SAVE JAPAN プロジェクト 2021-2022

レポート

里山整備~ニワウルシを駆除して里山の生態系を守ろう!~

2023年01月22日(日)実施
  • その他植物
  • 森林
  • 種子植物・シダ
  • 里山

レポート


NPO環〜WAが保全している里山には、猛禽類が飛来し、ウラシマソウやユキノシタなどの希少植物、国蝶オオムラサキが好むエノキ、ミツバチが飛び回る種々の草木花が生息しています。
 
様々な団体と連携、各団体の得意とする技術協力により総面積7haを保全を進めています。

第1弾は「ニワウルシ」の駆除作業を行いました。
荒廃した山林を参加された皆さんで手分けして作業することで、広範囲に整備することができました。
また、参加した子どもたちを中心にニワウルシの目印をつけるなど、子どもから大人まで整備活動を一緒に体験することができました。

当日のスケジュール

8:50 集合
9:00 開会式
9:20 整備作業 ※手のこぎり、仮払い機、重機を使って作業を行います。
11:45 後片付け
12:00 活動の振り返り
12:15 里山ランチ
13:30 自由解散 

14:00 ニワウルシの駆除作業
    (農薬については後日、NPO環~WAで実施しました)

実施内容


第1弾は、NPO環~WAが運営するキャンプ場「しもはじ埴輪キャンプ場」をフィールドに、周辺に生育している「ニワウルシ」の駆除作業を行いました。

当日は、朝早い中、総勢30名の参加者が集まりました!!
参加者が集まり、開会式スタート。

イベントの主催のNPO環~WA認定特定非営利活動法人 茨城NPOセンター・コモンズから
SAVEJAPANプロジェクトの取り組み、今回のイベントについて説明がありました。

今回、整備するフィールドに生育する「ニワウルシ」。
生態系被害防止外来種でもある「ニワウルシ」は、庭木として明治時代に渡来したものですが、成長速度が非常に速い特性をもつため養蚕目的の食樹として栽培されたことも各地で野生化する原因となったようです。

葉や樹皮から他の植物の成長を阻害する物質を放出し他の植物の成長を阻害するため一気に繁殖する性質を持つため、
落葉している冬季、新芽が出始める前の駆除が望まれています。




▲開会式の様子

開会式後には、それぞれに分かれて作業を進めていきます!!

1)駐車場横窪地への階段敷設
2)草刈り(刈り払い機班)
3)ニワウルシの駆除)
4)しもはじ散策路のニワウルシ探索(キッズ班)

----------------------------------------------

1)駐車場横窪地への階段敷設

フィールドにあるカシの灌木を手のこぎりで伐っていきます。
手のこぎりを使って、切っていきますが、最初は思うように切れず悪戦苦闘。

2人1組となって、協力しながら伐っていきます。
大きな灌木のため、「木が倒れるから気を付けてください!」など
声をかけあいながら、作業を行いました。

あっという間に予定の本数を伐ることができ、
伐った灌木をトラックに積み込みます!!

▲集めた灌木

ニワウルシが繁殖している窪地では、作業用に降りるための階段を敷設。
伐った灌木は、この階段の「杭」として活用します。

先端をカットして大きなハンマーを使って一つひとつ打っていきます。
これがまた力仕事!皆さんで協力しながら作業を進めます。

スギ間伐材は土留め資材として使用。
階段の土をならす際に、昨年の助成金で購入した鍬も大活躍しました!!!


2)
草刈り(刈り払い機班)

刈り払い機班は、ひたすら広大なフィールドを草刈り作業!
経験者の皆さんが集まり、それぞれの場所の草刈りを進めます。


3)ニワウルシの駆除


ニワウルシの近くには、カラフルなテープで目印をつけていきます。
特に窪地は、たくさんのニワウルシを見つけることができました。


4)しもはじ散策路のニワウルシ探索(キッズ班)

キッズ班は、キャンプ場周辺に点在して生育しているニワウルシ探し。
広大なフィールドの中からニワウルシを見つけて、テープでマークをつけていきます。

 

作業がひと段落した灌木伐採チームの女性陣で、樹木札の掛け直し作業へ。

昨年度のイベントで作った樹木札。
成長し太くなった木に、長い紐に変えて札を掛け直しも行いました。

樹木札をかけた時はゆるく巻いていましたが、
それぞれの木ををまわるとすべての紐がきつくなっていました!
木々も日々、成長しているんですね。

作業がひと段落ついたタイミングで皆さん再集合!
新設した階段を下りて、皆さんで記念撮影!

参加者からは「いい汗かきました!」
「(自然に触れる)いい機会になった」と感想をいただきました。

当日は、大工をしていた方やボーイスカウトなど、作業に慣れた方も多くいて、
作業に慣れていない方をサポートしていただくなど参加同士の交流も見ることができました。

作業後は、キャンプサイトで里山ランチ!

【ランチボックスのメニュー】
・和風ハンバーグ
・納屋カフェオリジナルキッシュ
・ほうれん草の胡麻和え
・ふろふき大根~特製の柚子みそ~
・大和さん特製のいも煮

メインのハンバーグはジューシーでボリューム満点!
オリジナルのキッシュも人参やキノコもたっぷり入っていて、ごはんが進む味わい♪
特製の柚子みそがきいたふろふき大根に、大和さん特製のいも煮は、身体の中から温まる優しい味わいでした!

ごちそうさまでした!


ランチ後は、自由解散でしたが、
参加された方が残って作業を手伝っていただきました!!

後日、近隣の企業と協力してニワウルシの駆除作業に協力するなど、地域連携もスタート!
また、近隣の地主さんに対して、茨城県茨城町の農業委員さんより、
ニワウルシの注意喚起をきっかけとした保全整備を呼び掛けているそうです。
繁殖力が高いニワウルシは、地域の皆さんで対策が不可欠なんだそうです!


30名というたくさんの方にご参加いただき、
チームに分かれて作業を進めることで効率よく、広範囲に整備することができました。
ニワウルシは、今回整備したエリアに点在。小さいものから大きいものまでさまざまあり、
駆除作業の大変も感じました。
根っこから抜けるものもありましたが、抜けない大きいものは、後日、農薬を注入し駆除を行います。


当日は寒い日でしたが、作業を進めると身体がぽかぽかして、
作業が終わると達成感で笑顔になることができました!
自然の中だからこそできる体験。
改めて、里山を整備すること、維持することの難しさを感じましたが、
近隣企業との整備作業、地域連携したニワウルシの注意喚起など、
イベント以外でもさまざまな動きが生まれました。

ご参加いただいた皆さん、NPO環~WAの皆さんお疲れさまでした!!


今回のレポート動画をまとめました。
ぜひ、こちらもご覧ください!

このイベントで得られたこと

・環境省指定「生態系等に被害を及ぼすおそれのある重点対策外来種 ニワウルシ」の駆除。「根から抜き取る」「抜けないものは切って農薬注入用の穴を空ける」作業を行った。

・駆除したニワウルシは、破砕しチップを防草資材に使用する予定。

・地権者への注意喚起を行った。町の農業委員の協力を得て地権者へニワウルシ駆除の必要性を伝えた。

参加者の声

  • 子どもたちと一緒に行動していろいろな植物が見れたのが楽しかった。
  • (普段)できない経験をしました。
  • 大人数で作業すると、あっという間に片付くんだなと思いました。
  • 外来種のニワウルシは、成長がはやいと聞いていましたが、たくさん生えていてびっくりしました。
  • のこぎりを使った作業は、普段ま全くやらないことなので、慣れない作業でしたが、参加された皆さんと作業を進めていくうちに楽しくやることができました。

イベント実施結果

参加者数
30名(大人27名、子ども3名)
アンケート回答数
15
参加者満足度
90%
実施してよかった点

・参加者30名(大人27名・子ども3名)が、「ニワウルシ」の特徴を学び、自らの行動で外来駆除による生物多様性保全に貢献できた。

・繁殖力が極めて高い外来種の駆除は地域ぐるみでの対策が不可欠。ニワウルシの繁殖を抑えられず困っていた隣接企業の駆除作業に協力するなど、地域連携がスタートした。

・放置林や耕作放棄地の地主への注意喚起を行った。茨城県茨城町の農業委員が動いてくださり、ニワウルシ注意喚起をきっかけとした保全整備を呼び掛けている。

実施して苦労した点

・ニワウルシは、繁殖と成長のスピードが驚異的で根絶が難しい。

・繁殖エリアは、耕作放棄地であるケースがほとんど。農地保全意識がない地権者へ駆除を促す手だてが見つからない。

特に寄付が活きたと感じた点

・今回の保全整備では、整備機材費、燃料費、ボランティア参加者への昼食補助費などに充てることができた。

主催・共催
NPO環~WA

認定特定非営利活動法人 茨城NPOセンター・コモンズ
協力・後援等
損害保険ジャパン株式会社
協賛
損害保険ジャパン株式会社