SAVE JAPAN プロジェクト 2021-2022

レポート

親子で探検!牧場の生きものワールド

2023年06月04日(日)実施
  • ほにゅう類
  • コケ
  • 昆虫・その他
  • 森林
  • 高原

レポート

11月につくって設置した「巣箱」と、草原にある「巣穴」をこっそり拝見!
誰が、どのように暮らしているか調査しました。また、ミミズを探して、アナグマのエサ場をつくりました。

当日のスケジュール

10:30-10:50 開会のオリエンテーション、参加者と牧場の紹介など
10:50-11:30 グループに分かれて巣箱の調査
11:45-12:30 昼食休憩
12:30-13:30 ミミズの調査と捕獲
13:30-14:20 移動して牧草地で巣穴探し
14:20-14:50 アナグマのエサ場づくり、ミミズ投入
14:50-15:30 まとめ、アンケート記入、解散

実施内容

参加者がそろって開会のオリエンテーション。
自己紹介と牧場の説明、今日の予定を確認しました。
はじめの会

好天に恵まれ、緑あざやか。
グループに分かれて、巣箱を設置した場所へ向かいました。
新緑の中を移動して巣箱調査

東屋に設置したバットボックスはコウモリが使った様子を見られませんでした。林の中に設置した巣箱は、どうでしょうか?
1つずつ、静かにこっそりと、のぞいて見ます。
静かにこっそり巣箱をのぞくよ

あっ!天然記念物のヤマネが寝ていました!
小さくてかわいいー。
天然記念物のヤマネがいたー!
※巣箱は文化財保護法の規定に基づき特別な許可を得て設置しました。同法で天然記念物に影響を及ぼす行為、捕獲や所持には罰則が定められています。


使われた巣箱の足下には、虫の死がいやフンが落ちているかもと、周囲を観察しました。
草やコケのようなものが入っている巣箱もありました。
ほかの巣箱はどうかな?

次は場所を変えて、ミミズ探しです。


足ぶみでドンドン刺激すると、土の中からミミズが出てくる? 
土の中で迫ってくるモグラの気配かと思って逃げ出すらしい。

見上げたら、牛たちも見学に来ていたみたい。


斜面の土を掘ってミミズ探し。
中には10匹以上とった子もいたよ。


集めたミミズを、昨年秋につくったアナグマのエサ場に投入するよ。


設置したカメラには、シカやタヌキなどが映っていました。
アナグマがエサ場に気づいて、近くで暮らしてくれるといいな。


場所をかえて、草原の巣穴探し。
子どもたちは駆け出し、おとなたちはゆっくり歩いていくよ。


だいぶ登ってから休憩。
天候に恵まれ良い景色。遠くの山もきれい。風が気持ちいい。


見つけた!巣穴!
ライトで照らしても奥が見えないほど深い。誰が使っているのかな?

穴の掘り方から見て、アナグマの巣穴らしい。
数年前には子キツネが出てくるところも目撃されていたそうです。


山の上での休憩は、大きなクリの木の下で。
葉っぱに卵を産み付ける虫や、シカのフンがあったよ。


たくさん歩いて、いろいろ見つけたね。
見つけた生きものや感想をアンケートに書いてね。


最後はみんなで記念写真「お楽しみさまでしたー」



このイベントで得られたこと

〇天然記念物のヤマネが巣箱を使っていました。なにを運び込んでいるか、なぜこの巣箱を選んで使ったのかを考えていけば、ヤマネの暮らしやすい環境を整えることにつながります。

〇足踏みでドンドンしたら、ミミズが土の中から出てきました。モグラに食べられまいと逃げるミミズは必死なのでしょうね。

〇林の中や草原には、牛とシカの足跡やフン、たくさんの虫たち。「これは何だろう?」とスマホで調べている人もいました。

〇草原に巣穴を発見しました。ライトで照らしても奥が見えないほど深い穴でした。

〇昨秋つくったエサ場のカメラにはシカやタヌキが映っていました。アナグマが気づいて使ってくれるよう、ミミズを追加投入しました。

〇たくさんの動物の痕跡を見つけ、多くの虫や植物に出会い、豊かな生態系を守っていきたいとの思いを強くしました。



参加者の声

  • ミミズをたくさんつかまえた(保育園年中)
  • アナグマの巣穴さがしが楽しかった(小学5年生)
  • 生でヤマネを見るのは、はじめてだったので、うれしかったです(小学6年生)
  • ヤマネが小さくてびっくり。かわいいと思いました(小学3年生)
  • 多くの生きものがそれぞれに関わり合って自然界を形成していることを肌で実感した(女性/40代) ミミズは身近な生き物ですが、豊かな自然・生態系を守っている大切な生き物なのだと改めて感じることができました(女性/20代) ヤマネが見られて、とても可愛かったので、いつまでもこの環境を守りたいと思いました(女性/50代)

イベント実施結果

参加者数
22
アンケート回答数
20
参加者満足度
80%
実施してよかった点
巣箱をヤマネが使ってくれていたこと! かわいい天然記念物を目の当たりにして参加者は大喜びでした。

足踏みでミミズが土から出てきたこと! 土を掘り起こしてのミミズ探しも、アナグマのエサづくりも、みんな熱心でした。

アナグマの巣穴を観察できたこと! ライトを当てても奥が見えないほど深い穴に、周囲にもいくつもの穴。アナグマの生活を想像しました。

実施して苦労した点
昨秋に設置した巣箱を使ってくれているかが前回参加者の関心事だと思い、事前に足を運んで周囲の様子を観察し続けました。

天然記念物のヤマネが生息している地域のため、文化財保護法の規定に従って特別の許可を得てから巣箱を設置しました。

開催2日前に大雨が降ったことから、開催できるか、道や足場が悪くなるのではないか、参加者が減るのではないかなど心配しました。(延期された運動会が重なってしまった1家族が欠席になりました)

特に寄付が活きたと感じた点
昨秋のプログラムでキットと道具を用意してつくった巣箱を設置し、定点カメラと現地の複数回調査で観察を継続することができました。

メディア掲載

主催・共催

主 催 
特定非営利活動法人 長野県NPOセンター
NPO法人 生物多様性研究所あーすわーむ

協力・後援等
協 力 
(財)神津牧場
麻布大学野生動物学研究室
佐久市市民活動サポートセンター(さくさぽ)
協賛
損害保険ジャパン株式会社