SAVE JAPAN プロジェクト 2016-2017

レポート

外来種をとって食べる

2017年07月22日(土)実施
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レポート

「外来種をとって食べる」の最終回は、暑い中、佐鳴湖畔で開催されました。
湖畔の池でウシガエルを9匹釣って解体し、前回精肉したアカミミガメの肉、午前中に別の場所で捕獲したアメリカザリガニ、佐鳴湖で捕ったテナガエビ(在来種)も一緒に料理して食べました。
捕まえる、食べるを通して、外来種について考えるきっかけを作りました。

当日のスケジュール

09:00     佐鳴湖 漕艇場前に集合
09:10~11:00 ウシガエル釣り
11:00~11:15 富塚協働センターに移動
11:15~13:30 調理、昼食
13:30~15:00 外来種レクチャー、片付け、ふりかえり

実施内容

まずは佐鳴湖畔に集合して、自己紹介と特定外来種であるウシガエルの扱いについて説明しました。

特定外来種は飼育や運搬、譲渡は禁止されているので、捕まえたら氷漬けにして運びます。

集合

それから、集合して東岸と西岸に分かれて、湖畔の池でウシガエルを釣りました。
ウシガエル釣り
西岸は7匹釣れましたが、東岸は2匹だけ。
顔は見えているけれど、餌に知らんぷりだったり、
餌に喰いついても、針が外れてしまったり。

道行く人たちも「わぁ!大きなカエル!!」「どうするの?え!食べる??」
「食用ガエルってこのことか~」「外来種を駆除しているの?」などなど、
いろんな人に話しかけられました。

ウシガエルの解体


調理室に移動して、氷で冷やしたウシガエルを解剖。
お腹から大量の卵が出てきました。(左の黒い塊)
胃の中からは、カニ(クロベンケイ?)が次々出てきました。

始めは「キモっ」「うへぇ~」と言ってた子どもたちも、
いざハサミを渡されたら真剣!

カエルの解体

皮を剥いて、白い肉が見えてくると、大人も「お、美味しそう!」と。
どこかで「生き物」⇒「肉」のスイッチが入るようです。

料理


本日のメニューは
・ウシガエル(特定外来種)のソテー
・アメリカザリガニ(緊急対策外来種)のボイル
・アカミミガメ(緊急対策外来種)の唐揚げ
・セイゴ(在来種)のムニエル
・テナガエビ(在来種)の素揚げ
・ご飯とすまし汁

素材は全て佐鳴湖とその周辺で獲れたものです。
ほかにも、アカミミガメのカレー(既製品)、どて煮(提供品)もありました。

外来種料理

食べ終わってから、外来種の紙芝居をしました。


外来種とは、生物が本来移動できる範囲を超えて、人間によって運ばれた生物。
外国産の生物だけでなく、日本国内での移動でも「外来生物」になることがあります。

本来住んでいない場所に連れて来られて、暮らしている外来種。
彼ら自身に罪はないのですが・・・その一部が増えすぎて問題を起こしています。
在来種を絶滅させたり、人間を刺したり毒があったり、農作物に害を及ぼしたり。

また、よく似た在来種と雑種を作ってしまう問題も起きています。

今、浜松にも様々な外来種がいますが、私たちにできることは?

1)よそから生物を入れない、拡げない
生き物は捕まえた場所で放し、他の場所に移動しない。

2)ペットとして飼っている生き物を捨てない、逃がさない
大きくなってもずっと飼い続けられるか考えて、最後まで責任を持って飼うこと。

3)問題となる生物をとりのぞく
今回は、ウシガエル、アカミミガメ、アメリカザリガニを捕まえました。

外来種を食べることで、考えるきっかけになれば幸いです。

このイベントで得られたこと

・「食べる」という切り口があることで、色々なタイプの参加者に参加していただき、外来種の問題について関心を持ってもらうことが出来た。
・今後の活動を進めていく上での仲間が増えた。

参加者の声

  • 釣る、解体、調理、食べる…「とって食べる」当たり前のようなことかもしれないけれど、大変なことですね。気づかされます。(40代男性)
  • 前回のカメの解剖で感動して、子どもが外来種にものすごく興味を持つきっかけになりました。本当にありがとうございました。(40代女性)
  • 普段なら見られないカエルやカメの解剖が見られた。未知の味を知ることができた。(10代男子)
  • 初めましての子どもたちでも「とる」ことで仲良くなれました。つくって食べて、仲良くなれて楽しそうでした。初めての場所や人に馴染みにくい子には参加しやすいと思います。あまりきっちり役割が決まってなにのに、いつもそれぞれが自分でやることを見つけてまとまるので楽しいです。(40代女性)
  • 料理の際に、調理手順や班ごとの指示があったら良かったと思います。手洗い用の石鹸が少ないなど衛生面で気になる所がありました。(20代女性)

イベント実施結果

参加者数
35名(大人20名、子ども15名)
アンケート回答数
26名(大人18名、子ども8名)
参加者満足度
72%
実施してよかった点
・大人、子どもそれぞれがウシガエル釣りを楽しむことが出来た。
・子どもは自分の手でウシガエルを捕まえることは難しいが、セミやカニを追いかけたり、夢中でウシガエルを釣っている大人を眺めて楽しんだりしていた。
・外来種の料理をおいしくいただけた。予想以上においしかった、という意見が多かった。
・遠方(神奈川)よりウシガエルに詳しい方が参加したことで、カエルの捌き方や、標本の作り方などについて教えていただけた。
実施して苦労した点
・ウシガエルの釣果が読めないこと なんとか9匹捕まえることが出来たが、 だんだん生息数が減っているのか、その他の要因なのか、捕まえるのが大変だった。
・料理会場の確保。カエルなどの普通ではないものを料理する場合、会場を借りる上での制限がある。
特に寄付が活きたと感じた点
・調理のための食材などを十分に購入することが出来た。