SAVE JAPAN プロジェクト 2024-2025

レポート

里山の生態系を守るエシカル消費でネイチャーポジティブを目指そう!~冬の里山ウオーキング、発酵ランチ、人数限定でみそづくり体験も!~

2025年02月02日(日)実施
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レポート

当日は、雨予報のため里山ウォーキングは中止となりましたが、これまでのNPO環~WAの活動やSAVEJAPANプロジェクトで整備作業などの報告と今回のテーマでもあるネイチャーポジティブについての講話をしていただきました。

また、昼食に合わせて行った茨城大学の石島先生による講話では、生物多様性とは何か、環境にも優しいする取り組みを紹介していただきながら、エシカル消費の実践についても学びました。地産地消、自分たちの地域のものと自分たちで消費する考え方など知らないことも多く、参加した皆さんも真剣にお話を聞いている様子がとても印象的でした!
昼食は、石島先生と納屋CaféのMikaシェフが共同開発した「ネイチャーポジティブ美腸活発酵ランチ」。先生から食べ方や栄養についての説明を受けながら、食材の本来の味わいをじっくりと噛みしめながら楽しむことができました。

午後からは、人数限定での味噌づくり体験も開催。発酵マイスターでもある、NPO~WAの代表・大和さんのご指導のもと、参加者の皆さん自身でゆでた大豆を昔ながらの手法を使って味噌を仕込みました。

当日のスケジュール

09:15 受付開始
09:30 
オープニング
0950 
釜戸火入れ(大豆炊きはじめ)
10:30 
受付
10:45 
オープニング&ネイチャーポジティブについての講話
11:15 
教授による講話「生物多様性保全とエシカル消費」

12:00 ネイチャーポジティブ美腸活発酵ランチ
(自由解散)

以下、みそづくり体験者のみ
12:45 
エシカル味噌づくり体験
14:00 
クロージング
14:15 
解散

実施内容

第3弾も前回に引き続き、茨城町のNPO環~WAで開催!
残念ながら、雨予報を受けてウオーキングは中止となりましたが、当日は30名にご参加いただきました。
オープニングでは、これまでの取り組みについて紹介いただきました。NPO環〜WAでは、SAVEJAPANプロジェクトの活動前から里山の耕作放棄地などに点在するニワウルシの駆除作業に取り組んできました。昨年度の調査でもニワウルシの繫殖力の強さが分かり、これまで整備してきたエリアをもとの畑の状態に戻すため、「田のくろまめ種継ぎプロ
ジェクト」を発動し、大豆栽培が出来る畑への再生を目指しています。

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この取り組みの紹介をいただきながら、里山の生態系を守るエシカル消費、ネイチャーポジティブ(自然再興)実現するために私たちは何ができるのか?を学びました。

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地元で作った食材を購入したり、食材はすべて使いきるなど、小さな積み重ねですが、私たちでも行動できることはあると改めて感じました。環境にも地域にも人にも優しい行動、日々の生活の中で意識することが大切だと気づくことができました。

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今回のお弁当は、石島先生と納屋CaféのMikaシェフが共同開発した「ネイチャーポジティブ美腸活発酵ランチ」

このランチBOXは、総カロリーが618.1カロリーと低カロリーにも関わらず、食塩3.1g、たんぱく質は、36.2g、食物繊維8.7gと高たんぱく、低カロリー!ランチBOXのほか、具だくさんのお味噌汁付き♪

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1日の塩分摂取量の目標量は、成人女性は6.5g未満(小さじ一杯!?)だそうです。普段、ファストフードやコンビニなどでカロリーを見る機会はありましたが、塩分摂取量はこんなに少ないの?と参加者も驚いているようでした。

image.png生物多様性とエシカル消費_ランチ3.jpg

「味を薄く感じることもありますが、麹を使用したソースなどよく噛んで食べてください」と先生からアドバイスをいただき、講話を聞きながら参加者の皆さんたちと食べ進めます。

まずはおかずから、ごはんは10分後から食べると糖の吸収を抑えられるということで、さっそく実践しながら食べました!食材本来の味を楽しんだり、ランチBOXには多種多様なおかずが盛りだくさんで食べ応え満点!

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生物多様性とエシカル消費_250414_ランチ.jpg日本の伝統的な食品のひとつでも麹などの調味料もふんだんに使われていて、一つひとつ丁寧につくられた心も身体にもいいお弁当は、先生とシェフがイベントまでに打合せを重ねながら完成したものです。

普段、私たちがどれだけ味の濃い物を食べているのか、食材を美味しく使い切る大切さも学ぶ機会となりました!

参加者の皆さんからもランチBOXは大好評でした!ごちそうさまでした。

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食後は、人数限定での「エシカル味噌づくり体験」も開催。自家製糀を使った糀商品の製造販売と発酵講座を通して茨城の発酵文化を伝える「発酵常陸」という事業にも取り組む、発酵マイスターのNPO環〜WAでの代表 大和さんを講師に味噌づくりを学びました。

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まずは、塩きり麹(米麹に塩を混ぜ合わせたもの)の用意。米麴の固まりがなくなるように手でほぐしながら塩を混ぜ入れます。

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次に、lふっくら煮あがった大豆を薪窯から引き揚げ、一人ずつグラムを計り、ビニール袋に入れてつぶしていきます。

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つぶした大豆と塩切り麹をまぜて、味噌団子を作ります。その後、それぞれの容器の中へ。

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空気を抜いて蓋をして完成です!

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味噌はここから、微生物の力によって、熟成されて8ヶ月~10ヶ月後には味噌が完成するそうです。今からとても楽しみですね!

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今回は残念ながら、ウオーキングが中止となりましたが、これまでの活動を参加された皆さんにご報告ができ、また、食について深く学ぶことができました。これまで作業や屋外でのイベントが多かったですが、参加者からも座学の時間はとても新鮮だったとのコメントもいただきました。地元の食材を購入したり、消費することは簡単なようで意外と難しいことですが、私たちの行動ひとつで環境にも人にも地域にも配慮できることを改めて考える機会になりました!

参加された皆さん、NPO環〜WAをはじめとした運営の皆さん、ありがとうございました!

このイベントで得られたこと

日ごろの消費において生態系や生物多様性に配慮した選択を促すことを目的とし、座学・実食・ワークショップの構成で講座形式のイベントを実施することが出来た。

参加者の声

  • 生物多様性はもちろんですが、「エシカル」については初耳でした。とても学びになりました。
  • 座学もたいへん学びになりました。アクションを変える、をすぐ実践していけるようにしたいと感じました。
  • 環境問題のお話しがきけて、これからの環境保全について、自身で何が出来るのかを考えていかなければならないと思いました。
  • 雨でウォーキングが中止になったのは残念。生物多様性とエシカル消費の講義が勉強になった。ランチが美味しかった。
  • 生物多様性とエシカル消費の大切さがよくわかりました。

イベント実施結果

参加者数
30
アンケート回答数
19
参加者満足度
94%
実施してよかった点
  • 知識(座学)、体感(実食)、体験(ワークショップ)の三部構成でエシカル消費と生物多様性保全やネイチャーポジティブの関連性を伝えることができた。
  • 地大豆や無農薬米糀を使った味噌づくりを通して、在来種継承や里山保全の意義を伝えることができた。
  • 第一弾イベント外来種駆除を行った荒廃地を蘇らせ「地大豆を栽培する畑にする」という次の目標を掲げることができた。
実施して苦労した点

雨天により、里山ウォーキングを中止せざるを得なかったことが残念だった。

急遽スライドを準備し、NPO環~WA保全地8haの全域、各エリアで確認した気候変動・地球温暖化による植生への影響について実際の画像を映写しながら報告した。

特に寄付が活きたと感じた点
  • 食の背景にある生態系崩壊の現状、崩壊をまねく市場の仕組みを示した上で、崩壊から再生へと転換し得る消費の選択肢があることを伝えることが出来た。
  • エシカル消費を研究する大学教授へ講座を依頼することが出来た。
  • 大学教授と地産地消料理家という二人の専門家に「ネイチャーポジティブ」をテーマにしたレシピ開発を依頼することが出来た。
  • 会場を貸切り利用することができたため、雨天であったにもかかわらずイベントを実施することが出来た。
主催・共催

NPO環~WA

認定特定非営利活動法人 茨城NPOセンター・コモンズ

協力・後援等

茨城大学 石島教授
納屋Café
森っこ
あらいぐま工房
SHIMOHAJI

協賛
損害保険ジャパン株式会社