
みんなで学び・守る 里山のグリーンインフラ ~外来種ニワウルシを駆除した農地で大豆収穫と脱穀体験~
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レポート
今期第1弾は、茨城町のNPO環~WAと「みんなで学び・守る 里山のグリーンインフラ ~外来種ニワウルシを駆除した農地で大豆収穫と脱穀体験~」を開催しました。
放置された里山に外来種ニワウルシが蔓延り、生態系崩壊が進んでいた「しもはじ里山」。耕作放棄地がニワウルシの増える場所となり、早急な対策が必要な状況でした。
2年前から、SAVEJAPANプロジェクトとして里山再生の取組みを始めました。
これまでの活動により、耕作放棄地に生えていたニワウルシの地上部分の駆除は、少しずつ成果が見え始めています。
今年は、地下に広がる根の影響を減らし、土壌環境を回復させることを目的に、大豆と菜の花の栽培に挑戦。
大豆の栽培と収穫に成功し、あわせて菜の花の種まきも行いました。春に菜の花が咲くのを今からとても楽しみです!
また、活動を進める中で里山全体を調査したところ、この地域に広く影響を与えているニワウルシの母樹を発見しました。
直径は約60cm、樹齢はおよそ40年と考えられます。
土地所有者に状況を説明し、関係者が協力して伐倒作業も実施。
伐倒の際には多くの種が舞う様子が確認され、その様子を動画で記録し、SNSを通じて地域の方へ注意喚起を行いました。
今後も、里山の自然を取り戻すため、地域と連携しながら活動を続けていきます。
当日のスケジュール
9時30分 受付開始
10時00分 オープニング
10時15分 大豆収穫・選別作業
12時00分 作業終了・しもはじフェスタ会場へ
※自由解散
実施内容
第1弾は、茨城町のNPO環~WAの皆さんと一緒に「大豆の収穫・脱穀体験」を開催しました。
当日は朝早くから、21名の参加者の皆さんに集まっていただきました。

これまで整備を続けてきたエリアへ、みなさんと一緒に移動し、イベントがスタート。

外来種ニワウルシの駆除を進めてきたこの場所では、今年2月に大豆の種をまき、今では一面が大豆畑になっています。

(ご参考:これまでの取り組み)
2023-2024活動レポート➀
2023-2024活動レポート②
2024-2025活動レポート
はじめに、代表の大和さんから、これまでの整備活動の話と、当日の流れについて説明がありました。
これまで何度か整備活動に参加してくださっている方も多く、「最初に来たときと景色が全然違っていて驚きました」といった声も聞かれました。


畑で育った大豆を使った豆乳の試飲も!
濃厚な大豆の味の中に、ほんのりとした甘さがあり、「おいしい!」と好評でした。

オープニング後には、大豆の収穫体験の前に、大豆畑のまわりで「菜の花の種まき」を行いました。
菜の花は寒さに強く、冬に種をまくと春にはきれいな花を咲かせます。


実は菜の花は、土を元気にしてくれる「緑肥」としても活躍する植物。
土の中の環境を整えてくれるので、畑づくりにも大切な役割があります。
いまから春が待ち遠しいですね!
いよいよ大豆の収穫体験へ。
「さやが茶色くなっているものを選んで収穫しましょう」と、大和さんからアドバイス。
参加者の皆さんは、まだ青いものや小さな粒のものを見分けながら、ていねいに収穫していきました。


大豆の根っこをよーく観察してみると、つぶつぶがあります。
これは「根粒(こんりゅう)」と呼ばれるもので、土の中から栄養を集めてくれる菌がいて、大豆の成長を助けてくれているそうです。
実際に手に取って観察しながら、「植物と土のつながり」を学ぶ場面もありました!

脱穀機にチャレンジ!
収穫した大豆は、脱穀機を使ってさやから豆を取り出します。
まずは使い方の説明と見本を見せてもらい、いざ挑戦!


リズムよく踏むとうまく脱穀できるそうですが、やってみると意外と難しい…。
コツをつかむと、きれいに豆が取れるようになり、思わず笑顔がこぼれました!


脱穀のあとは、唐箕(とうみ)を使った選別作業に挑戦しました。
唐箕は、風の力を使って大豆と殻やゴミを分ける、昔ながらの農具です。

ハンドルを回すと風が起こり、重い豆は手前へ、軽い殻やゴミは奥へと分かれていきます。


参加者の皆さんも実際に体験し、昔の人の知恵や工夫に触れる時間となりました。

唐箕で選別したあとは、さらに手作業での選別です。
大きくて丸い、形のよい大豆を選んでいきます。
参加者の皆さんは真剣な表情で、一粒一粒ていねいに作業を進めていました。


当日以降にも、NPO環~WAの皆さんが中心となって選別作業を行い、2月11日に開催予定の「味噌づくり体験」に向けた準備も進めていただきました。

再生畑として、新たな一歩へ
整備活動を重ねてきた場所が、大豆畑として生まれ変わり、「再生畑」として新しい一歩を踏み出しました。
イベントの最後には、大和さんから周辺に広がるニワウルシの現状についてもご報告がありました。
これまでの活動を見てきた周辺の地主さんからは、伐倒作業についての相談が寄せられているそうです。
作業中にも、ニワウルシの種がひらひらと飛んでくる様子が見られました。
こうした種が数年後、別の場所で新たに芽を出すこともあります。
ただ整備をするだけでなく、自然の仕組みや植物の特性を理解しながら、
継続して取り組むことの大切さを改めて感じる一日となりました。

しもはじフェスタも同時開催!
当日は、同時開催の「しもはじフェスタ」に参加する方の姿も。
焚き火体験やリース作りなど、自然を満喫しながら楽しめるイベントとなっていました。



参加された皆さん、お疲れさまでした!
そして、ご参加・ご協力いただき、ありがとうございました。
このイベントで得られたこと
外来種ニワウルシが蔓延り里山の生態系が崩れ、畑の機能を失っていた耕作放棄地も、機能を取り戻すための活動を継続的かつ計画的に行えば機能再生が可能である、という手ごたえを得た。
- 耕作面積: 1600㎡(大豆収穫1000㎡/菜の花播種600㎡)
- 大豆収量: 133kg
- 菜の花開花予定:2026年春
参加者の声
- 大豆の収穫のほか、菜の花も植えて楽しかった。自然を満喫できた。
- いただいた手作りの豆乳がとても美味しかったです。2月の味噌づくりも楽しみです。
- 枝豆から大豆に初見でした。いろいろ体験できて楽しかったです。
- 大豆の収穫から脱穀までさせてもらえてとても貴重な体験ができました。
- 私が子どもの頃のに見た農機具を使った作業には、なつかしさを感じました。
イベント実施結果
- 参加者数
- 21
- アンケート回答数
- 14
- 参加者満足度
- 93%
- 実施してよかった点
再生した畑にプロジェクト参加メンバーと蒔いた大豆が無事に育ち、参加者とともに収穫することができた。外来種駆除のみにとどまらず、里山の機能を取り戻すことが可能であることを皆で実感することが出来た。
- 実施して苦労した点
- 気候変動により、既存の栽培管理スケジュールと異なることを実感した。例年であれば収穫期であったはずの11月末のイベント時には、全体の25%ほどしか熟成しておらず、残りの作業は12月に入ってからの作業となった。
- 年々最高気温を更新する酷暑。種まきイベント、真夏の除草作業(5巡)と、熱中症になりかける状況での作業には苦労した。板状のドライアイスで熱中症対策をしたことで重症化を防ぐことが出来た。
- 特に寄付が活きたと感じた点
栽培・収穫に必要な農具や資材の購入や、イベント後の残務作業、収穫した大豆の選別にかかる費用、里山に蔓延るニワウルシの母樹伐倒に必要な重機作業費等に活用させていただいた。
- 主催・共催
- 協賛
- 損害保険ジャパン株式会社

