アユモドキを守ろう! 田植え体験
レポート
国の天然記念物であり、絶滅危惧種のアユモドキ。今では、京都の亀岡と岡山県にのみ生息しています。アユモドキは田んぼで産卵し、生育していく魚で、生態系を支えるためには田んぼの存在が欠かせません。
今回は田植え体験を通してアユモドキのこと、アユモドキの保全が防災に役立っていることを知ってもらうことを目標に開催しました。
当日は天気に恵まれ、スタッフを含めると70名程が集まりました。今回の田植え体験には、遥々大阪から参加してくださった方の姿も。初めは泥の感覚に驚いていた子どもたちも、田植えをし終えるころには「泥が気持ちよかった」と語るほど、田植えを楽しんでいました。田植えの後は、紙芝居でアユモドキや亀岡の自然についてみんなで学びました。子どもたちからは「アユモドキの雌・雄はどうやって見分けるの?」「アユモドキは腸呼吸するの?」と興味津々。大変大盛り上がりな田植え体験会になりました。
当日のスケジュール
09:00 集合 亀岡駅北 旧商工会館跡周辺
09:10 活動① 田んぼとアユモドキについて、レクチャー
09:15 活動② 田んぼと防災についてのお話
09:20 活動③ 田植え体験
10:10 活動④ 紙芝居でアユモドキについて学ぼう(亀岡高校・自然科学部)
10:35 活動⑤ 魚を観察しよう!質問コーナー
11:00 解散
実施内容
当日は天気にも恵まれ、22組の参加者が集まりました。今回の田植えイベントには、大阪からお越しになられた方もいました。
初めに、絶滅危惧種で亀岡と岡山にしか生息しない「アユモドキ」という魚について、亀岡人と自然のネットワーク仲田さん・中川さんからお話がありました。
アユモドキは、「陸地」に卵を産む魚です。雨で川の水が増水したときに、元々陸地だった川岸や田んぼに産卵します。
田んぼには、プランクトンが豊富に存在しています。アユモドキはそのプランクトンを食べて生活をしています。
田んぼを保全することは、アユモドキの生態系を守ることになるとのお話がありました。
また、田んぼは大雨が降った時に、川に一気に流れ込むことを防ぎ一時的な貯水池として機能します。
日本全国にある田んぼの貯水量は、東京ドーム4000杯分に相当します。
田んぼは、おいしいお米を作るだけではなく、災害を防ぐ役割があることを学びました。
農事組合法人ほづの酒井さんから、田植えの仕方を学びます。
根が絡まり合った苗から、茎を2~3本ごとにまとめてつまみ、きりだし、まっすぐ1列になるように田植えをしていきます。
子どもは田んぼに足を踏み入れた瞬間「ぬるぬるしてる!」とぎこちない様子でしたが、慣れてくると「気持ちいい!」と盛り上がっていました。
子どもたちは泥の中での足の使い方を学び、慣れた手つきで稲を植えていきます。
手持ちの稲がなくなると、田植えを手伝ってくれている亀岡高校生や大学生が苗を投げて渡していきます。
うまくキャッチできるか、子どもも、大人も大盛り上がりでした。
田植え後には地元・亀岡高校の自然科学部さんが紙芝居で「亀岡の自然・アユモドキ」についてお話ししてくれました。
アユモドキには6本のひげがあること、横じま・縦じまなどをクイズで分かりやすくお話ししてくれました。
最後には放流用のアユモドキをみんなで観察し、京都大学の岩田先生に質問をする時間をとりました。子どもたちは、「本当にひげが6本あるのかな?」と興味津々で観察をしていました。「アユモドキの雌・雄はどうやって見分けるの?」「アユモドキはドジョウの仲間?」「アユモドキは腸呼吸するの?」と質問攻め。
最後まで大盛り上がりな田植え体験会になりました。
このイベントで得られたこと
亀岡市民以外の参加者もおり、多くの方に「アユモドキ」のことを知ってもらえた。
田んぼが防災にも役立つことを知ってもらえた。
参加者の声
- はじめての田うえでした。土のかんしょくがよかったです。子供もよろこんでいました。(50代)
- たにしがいた!いがいと、どろが、どろどろしていました(小学4年生)
- アユモドキはひげが6本あることにびっくりしました(小学5年生)
- たんぼに入ったときにぬめぬめだったこと、自分でもアユモドキを見つけてみたい(小学6年生)
イベント実施結果
- 参加者数
- 保護者:22名 子ども:22名 スタッフ:20名
- アンケート回答数
- 保護者等:15名 子ども:22名
- 参加者満足度
- 86%
- 実施してよかった点
・田植えを通して、アユモドキのことを多くの人に認知・理解いただくことができました。
・子どもたちが田植えを楽しみ、アユモドキという絶滅危惧種に興味をもってくれた。- 実施して苦労した点
田んぼの周りに用水路があり、こどもが落ちないよう注意しました。
田んぼまでの道や駐車場での車の往来に気を配りました。
- 特に寄付が活きたと感じた点
・助成金を活用し、田植えまでの準備やその後の栽培を農事組合にお任せすることができました。
メディア掲載
ケーブルテレビ放送 ZTV
- 主催・共催
・NPO法人亀岡人と自然のネットワーク
・NPO法人きょうとNPOセンター- 協力・後援等
・亀岡市
・農事組合法人ほづ
・亀岡高校自然科学部
・亀岡市保津地域アユモドキ保全協議会
・認定NPO法人日本NPOセンター- 協賛
- 損害保険ジャパン株式会社