アユモドキを守ろう!お米の収穫を親子で体験
レポート
亀岡には、亀岡と岡山にのみに生息している絶滅危惧種・天然記念物「アユモドキ」が棲んでいます。アユモドキは、水田で産卵し、生育する魚です。つまり、「稲作」が生息環境に大きくかかわっています。
今回は、6月に実施した「アユモドキを守ろう!田植え体験」で植えたお米を収穫しました。
当日のスケジュール
亀岡駅北側にある曽我谷川近くの水田
08:30 受付開始
09:00 開会 アユモドキと田んぼ・稲刈りの仕方のレクチャー
09:20 活動開始
10:40 閉会 今日観察した生き物の紹介
11:00 解散
実施内容
稲刈り体験会当日は天気にも恵まれ、絶好の稲刈り日和でした。
みんなが6月に田植えした稲穂も、黄金色に輝いています。
初めに「アユモドキ」と「田んぼ」の関係性について、NPO法人亀岡人と自然のネットワークの仲田さん・中川さんからお話がありました。
アユモドキは田んぼに産卵し、育っていく魚です。田んぼにはたくさんの生き物が生息していて、プランクトンも豊富です。
アユモドキは体長6~7㎝ほどの小さな魚で、6月に行った調査では、アユモドキの幼魚が1100匹ほど、成魚が600匹ほど観察できたそうです。
また、田んぼは、川が氾濫した際に「遊水地」として機能します。田んぼは防災にも役立つのだというお話がありました。
田んぼに移動して、稲刈りの仕方を教わります。田んぼを管理してくださった農事組合法人「ほづ」理事長の酒井さんが丁寧に教えてくださいました。
稲刈りは昔ながらの方法で、手鎌で行います。子どもたちは地面から20㎝ほど上のところで茎をまとめてもち、鎌で切っていきます。
稲を刈ると、青草のいい香りがします。
初めは、なかなかうまく切れなかった子どもたちも、時間がたつにつれて慣れてきます。
初めて稲刈りをする子どもも終わるころには、てきぱきと稲刈りをしていました。
10束ほど集まったところで、稲を天日干しするために茎の部分で束ねていきます。
子どもの力ではうまく結べないので、お父さん・お母さんが頑張って結びます。
その間、子どもたちは田んぼで見つけた生き物と触れ合います。
稲刈りが半分終わったところで、スタッフたちは稲を天日干しするために、竹でできた台を作ります。
稲を掛ける台を作り、天日干しする作業を「稲架掛け(はざがけ)」と言います。
田んぼにある稲刈りが全部終わったら、みんなで稲を運びます!
稲は、2週間ほど天日で乾燥させます。
最後に、田んぼで見つけた生き物をみんなで言い合います。前日まで雨が降って降っていたためかナメクジを見たと報告してくれた子ども、カナヘビをつかまえたよ!と報告してくれる子どもの姿がありました。
稲架掛けが終わったときの様子です。
収穫したお米は、天日干ししたのち、脱穀し、体験会参加者の元にわたります。
このイベントで得られたこと
稲刈りをしていると、たくさんの虫に出会います。
《観察会で出会った、田んぼにいる虫》
・カエル
・カナヘビ
・カマキリ
・クモ
・コオロギ
・トノサマバッタ
・ナメクジ ...等
こどもたちは虫と出会う度に「この虫の名前は?」「オス?メス?」と
大盛りあがり。生き物と触れ合う貴重な時間でした。
参加者の声
- あれだけ多かったいねが1時間くらいでおわってびっくりした。(小学6年生)
- 見つけた虫は、こうろぎ・くも・かめ虫。(小学2年生)
- 稲刈りの大変さを身をもって感じました(会社員)
- とのさまばったをみつけた。 なめくじをさわった(幼稚園・保育園生)
- いねかりってもう少しかんたんだと思っていたけど、けっこうむずかしくってびっくりしました。(小学4年生)
イベント実施結果
- 参加者数
- 親子8組 子ども: 12名 大人: 8名
- アンケート回答数
- 子ども: 8名 大人: 7名
- 参加者満足度
- 100%
- 実施してよかった点
ふだん食べている「お米」がどのようにしてできるのか、身をもって知る体験会ができました。
稲刈りの大変さを知るとともに、稲の切り口から「青草の香り」がすることを知った子ども、田んぼには「たくさんの生き物」がいて、それが田んぼの生態環境を守っていることを知った子どももいます。
稲刈りを通して、アユモドキの生育する環境を知れたことが何よりでした。
- 実施して苦労した点
刃物を使うので、安全面の配慮には十分注意しました。
子どもだけでは難しい作業は親御さんにも協力してもらい、安全に楽しく活動しました。
- 主催・共催
NPO法人亀岡人と自然のネットワーク
NPO法人きょうとNPOセンター
- 協力・後援等
亀岡市
亀岡市保津地域アユモドキ保全協議会
- 協賛
- 損害保険ジャパン株式会社