SAVE JAPAN プロジェクト 2023-2024

レポート

身のまわりの環境から考える防災・減災フォーラム

2024年08月04日(日)実施
  • 森林
  • 高原

レポート

今回は、「身のまわりの環境から考える 防災・減災フォーラム」を開催しました。地震、大雨、台風など自然災害が多い日本で、棚田、森林をいかに守っていくか、専門家をお呼びして、午前中は講演会、午後は棚田と自伐型林業の現地見学会を開催しました。
信州大学農学部の内川准教授の棚田と防災に関する講演においては、能登半島地震の棚田の被害の説明があり、見えない被害からの復興がいかに厳しいかを認識しました。他の登壇者では、中田の棚田での取り組み、自伐型林業の林業と防災にかんする講演、自伐型林業の取り組みについての講演でした。自伐型林業に対しての参加者さんの関心が強く、自伐型林業が環境づくりにつながること、防災にも大きな影響を及ぼすことを、講演と後の現地見学会でも認識したことに、参加者さんは大きな気付きとなりました。

当日のスケジュール

10:00 開会
10:05 棚田と防災に関する講演 内川 義行氏(信州大学農学部准教授)
10:45 中田の棚田の取り組みの紹介 行年 恭兵氏(元地域おこし協力隊)
11:00 林業と防災に関する講演 大家 啓延氏(紀美野町自伐林家)
11:40 紀美野町の自伐型林業の取り組み紹介 紀美野町地域おこし協力隊(自伐型林業)
11:55 閉会

13:00 現地見学会スタート 棚田コースと自伐型林業コースに分かれてスタート
15:00 紀美野町総合福祉センター着(それぞれのコース)

実施内容


棚田と防災に関する講演 内川義行氏 (信州大学農学部准教授)



中田の棚田の取り組み紹介 行年恭兵氏 (元地域おこし協力隊)



林業と防災に関する講演 大家啓延氏 (紀美野町自伐林家)



紀美野町の自伐型林業の取り組み紹介 紀美野町地域おこし協力隊(自伐型林業)


自伐型林業の現地見学会の様子


自伐型林業の現地見学会の様子


薪割りに挑戦

このイベントで得られたこと

信州大学農学部准教授の内川先生が、能登半島地震で、有名な白米千枚田の被害実態の説明、地震による棚田の「目に見えない」被害の状況など棚田が遭う被害の悲惨さを十分認識出来ました。そこからの復旧と復興の違いも認識しながらの取り組んでいく課題を掘り下げることも出来ました。能登半島と紀伊半島、似た地形での「農」の持つレジリエンスをいかに平時に準備しておくかについても参加者に意識づけができたと思います。
自伐型林業についても参加者が大いに関心を持ってくれて、登壇者への質問も多く、環境づくりの視点から自伐型林業の取り組みが、注目される結果となりました。

参加者の声

  • 内川先生の講演の中で、農地の目に見えない(見えにくい)被害の話をしてくれて、棚田の目に見えない被害の把握が大切だと納得しました(60代男性)
  • 棚田サポーターが何人いても多すぎないと感じた。耕作放棄地から棚田の再生のための労力は大変だと感じた。棚田サポーターへの登録も考えたい(60代女性)
  • 自伐型林業に4名もの地域おこし協力隊さんが入って来られて、みなさん若いですし、これからの紀美野町の自伐型林業が大きく展開していくことを期待しています(70代男性)
  • 林業のために作業道を切り開いた道をヘアピンカーブで何度も上がっていきましたが、切り開いていくご苦労は頭が下がります。スギとひのき、間伐が大切ですね。よくわかりました(60代男性)
  • 生まれて初めて薪割りの体験をしました。斧の使い方が難しくて、スパッと割れなかったけど、斧で剝ぎとった木の片をお土産にもらいました。ひのきでいい匂いです(大学生)

イベント実施結果

参加者数
当日は36名の参加で、スタッフ10名を入れますと46名です。
アンケート回答数
アンケート回答数 31件
参加者満足度
94%
実施してよかった点
地震をはじめ自然災害に見舞われることが多い日本。地域の防災・減災について考える機会を今回の「身のまわりの環境から考える防災・減災フォーラム」開催したことで、地域に根ざした防災意識を高めることになった。信州大学の内川准教授の講演では、今年1月に発生した能登半島の被害実態を先生の現地からの様子を見て、千枚田の被害を目の当たりにしたことは、棚田の防災についても大きな意義があった。現地見学会も実施したが、自伐型林業の取り組みを切通しを参加者全員が、実際に歩きながら自伐型林業の重要性を感じることもできた。棚田の現地見学会においては、かなり暑い中での棚田の見学になったが、実際に棚田を見てもらって、日本の原風景の棚田の美しさと棚田の持つ多面的な機能を十分理解してもらえてよかったです。
実施して苦労した点
小学生の子どもたちの自然観察プログラムを開催してきたが、大人向けの防災・減災フォーラムの開催の告知に努めた。能登半島地震をはじめ、各位置での水害など自然災害が頻発している中であったが、フォーラム開催の意義を訴えることに苦労した。参加人数が伸び悩み、周辺地域の行政担当者にも告知をおこなった。
特に寄付が活きたと感じた点
現地見学会で棚田のコースで、紀美野町総合福祉センターから距離があったので、寄附金にて参加者を棚田に案内するバスをチャーターすることができて、参加者さんを安全に棚田に案内することができました。車内では、スタッフと参加者さんとの打ち解けた話もあって、参加者さんから2名、棚田サポーターへの登録もしてもらえて、寄付が十分に活きました。ありがとうございました。

メディア掲載

7月19日 わかやま新報に掲載
8月1日  海南市周辺部が配布地域のミニコミ紙 ツーカイネットワークに掲載
主催・共催
主催 : 認定NPO法人わかやまNPOセンター
共催 : 紀美野町自然環境ネットワーク
     NPO法人わかやま環境ネットワーク
     小川地域棚田振興協議会


協力・後援等
後援 : 和歌山県
     和歌山県教育委員会
     紀美野町
     紀美野町教育委員会

協力 : 認定NPO法人日本NPOセンター
協賛
損害保険ジャパン株式会社