[静岡]椎ノ木谷保全の会 人と共に生きる里山「椎ノ木谷」の生き物のにぎわいを楽しみ、考え、保全しよう。
春の食べられる植物
■実施日:2013年3月31日(日)10:00~13:00
■プログラム内容:
まずは室内で、「食べられる植物」「食べられない植物」について、鈴木満帆先生から説明。
食べられないのは、1)消化できない、2)堅い、繊維質で食べられない、3)美味しくない などの理由があること、食べられるけれど、食べすぎると毒になる植物もあることを説明しました。意外と毒のある植物もたくさんあり、見た目ではわからない、一つ一つ覚えるしかない、ということでした。
天気はあいにく雨がパラパラしていましたが、傘を片手に野外へ。
玄関を出てもう「これは食べられます」と説明が始まりました。
「カラスノエンドウ」は「烏の豌豆」でなくて「烏+野豌豆」なんです。実が黒くなるから「カラス」なんですよ~。
満帆先生の話は、植物の形の特徴から、生態や分布、名前の由来、利用法、食べ方、遊び方まで、本当に造詣が深く、興味深いです。
山菜の王様、タラノキの芽ですが、真ん中の芽を切ってしまうと、枯れやすくなります。
山菜採りは、来年も食べられるように、「脇芽を欠く」のがマナーだそうです。
湿地ではタネツケバナやセリがたくさん採れました。
シキミの花。「悪しき実」が名前の由来で、毒があるので注意!
仏花として使われていますが、土葬に際して動物が掘り返さないように植えられたとか。
いろいろ採集して、みんなで調理して食べ比べました。
天ぷらは、アザミ、スイバ、カラスノエンドウ、ドクダミ、ハルジオン、フキ、ヨモギ、ワラビ、タケノコ、シイタケを食べました。
高温で揚げることで、アクなどの成分が分解されて美味しくなります。
スイバの酸っぱい味はシュウ酸なので、食べすぎると体によくないそうです。
ドクダミは、揚げるとイヤな香りが飛んで、さっぱりした味に。
私は、ヨモギの香りに感動!
新川のスジエビも素揚げにして食べました。
透明なエビも揚げると、きれいな赤い色になるんですね。
セリの煮びたしも、香りがよくて美味しかったです。
カラスノエンドウ、セリ、クレソン、ヨモギ、タンポポ、タネツケバナ、レンゲの生サラダも好評で、お代わりのリクエストも。 春を見て、探して、採って、食べて、お腹がいっぱいになりました!
この時期ならではのフレッシュな味を楽しむことができました。
■参加者:一般15名+講師・スタッフ4名、計19名 でした。
■性別:男性 7名、女性 8名
■年代:子ども3名、20代 1名、30代 2名、40代 1名、50代 3名、60代 2名、70代以上 3名
■居住地:中区富塚町 3名、その他の中区 11名、南区 1名(会場は中区富塚町)
■アンケート回答:大人 9名 満足度 87%
■椎ノ木谷に来るのは:初めて 3名、来たことがある 3名、よく来ている 3名
■参加者の感想:
・講師のお話がよく、場所もよい所でした。良い環境を生かした、ぴったりの内容だと思いました。春のイベントとしては最高だと思います。(70代女性)
・自分で採る作業をしてから食べるところまで全て体験できた。身近に生えている草も、食べると美味しいことにびっくりしました。ドクダミが美味しかったです。(20代女性)
・久しぶりに自然の中に来ました。市内にこのような所があったとは…。美味しかったのは①よもぎ ②わらび (80代男性)
・食べる所しか参加できなかったのが残念。ヨモギ、タケノコ、シイタケ、サラダ、エビ、いろいろ美味しかった。(30代男性)
・探して採って味わい尽くしました。これまでただの雑草だと思っていたものが、美味しくてびっくりしました。昔の日本人の生活の知恵を忘れすぎていました。(50代女性)
・思った以上に野草が美味しかった!タラノキの主軸がことごとく切られていたのが残念。持続的に山菜が採れるよう、採集する人はマナーを守ってほしいです。(40代女性)
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■プログラムを実施して苦労した点:
・あいにくの小雨で、野外で調理ができなかった。
・調理に予想以上に手間どり、アツアツの天ぷらを参加者全員で一斉に食べることが難しかった。
・時間の都合で、途中で帰ってしまい、食べるところまで行けなかった人がいた。
■実施してよかった点:
・ちょうど春の植物がたくさん見られるシーズンで、食材には全く困らなかった。
・人数が少なかったので、じっくり植物を観察、採集、調理することができた。
・里山の春の恵みについて、見て食べて体感することができた。
■寄付が生きたと感じる点:
・様々な植物図鑑を購入できた。
・調理するための消耗品を購入できた。