きものボード』には、様々な言葉が山に開花していました。
SAVE JAPAN プロジェクト2022-2023 鹿児島では、鹿児島県の身近な場所の生き物たちを動画で紹介しています!
「自然観察1年生の生き物さがし」
Part1.【公園で】身近な生き物をさがしてみよう【鴨池緑地公園】
このイベントで得られたこと
今なお、地域活動に林用特産物など地域の自然が活かされていることを知った。
参加者の声
- 自然の有効利用はなかなかむずかしいですけど、自分ができる事に取り組みたいです。(50代)
- お食事おいしかったです。手作りの器も最高でした。身近な場所に貴重な植物があることにも感動しましたし、うれしく思いました。(50代)
- 植物で和・洋を意識したことがなかったので、なるほど~と思った。(野草・園芸種の認識はあった)(50代)
- 残したい自然がすぐそこにあるのに気づかずに生活しています。こうした機会に振り返り、大切にしたいと思った。皆さんのもてなしに感激しました、ありがとう。(50代)
- 希少生物の大事さを身にしみて感じたし、感じているが、自発的に行動するすべをわからなかった。今後は自分から進んで参加し勉強したいと思いました。(70代)
イベント実施結果
- 参加者数
- 大人(中学生以上)32名
- アンケート回答数
- 大人(中学生以上)20名
- 参加者満足度
- 80%
- 実施してよかった点
新しい活動地で初めての方々と一緒に活動し、刺激を得られたことが良かった。特に万葉集と地域の植物の関わりをお話しくださった「おがくら先生」のお話はスタッフにとっても新しい視点となり、今後の活動でも生かしていきた。
生き物ボード(一言感想文)にも、食事の提供をしてくださった地域住民の方や、紙漉き用のパルプ紙を提供下さった「田中林業」さんなどへの感謝のコメントもあった。様々な団体・協力者の方々と一緒に活動できたことが今回特によかったと感じている。
生物多様性・希少生物への効果に関しても、生き物ボードの感想から、「フデリンドウがかわいかった」「もう一回見にきたい」というコメントがあり、参加者の珍しい植物への関心が高まったことが感じ取れた。
- 実施して苦労した点
薩摩川内市でのイベント実施は初めてのことで、様々な団体・ボランティアの皆様のご協力を得ながら実施する形となった。連携実施により、それぞれ活動でしたいこと・協力していただきたいことのバランスを取るために、何度も下見・打合せを重ねて実施した。
当日が晴れとも雨ともつかない微妙な天気予報で、雨天、晴天どちらのスケジュールで実施するかを判断するのが難しかった。実際に当日も雨が降ったりやんだりするような状況だったため、晴天・雨天スケジュール、それぞれをあわせたスケジュールを準備していたほうがよかったかと感じている。混岳登山を目的に申し込みをされた方も多く、できれば頂上まで案内したいという気持ちと、安全を取って室内実施の方が良いという思いの間で悩んだ。
- 特に寄付が活きたと感じた点
当日、万葉の植物に詳しい講師の方をお呼びすることができた。これまで私たちスタッフは、里山の植物を解説するにしても、図鑑に載っていることや、小さい頃の遊びなどを語るようなことしかしてこなかったが、講師の方のお話では、万葉集にも掲載されている植物やその歌について「万葉集は最古の多様性」という観点で説明をしていただき、「もっと日本本来の植物について大切にしよう」という気持ちになった。参加者の方々にとってはもちろん、我々自身も勉強になる新たな視点での解説で、とてもありがたい機会をいただいた。
また、今回は地元の協議会、ボランティア団体など複数団体と連携・協働により実施した。ご協力いただいた皆様には私たちの団体だけでは実施できないような紙すき体験・炊き出し等の活動のほか、晴天・雨天スケジュールの難しい判断の中、きめ細かな対応までしていただき、活動の内容を高めることができた。今回のご寄付を頂いたこと、またご協力を賜りました関係各者・各所に御礼申し上げます。
メディア掲載
・2023年3月 南日本新聞みなみのカレンダー
・2023年3月 FMさつませんだい
そのほか、当事業より発信を開始したYouTubeチャンネル「自然観察1年生の生き物さがし」において、「万葉の植物「梅」についていろいろ調べてみた」(2023年3月10日公開)という動画で、今回の活動について紹介した。
- 主催・共催
- 【主催】NPO 法人かごしま自然学校
【共催】NPO 法人鹿児島県 NPO 事業協会 - 協力・後援等
- 【協力】
もりはやし倶楽部
陽成地区コミュニティ協議会
はっぱクラブ
認定NPO法人日本NPOセンター
【後援】
薩摩川内市教育委員会 - 協賛
- 損害保険ジャパン株式会社