希少種を見つけよう!遠山自然公園観察会[5月11日開催]
レポート
遠山自然公園は高知県内に3か所しかない湿原のひとつであり、ミズトンボやモウセンゴケなど、多種多様な湿原性植物が自生しているとても珍しい場所です。高知県では遠山でしか確認されていない高知県の絶滅危惧ⅠA類に指定されているハシナガヤマサギソウやヤナギアザミなど、絶滅危惧種21種を含む473種の植物が自生しています。今回の観察会では、ハシナガヤマサギソウの開花を観察することができました。このような希少種やその周辺環境を守る大切さを参加者それぞれに感じてもらえた観察会となりました。
当日のスケジュール
9:50 受付
10:00 開会
10:10 遠山自然公園やそこに自生している植物のお話
10:20 4グループに分かれて観察会
11:40 まとめ
11:50 閉会&アンケート
12:00 解散
実施内容
*遠山を守る会のメンバーより、観察する前に遠山自然公園に自生する植物についての説明
*観察会(4グループに分かれて遠山自然公園を散策)
*ふりかえり
*遠山自然公園に自生している今回の観察会で見ることができた植物
◆ハシナガヤマサギソウ
今回の観察会メインの植物。高知県下では唯一遠山だけでしか見つかっていません。
CR(絶滅危惧ⅠA類)。2021(令和3)年に高知県希少野生動植物保護条例指定種に追加されました。
絶滅が心配されている原因は、1つは草刈りなど人の手が入らなくなったら草に埋もれて生き残れないということ。もう一つは、園芸採取。つまり盗掘が一番心配されています。ラン科なので、ハシナガヤマサギソウに合うラン菌が土壌になければ盗掘してもすぐに枯れてしまうそうです。
◆ノアザミ
◆カイナンサラサドウダン
◆カマツカ
◆キエビネ
◆ジャケツイバラ
◆ジャケツイバラのとげ
◆ニワゼキショウ
◆オヘビイチゴ
◆ゴウソ
◆エビネ
このイベントで得られたこと
・希少種を守るには周辺環境に人の手をかけることが必要だと理解してもらえたこと
・普段から環境問題や環境保全活動に関心がないと回答した参加者全員が関心を持ってくれたこと
参加者の声
- 草花についてあまり関心がなかったが、今日説明を受けていろいろな気付きがありました(葉脈の美しさや緑の豊かな色彩、小さな花も芸術的に美しい)。(50代・会社員)
- 日ごろから動植物の環境を守るために地道に活動されている方々の存在が本当に尊いと思いました。高知の魅力をさらに知ることが出来ました。(40代・公務員)
- 沢山の方々の環境保全への取り組みが必要だと思いました。また多くの人が関心、興味をもって知ることが大切だと思いました。希少な植物を見ることができたのは貴重な体験になりました。(30代・自営業)
- 知らないところでこういった活動をされているのが今回わかりよかったです。ハシナガヤマサギソウという大変希少な種を見ることができてよかったです。機会がありましたら、また参加したいです。 (40代・会社員)
- 高知の自然は貴重であることが改めて分かった気がします。子どもたちの学びにとても良いと思います。(40代・公務員)
イベント実施結果
- 参加者数
- 41名(大人23名、子ども18名)
- アンケート回答数
- 37名
- 参加者満足度
- 75%
- 実施してよかった点
・参加することによって希少種に興味をもってもらうことができた。日常には興味を持つ機会があまりないので、良い機会となった。
・遠山を守る会の活動を多くの方に知ってもらうことができた。- 実施して苦労した点
観察会は参加者を10名ずつ4グループに分けて行うのだが、観察道が狭いため1列になって進む。ガイドが先頭で説明するが、後ろの人には聞こえづらい。対策として最後尾にもう一人サブのガイドをつけてもらったが、完全にカバーはできなかった。参加者全員に満足してもらうため、隊列をもう一度検討する必要がある。
- 特に寄付が活きたと感じた点
どこで観察会をしているのか分かりづらかったのだが、観察会ののぼりを制作することで参加者はもちろん、地域住民にもアピールする機会をもてた。
- 主催・共催
遠山を守る会
認定NPO法人NPO高知市民会議- 協力・後援等
◆協力
認定特定非営利活動法人 日本NPOセンター◆後援
高知市教育委員会
四万十町教育委員会
四万十町観光協会- 協賛
- 損害保険ジャパン株式会社