SAVE JAPAN プロジェクト 2015

レポート

幌向(ほろむい)湿原の植物のタネを目覚めさせよう!笹の刈りとり実験

2015年07月20日(月)実施
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レポート

前半は「石狩川下流幌向地区自然再生事業地」などで湿地再生についての説明を聞き、様々な植物や鳥の観察をしながらふっとパスコースを歩きました。後半は南幌町が保存している「幌向湿原保護地」のササ刈りを行いました。ササを刈り取ると、地面に光が入って、かつて湿原に生えていた植物のタネが目を覚まします。天気にも恵まれ、これから景色がどのように変化していくのか観察を始める、第一歩目となるイベントとなりました。

当日のスケジュール

10:00 南幌町物産館「ビューロー」(空知郡南幌町中央1丁目2-22)集合

・全体説明

10:20 「ビューロー」出発

・「石狩川下流幌向地区自然再生事業地」にて、自然再生の事業説明
(高層湿原の植生再生と、ほろむい七草の説明、湿原の植物「モウセンゴケ」の生態観察など)

・フットパスを歩いて、南幌町有地「幌向湿原保護地」に向かう
(湿原から農業への移り変わりを景観を楽しみながら歩きます。約5km)

12:30 「幌向湿原保護地」にて昼食

13:00 「幌向湿原保護地」でのササ刈り体験
技術指導:坂元直人さん(株式会社エコテック 環境調査部長、環境カウンセラー)

14:00 作業終了、「ビューロー」に向け出発

14:20 「ビューロー」到着、総括

14:30 解散

実施内容

まず「石狩川下流幌向地区自然再生事業地」(石狩川下流幌向地区にて湿性植物の再生を目的に石狩川下流の自然再生を行う事業)に向かい、事業の説明を受け ました。高層湿原の植生再生と、ほろむい七草(幌向原野の湿性植物)の説明、「モウセンゴケ」の生態観察、「ミズゴケ」の試験栽培の様子などを見学しまし た。湿性植物の遺体である泥炭のふわふわとした感触を味わい、ほんの少しの高低差で生息する植物が違ってしまうなど、湿原の再生がいかにデリケートなものかを学びました。
泥炭にミズゴケを移植し、繁殖させる活動を行っています。

ミズゴケの試験栽培をしています。

その後、約5kmのフットパスを湿原から農地への移り変わりの景観を楽しみながら歩きました。カッコウやアオジなど様々な鳥の鳴き声を聞きながら広大な燕麦風景の中を歩くのはとても気持ちの良いものでした。ニッコウキスゲ、サワギキョウ、ヨツバヒヨドリ、ヤマブドウなど、本当にたくさんの植物を見ることが出来ました。

これほど広大な燕麦風景を見られるのはここだけとのこと。

目的地「幌向湿原保護地」に到着して昼食。


名物の南幌ジンギスカン、朝採れトウモロコシは最高でした!!

昼食後は「幌向湿原保護地」でのササ刈り体験をおこないました。ヨシ、ササ、おおわだち草を刈り取ることで、地面に光が入って、かつて湿原に生えていた植物のタネが目を覚まします。
来年湿性植物が再生することを願い、楽しみながら活動しました。当初はツルコケモモの移植を予定していましたが、残念ながら移植に適した状態ではなかったため、行いませんでした。

このイベントで得られたこと

ほろむい七草をはじめとする湿生植物が生育する湿地環境の再生活動は、ちょっとの高低差でも左右されてしまう本当にデリケートなものであり、ミズゴケの移植、繁殖などはたくさんの人が活動に関わってくれることが必要です。今回のイベントでは、泥炭を歩くのは初めてという参加者もおり、身近な自然に触れ、ふらっと南幌の活動を知る良い機会になったと思います。

参加者の声

  • 泥炭の上を開いたのも、燕麦風景の中を歩いたのも、南幌ジンギスカンを食べたのもはじめてで、とても楽しかった!!(女性/30代)
  • 幌向湿原での湿性植生の復元確認が楽しみ(男性/60代)
  • 地域の開拓の歴史と環境保全の関係を深く考えるきっかけとなる有意義なイベントでした。(男性/70代)
  • 環境問題をただ見ていたり、ニュースで聞いていましたが、参加して、勉強になり、少しでも役に立ちたいと思いました。(女性/60代)
  • 幌向湿原での湿性植生の復元確認が楽しみ(男性/60代)

イベント実施結果

参加者数
19名
アンケート回答数
14名
参加者満足度
85.7%
実施してよかった点
ふらっと南幌では、ほろむい七草が生息する幌向原野の面影を残そうと様々な活動をしていますが、湿性植物の再生・保全は多くの人の手が必要となる事業です。それらの活動を知ってもらう良い機会となりました。
今回のイベントでは南幌町が保存している「幌向湿原保護地」のササを参加者全員で刈り取りました。湿地が乾燥し、ササが湿性植物の生育を阻んでいる状態にありました。今回のイベントでは参加者全員でササを刈り取ることで、かつて湿原に生えていた植物のタネを目覚めさせる手伝いが出来ました。今後どのようにして湿性植物ある景色が楽しみになるものとなりました。
実施して苦労した点
広大な燕麦風景の中を歩くため、トイレが農家さんの簡易トイレ(かなり汚い)しかなく、トイレがある場所までは車で参加者を送迎しなくてはなりません。今回は特に問題ありませんでしたが、次回以降は参加者にその旨事前に伝えておくことが必要であると感じました。
特に寄付が活きたと感じた点
マイクロバスを借りて石狩川下流幌向地区自然再生事業地やミズゴケの試験栽培の様子を見に行くことが出来、毎月行っているフットパスへ参加したことがある方へも、改めて団体の活動説明を聞いてもらうことが出来ました。