SAVE JAPAN プロジェクト 2016-2017

レポート

外来種シンポジウム「外来種は悪者なの? 生物多様性って何?」

2017年05月28日(日)実施
  • はちゅう類
  • 市街地・公園
  • 里山

レポート

とてもいい天気のアウトドア日和でしたが、外遊びをさしおいて100名近い方に参加していただきました。
とても嬉しいです。
ありがとうございます。


私たちは
外来種は「悪者」ではない。忌み嫌ってもいない。
が、生物多様性を守っていくためには侵略的外来種の駆除は進めていかないといけない。
というのが基本的スタンスです。
それが世の中のスタンダードになっていったらいいと思っています。
そしてそれに基づいてこれからも丁寧に活動していきます。

一方で、そうは思っていない方や、「ほんとに駆除してしまっていいのかな」ともやもやしている方がいらっしゃることも承知しています。

【とって食べる】のイベントで”食べる”という体験が、考え方が違う人同士をを繋いでいくきっかけになる可能性がある、と期待しているのですが、いかがでしょうか。

詳細についてはまた後日ブログでご報告したいと思います。

昆虫食倶楽部ブログ「とって食べる」

当日のスケジュール

13:00~13:30 受付
13:30~13:40 主催者あいさつ、損保ジャパン日本興亜あいさつ
13:40~13:55 「浜松市の外来種の現状と取り組み」 鈴木良実さん(浜松市環境政策課)
13:55~15:00 「アカミミガメの問題と対策」 片岡友美さん(認定NPO法人生態工房)
15:00~15:20 「生物多様性とは」 戸田三津夫さん(静岡大学工学部)
15:20~15:25 参加者のコメント
15:25~15:30 アンケート記入、インフォメーション

会場

実施内容

1)シンポジウムで、浜松市の外来種の現状、アカミミガメや外来種対策の経緯と具体的な取り組み事例についての情報提供を行い、生物多様性と外来種について問題提起を行いました。

2)展示コーナーでは、ミシシッピアカミミガメの生体展示、佐鳴湖における各種カメ類の分布と生息条件(浜松日体高校 自然科学部)のポスター展示、カメを捕まえる浮島型ワナとカニかご、かめぐるみの展示、「とって食べる」過去イベントの報告、環境省の外来種対策の展示、参考資料の展示などを行いました。

浮島型トラップ

このイベントで得られたこと

・外来種や生物多様性のことに関心がある人がある程度多いことがわかった
・昆虫食倶楽部が外来種問題にも取り組んでいる団体として認知してもらえた
・行政や専門家とのつながりが強化された(今後の活動にプラスになる)

参加者の声

  • <勉強になった>
    ・コイ、ヘラブナ、クサガメも外来種とは知らなかった。多くの入場者を見て、この問題の皆さんの関心の高さを感じた。
    ・外来種という漠然とした問題に対して、自分の暮らす浜松市と絡めて話を聞くことができたので、興味や知識を得ることができた。
    ・生態系について分かりやすく理解しやすかった。目的と手法についても実例を挙げて説明されたので、非常によかった。
    ・関心の高いテーマでしたが、アカミミガメについての知識はなかったので、大変勉強になりました。
    ・アカミミガメ=ミドリガメということすら知らず、子どもの時に飼っていたカメが外来種ということを知ることができて良かった。外来種の問題についてよく理解できた。
    ・佐鳴湖のカメの状況、思ったより深刻であることがわかりました。
    ・「国内外来種」という言葉を初めて知り、自分の認識の甘さを感じました。
    ・佐鳴湖を散歩する時に見かけるミドリガメ等、外来生物について今まで特に何も考えずにいたが、環境に対し外来種のもたらす具体的な悪影響について理解できた。
    ・法律制定などによる行政の取り組みについても知ることができた。

  • <もっと聞きたかった・知りたかった>
    ・外来種問題について理解を深められたが、今後の対策は?生物多様性についての考え方について、人間目線での矛盾がわかりやすく、納得できる内容であった。教育現場での活かし方についてもききたかった。
    ・知識は増えたが、浜松で何ができるのか議論を聞きたかった。
    ・とても意識の高い内容で面白かった。では、自分が今後何ができるだろうかと考えると、やれる事が少ないのがもどかしい。
    ・佐鳴湖や浜名湖での具体的な活動の紹介、活動への参加について説明があるとより良いと思う。
    ・動物中心の話でしたが、植物についても聞きたい。特に動物と植物のつながりなどで見てみたい。動物植物を別々に見るのはまずいのでは…。
    ・生き物には敬意を持って正しく付き合わなければいけないと改めて感じた。捕獲した外来生物を基の原産地に移送するのは、やはり厳しいのだろうか?

  • <ディスカッションが欲しかった・時間が足りない>
    ・パネルディスカッションの時間が欲しかった。
    ・一番関心のあったディスカッションや質疑の時間がなかった。生態工房や静大の先生の話が良く、その後の対話につながることを楽しみにしていたので…。人間の本質にも関わることなので、次の機会にと思います。
    ・内容は良かったが、もう少し時間がほしかった。もう一度、片岡さんの話を聞きたい。
    ・時間はもう少し長くとって(予定)しても良かったのでは?
    ・捕獲や処分に対する一般参加への新しい情報が聞きたかった。
    ・聴衆の層も多様にみえたので、単なる環境シンポではきけない意見を多くきいてみたかった。
    ・聞いたことの効果はどこにつながるのか不明である。ディスカッションがないのは残念。かわいそうだからどうするか?→?
    ・15:30以降も自由参加でディスカッションが聞けたらよかったです。

  • <こんなこと思った・こんなことをしていきたい>
    ・麻薬など同レベルで外来種の持込みが禁止行為であることは知りませんでした。私たち一般人にできることは限られていますが、安易な考えで生物を運んだりしてはいけないといったルールを周囲の人に伝えていきたいと思います。
    ・今日、息子がカメのために庭の池を大きくしました。カメ、大切に育てます!!
    ・「外来種とは悪いものである」という認識でしたが、話を聞いて改められました。30億年かかった生態系を守っていかなければならないので、ボランティア等があればぜひ参加してみたいです。
    ・殺す→食べる(食べて大丈夫?)という命の教育(昔、環境教育でニワトリをしめて食べる学習とかあったけど)になるんですかねぇ…。人が生きることの様々を受け入れて、知る、考える、行動することが、大事なんでしょうね。
    ・改めて外来種問題の奥深さにふれました。かわいそうは不要という考えに衝撃と納得。子どもたちにどうやって伝えていくか、よく考えたいと思いました。
    ・外来種の種類、アカミミキャッチャーなど知らないことが多く、本当に勉強になった。今まで環境問題、外来生物に関心はなかったが、少し関心を持つことができた。カメの捕獲など禁止事項があることは知らなかったので、周りにも広めていきたい。
    ・人間の自分勝手さに改めて気づくことができた。
    ・社会状況を変化させているのは大人。外来生物は大人の問題。子どもを巻き込んで、子どもまで批判するのはやめたい。
    ・アカミミガメが2015年に初めて法律ができた事がびっくりしました。遅すぎると思った。
    ・浜松土木事務所と遠州浜の調査を始めました。7月にオオフタバムグラの除去をやろうと思っております。

イベント実施結果

参加者数
84名+講師・スタッフ6名
アンケート回答数
68名(回収率80%)
参加者満足度
38%
実施してよかった点

・高校生・大学生から80代まで、多様な年代の方が、多数参加してくださった。(アンケート回答者:10代 3名、20代 11名、30代 7名、40代 17名、50代 13名、60代 10名、70代 4名、80代 1名)
・損保ジャパン日本興亜から15名の社員が参加してくださり、外来種の問題に理解を深める機会となった。

・登壇者のプレゼンが、ポイントを抑えている上に分かりやすく、とても良かった。
・展示コーナーの中でも、浮島型わなとかめぐるみの展示が人気だった。
  参考:かめぐるみの型紙(環境省) かめぐるみの作り方(環境省)

実施して苦労した点

・最後まで来場予想人数がつかめなかった。結果的には多数の方に参加していただけたが。当日4割増しの方が来場されたので、資料がぎりぎりだった。

・利害が対立する難しいテーマなので、内容の作り込み、話の展開の仕方。

・後半パネルディスカッションの時間がなくなってしまった。感想にもあったように、延長する選択肢もあったと反省。せっかく様々なキーパーソンが数多く集まっていたのに、問題を掘り下げる議論が宙ぶらりんのまま終了してしまったのはもったいなかった。

特に寄付が活きたと感じた点
・最適な講師に参加していただけた。
・カメ捕獲のための備品を十分に購入することが出来た。