SAVE JAPAN プロジェクト 2016-2017

レポート

ミシシッピアカミミガメを捕獲・解剖してみよう!

2017年06月18日(日)実施
  • はちゅう類
  • 市街地・公園

レポート

お天気はなんとかもち、カメの捕獲(仕掛けたワナでの回収)と解剖を行いました。
子どもたちが大人以上に興味津々で、真剣に解剖に取り組んでいました。

予想以上にカメがたくさん獲れ、カメの専門家の方のお話も伺うことができて、様々な面からアカミミガメのことを考える機会となりました。

※今回、採ったカメの肉は、7月22日「外来種をとって食べる」の中で調理していただきます。

当日のスケジュール

9:00 佐鳴湖北岸に集合、自己紹介
9:30 佐鳴湖周辺でカメの捕獲     
10:50 協働センターへ移動、昼食
12:50 外来生物 ミニレクチャー
13:00 解剖 レクチャー → 実践
15:40 片付け、ふりかえり
16:00 解散

実施内容

午前中は、段子川→佐鳴湖西岸→佐鳴湖東岸の計5か所で、
前日夕方に仕掛けたワナ9つと、6月11日に設置した浮島型ワナをチェックしました。

5月のシンポジウムで展示した浮島型ワナ

浮島型ワナ


カニかごには、カメが息継ぎできるよう浮きをつけます。

カニかご

いるかな?いるかな~~??
カメ捕獲

全部で、計40匹(ミシシッピアカミミガメ 36、クサガメ 4)。

捕まえたカメは甲長と腹甲長(背中とお腹の甲羅の長さ)を測りました。

甲羅の長さを測る


それから協働センターに移動し、昼食をはさんで午後の部に。

まずは、「外来生物って何だろう?」とミニレクチャー。

<NPO法人生態工房さんの教材バナー>外来生物

解剖は(株)自然回復の三根さんが実演。
カメの解体方法

背中とお腹の甲羅の継ぎ目にノミを入れて背と腹を分離し、
お腹側の甲羅に沿ってカッターを少しずつ入れ、腹甲を剥がしていきます。
首は回しながら皮ごとカッターで切りおとします。
鮮やかなノミ捌きとカッター捌きです!

そこまでは、みんな固唾をのんで見守っていましたが、
お腹の膜を切って、卵(殻と黄味)が見えてきたら、乗り出す子どもが続出。

前のめりな子どもたち


「おおおお~~!」

「心臓が動いてる!」
「でも、痛みを感じるのは頭だから、もう痛くないんだよ。」

「脚も動いてるー!」
「今、動いているのは”反射”といって筋肉の反応。動かそうという意思はもうないの。」
「ふ~~ん…」

カメの内臓


透明な膀胱、長い腸、そしてたくさんの卵、卵、卵、と大小の黄味。
Y字型の気管。肝臓や腎臓など様々な臓器が収まっています。

そこからは参加者が自ら解剖に取り組みました。

真剣な眼差しで解体にトライ!

解体にトライ


高校の生物部の生徒さんたちも。

高校の生物部


中学、高校の理科の先生方は、
「解剖実験にカメを使いたい!」と熱心にパーツを集めて標本を作っていました。
今、解剖はイカを使っているそうですが、
脊椎動物であるカメは臓器などがヒトに近く、教材として興味深いとのこと。
関西では、駆除したカメを学校の実験用に提供しているそうです。

手と脚の筋肉は、カッター、アートカッター、キッチンばさみなどで
丁寧に甲羅や皮から剥がし取りました。
このお肉は、7月の「外来種を食べる」で調理します。

大人も子どもも時間ぎりぎりまで、解剖や精肉に熱中。お疲れ様でした!!

今回は、NPO法人生態工房の片岡さん、八木さん、和亀保護の会の西堀さん、
自然回復の三根さん、カメのスペシャリスト4名の方にもご参加いただき、
たくさんの助言やご指導いただきました。ありがとうございました!



ちなみに、ワナは再度餌を入れて水に入れておいたのですが、
夕方、回収に行ったら、2ヵ所で35匹を再び捕獲。
1日で75匹(うちアカミミガメ70匹)とは、どれだけ佐鳴湖にいるのだろうか…。

また7月のイベントで、みなさんと共に考えていきたいと思います。

昆虫食倶楽部 6月18日 イベントレポート

このイベントで得られたこと

・参加者のみなさんと協力しながら、多数のミシシッピアカミミガメを捕獲することが出来た。
・カメの専門家に来ていただき、カメの生態や自然環境、また捕獲や解剖方法等について詳しく教えていただけた。

参加者の声

  • 佐鳴湖のカメ捕りも、もちろんすごく楽しかったですが、何と言ってもやはり解剖です。首を落とすくらいまでは、ちょっと気持ち悪い~と思いましたが、膜がとれて卵が見えた頃から夢中で見学してました。カッターのさばき上手ですね。(40代女性)
  • 県外のアカミミガメの生息状況など知ることができて良かった。+αでカメの体の構造を詳しく見ることができたのは大変勉強になりました。(30代女性)
  • カメの解剖が初めてだったので面白かった。実際に見るのと写真を見るのでは、かなり違いがありました。(高校生、男性)
  • 参加者(特に学生)が夢中になって体験していたのが良かった。(40代男性)
  • 子どもたちがひるむことなく頑張っていたのが嬉しく思った。(50代女性)

イベント実施結果

参加者数
31名(大人21名、子ども10名)+スタッフ5名
アンケート回答数
23名(大人16名、子ども7名)
参加者満足度
75%
実施してよかった点
・カメを実際に解剖してみることで、カメの体の構造がよく分かるのと同時に、外来種問題についてよく考えるきっかけになった。
実施して苦労した点
・解剖場所の確保(衛生面)
・捕獲後のカメの処理方法(予想以上に大量に捕獲出来てしまう)
特に寄付が活きたと感じた点
・カメ捕獲のための備品を十分に購入することが出来た。