SAVE JAPAN プロジェクト 2021-2022

レポート

FUN FOREST!! ~美作の森で林業体験~①

2023年05月03日(水)実施
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レポート

県内で唯一の森林コースを有する岡山県立勝間田高等学校。

その取り組み内容や林業に携わる楽しさを伝えようと、SAVE JAPANプロジェクトとして林業体験プログラムを企画!第一弾を5月3日に開催しました。

当日のスケジュール

【2023年5月3日(水祝)】

10:30 プログラム開始

   高校生による森林林業講座

11:00 ノコギリによる伐倒

12:30 昼食

13:30 高性能林業機械演習

15:00 プログラム終了

実施内容

主に岡山市内から参加申し込みをしてくださった、計14名の親子のみなさん。勝間田高校の演習林がある津山市加茂までの長い道のりも、期待に胸を膨らませている様子でした。

バスを降りると空気がひんやり、肌寒く感じられました。

先生「それは標高が高いため。岡山市と比べるとここは5度ほど気温が低いので、育っている樹木も種類が異なります。」

出迎えてくださったのは、勝間田高校の先生方と、4名の高校生たちでした。


(作業服を着た勝間田高校森林コースの生徒さん4名)

プログラムの最初は、高校生たちによる森林林業教室。

勝間田高校の演習林は日本最大級であり、森林の調査や測量ではドローンも活躍するとのこと。また木材加工については、レーザー加工機を保有しているので様々な製品をつくることができます。

学校での設定科目にはアウトドアやツリークライミング、登山や雪洞の制作といったユニークなものもある一方で在学中には資格取得にもチャレンジでき、チェーンソーの資格は全員取得ができるとのことでした。

また地域の施設に木材加工の看板を製作することもあり、そういった現場での経験と技術をもって、森林のプロフェッショナルが育って行くことが説明から伝わってきました。

 

勝間田高校森林コースの説明に続き、後半は子どもたちが楽しめる森林クイズも用意してくれていました。

 


木の種類など、なかなか知らない情報を教えてくれたり、



森の生態として、クマが木をこんな風に傷つけることがあるんだよ、ということや、



木材には表と裏があることなど、小学生の参加者のみならず大人も学びになる内容でした。



続いて実践の時間は、演習林に上がって実際に木の伐倒を体験しました。



子どもの参加者7名を2班に分け、お兄さん組は特に足場が斜面になっている難しい場所での体験です。

高校生と子どもたちが奮闘すること約1時間…

 

最後は高校生が木を打って…伐倒!

ヒノキのいい香りが広がりました。



午後のプログラムでは、高性能林業機械・プロセッサの実演がありました。

講師の粟井さんは勝間田高校森林コースの卒業生で、現在は森林整備のための会社を経営されています。



(大きな機械を前に、何が起きるのかとワクワクしている参加者たち)

デモンストレーションとして粟井さんが操作を始めると、ひょいっと大きな木材を持ち上げたアームの先でその木材を均等にカットしたり、大きな音を立てながら木材を滑らせたかと思うと、枝葉を一瞬で切り落としていきました!

これには参加者からも驚きの声が漏れていました。





講師の粟井さんが操縦席から降りると、参加者もひとりずつ操作の体験をさせてもらうことができました!

 

その後はプロセッサのエンジンを切り、間近で機械のつくりを見たり、玉切りされた木材でみんなで遊んだりと、普段触ることのできない高性能林業機械を身近に感じることができる体験となりました。



プログラムの最後、参加者から感想を聞くと

「ノコギリで木を切るのが大変だとわかった」

「初めて見る大きな機械がかっこよかった」

「高校生のお兄さんたちが優しく接してくれて嬉しかった」

など、子どもたちらしい中にも、初めての経験が楽しかったという気持ちの伝わる感想が寄せられました。

 

最後に高校生からは、高校のレーザー加工機で製作した手作りのコースターがプレゼントされました。

参加者たちの笑顔があふれる中、市街地へ戻るバスが見えなくなるまで手を振ってくれていた高校生たちがなんとも印象的でした。



このイベントで得られたこと

豊かな森林を守るためにはその保全が必要であること。

林業を身近に感じることの少ない都市部に住む親子を対象に、高校生がその現場の取組みをレクチャーすることで、林業の重要性やカッコよさを伝え、ひいては進路選択のひとつにもできるような印象深い企画となった。

参加者の声

  • 勝間田高校の生徒さんが林業と真摯に向き合っている様子がわかり、胸が打たれるものがありました。自然を大切に、理解しているからこそ林業があるんだなと改めて感じました。(保護者より)
  • 子どもも、大人も林業について、少し学ぶ事ができました。この様な職種の方がいてくださるから、森が保たれているのだと改めて分かりました。(保護者より)
  • 娘も、「お兄ちゃんに優しくしてもらって嬉しかった」「林業ができる高校に興味を持った」と言っています。本当に、素敵な機会をありがとうございました!(保護者より)

イベント実施結果

参加者数
14名(保護者7名、子ども7名)
アンケート回答数
4件
参加者満足度
100%
実施してよかった点

参加者にとっての経験の機会でありながら、高校生の方々にとっても学びの場になったと感じています。林業に向き合うということを子どもたちに伝える、その中で森林の大切さやさまざまな生き物とも関連があるということを見つめなおすきっかけになったと感じています。

特に寄付が活きたと感じた点

当初参加費を徴収しようかと検討していましたが、こういった機会に参加することがなかなかかなわない方にも届いてほしいとの思いから、寄付を活用させていただくことで参加者の費用負担なく今回の企画を実施できました。
岡山市内から活動場所までは遠いのでバスを出せたことも、またトイレの設備がない活動場所へ仮設のトイレを用意できたことも、参加者の満足度に確実につながりました。

メディア掲載

Instagram 勝間田高校 地域協働活動コーディネーター『カツマダわっしょい』

@katsumada.r.m
主催・共催
岡山県立勝間田高等学校森林コース
協賛
損害保険ジャパン株式会社