希少種を見つけよう!遠山自然公園観察会[6月15日開催]
レポート
遠山自然公園は高知県内に3か所しかない湿原のひとつであり、ミズトンボやモウセンゴケなど、多種多様な湿原性植物が自生しているとても珍しい場所です。高知県では遠山でしか確認されていない高知県の絶滅危惧ⅠA類に指定されているハシナガヤマサギソウやヤナギアザミなど、絶滅危惧種21種を含む473種の植物が自生しています。今回の観察会では、準絶滅危惧のスズサイコやカキラン、絶滅危惧ⅠA類のヤナギアザミを観察することができました。このような希少種やその周辺環境を守る大切さを参加者それぞれに感じてもらえた観察会となりました。
当日のスケジュール
9:50 受付
10:00 開会
10:10 遠山自然公園やそこに自生している植物のお話
10:20 4グループに分かれて観察会
11:45 まとめ
11:50 閉会&アンケート
12:00 解散
実施内容
本日ガイドを務める遠山を守る会より遠山自然公園に自生している植物の説明
*観察会(4グループに分かれて遠山自然公園を散策)
*遠山自然公園に自生している今回の観察会で見ることができた植物
◆スズサイコ(準絶滅危惧)
準絶滅危惧植物(NT)です。草原性の植物で、草刈りをしないと数を減らしていきます。また、花の時期に草を刈ってしまうと実がならないので、草刈り時期にも気をつかいます。花は夜咲きなので、晴れの日の観察会には閉じた花しか見られません。朝になり花が閉じたときに、ガが口吻(こうふん)にはさまれて逃げられなくなることもあるようです。
※開花時の写真(観察日は晴天で花は閉じていました)
◆カキラン
花が柿の実を思わせる柿色であることからカキランと呼ばれます。主に日本や中国などに分布し、湿地や湿原、山の中の水気の多いところに自生し、湿度の高い6月の梅雨の合間に花を咲かせます。ラン科なので人気が高く、盗掘の心配があります。
◆ウツボグサ
日当たりのよい草原に生え、茎の先に5~8㎝の花の穂をつけます。遠山のウツボグサは、町内の自生地で採取した種をまいてせっせせっせと増やしたものです。花は青紫色が標準花ですが、白花やピンク色のものもあり、遠山でもよく探すと白やピンクの花に出会えます。
◆ヤナギアザミ(絶滅危惧ⅠA類)
9~10月頃に開花します。待ち遠しいですね。
*お楽しみ&閉会
観察会から帰ってきたチームは、ダイオウグミの取り放題を楽しんでいました。
最後は東京から参加いただいた損保ジャパンの加藤さんに閉めていただきました。
*集合写真
とても暑い観察会でした。みなさん、ご参加いただきありがとうございました。
このイベントで得られたこと
・遠山自然公園、そして大切に管理する遠山を守る会の活動を知ってもらえたこと
・希少種を守るには周辺環境に人の手をかけることが必要だと理解したこと
参加者の声
- 遠山を守る会の方がよく保全活動されているのだなと感じた。湿地は貴重だと思うので、保全を長く続けていってほしい。(40代・会社員)
- 遠山を守る会が希少な植物を残す大切な働きをされていることに驚いた。丁寧な説明ありがとうございました。子どもと一緒に楽しめました。(50代・公務員)
- 希少種をたくさん増やす、人の手で育てていく活動はあるのかな。またどうやって?高知の里山の魅力に触れられ、ますます高知が好きになった。(40代・自営業)
- モウセンゴケが小さくてびっくりした。(小学3年生)
- スズメノヤリという植物がなぜそういう名前なのかふしぎです。いろんな虫や植物と触れ合えて楽しかったです。(小学3年生)
イベント実施結果
- 参加者数
- 54名(大人29名、子ども25名)
- アンケート回答数
- 45名
- 参加者満足度
- 75%
- 実施してよかった点
・5月の観察会で「実施して苦労した点」を双方の団体で検討し、臨んだ観察会だった。観察会のガイド方法が格段によくなり、実施団体のスキルアップにつながったと思う。
・遠山自然公園や遠山を守る会の活動を多くの方に知ってもらうことができた。- 実施して苦労した点
・週間予報では雨だったので、貸切バスの運行についてキャンセル料のこともあり、数日前まで心配が絶えなかった。しかし、当日は晴天で問題なく運行できたのだが、今度は熱中症への配慮が必要となる暑さとなった。屋外のイベントなので仕方がないことではあるが毎回気を揉む。
- 特に寄付が活きたと感じた点
・今回の観察会は、自家用車をお持ちでない方、遠出の運転に不安な方にも参加してもらえるよう高知市からバス送迎を行うことができた。かなりの希望があり、高知市外での活動は送迎が必要だと感じた。
- 主催・共催
遠山を守る会
認定NPO法人NPO高知市民会議- 協力・後援等
◆協力
認定特定非営利活動法人 日本NPOセンター◆後援
高知市教育委員会
四万十町教育委員会
四万十町観光協会- 協賛
- 損害保険ジャパン株式会社