水辺の生き物を調べてみよう!親子観察会
レポート
亀岡には53種類もの淡水魚が生息しており、亀岡と岡山にのみに生息している絶滅危惧種・天然記念物「アユモドキ」も棲んでいます。今回は、亀岡の豊かな生態系を体感してもらおうと、8月9日(土)に亀岡市・千代川にある保津川の「川の駅」で、「水辺の生き物を調べてみよう!親子観察会」を実施しました。亀岡市内はもちろん、京都市内からも参加者が来てくれました。
京都は前日まで雨模様でしたが、観察会当日の天気は曇り。熱くも寒くもなく、観察会向きの天気でした。昨年は晴天が続き川の水量が少なかったですが、今年は水が多く、たくさんの川の生き物を観察することができました。また、亀岡高校の紙芝居を通して、生態系を守ることが防災にもつながることを学びました。
当日のスケジュール
09:00 開会 あいさつ(亀岡市 損保ジャパン 京都支店)
09:20 それぞれの班に分かれて、ラフティング体験・生き物観察開始
10:20 休憩を取りながら、活動交代
11:20 生き物共有会・紙芝居
12:00 解散
実施内容
観察会前日まで雨が降っており、無事にラフティングができるのか、先が読めない天候でしたが、当日は特段増水しておらず、昨年は干上がっていた箇所でも程よい水量で、観察日和でした。
開会の挨拶では損保ジャパン京都支店 中田様よりSAVE JAPANについてのご挨拶、亀岡市の環境先進都市推進部 山内部長より亀岡の豊かな自然についてお話がありました。
開会の挨拶の後、ラフティングで船頭をしてくださる保津川遊船の皆さんから、ライフジャケット・ヘルメットの着用方法を教えてもらいます。
亀岡人と自然のネットワークの中川さんからは「川には絶対に子どもだけ、一人だけで入らないように!」と、水遊びをするときに絶対に守ってほしいことを教えてもらいました。
集合写真を撮って、「ラフティング体験班」と「浅瀬で生き物観察班」に分かれます。
途中で休憩を取り、子どもたちはアクティビティを交代しました。
【浅瀬で生き物観察班】
「浅瀬で生き物観察班」は、それぞれ網をもって生き物を捕まえます。
川の浅瀬にある岩場をうまく使い、みんなで魚を追い込みながら捕まえていきます。
今年は水量が多かったこともあり、あちこちで「捕まえた!!」「メダカだ!」「エビ?ヤゴだ!」と子どもたちの声がこだましていました。
生き物を捕まえた後は、すぐにバケツに入れ、みんなで観察します。
魚に触ってみて、子どもたちは「ぬるぬるしてる!」と大さわぎ。
仲田さんからは、「このぬるぬるが、ばい菌から身を守ってくれているんだよ」と教えてもらいます。
一通り、生き物観察をすました後は、投網を使って川にいる生き物を捕まえます。
昨年は干上がっており、今年は大漁で、たくさんの生き物を捕まえることができました。
【ラフティング体験班】
ラフティング体験班は、水中メガネをもって川の本流で観察をします。
ラフティング体験班にとって、初めの難関は「息を合わせてオールを漕ぐこと」。
オールがそろわなければうまく進むことができず、初めはぎこちなく進んでいた船も、戻ってくるころにはすいすいと進んでいました。
それぞれの活動を終え、今日捕まえた川の生き物を、みんなで確認しました。
子どもたちは水槽の中の魚に興味津々。魚を見る子どもたちの目が輝いていました。
最後に、地元高校の高校生から亀岡の川にいる生き物について紙芝居をしてくれました。
このイベントで得られたこと
今回の観察会では、たくさんの生き物が見つかりました。
【見つかった生き物】
魚:オイカワ、カワムツ、ドンコ、ムギツク、カワヨシノボリ、メダカ、アカザ、ギギ、ナマズ、チュウガタスジシマドジョウ、ニゴイ、ゲンゴロウブナ、ギンブナ、コイ
昆虫:コオニヤンマ、コヤマトンボ、キイロヤマトンボ、シオカラトンボ、アオサナエ、イトトンボ類(以上ヤゴ)、カゲロウの幼虫、コオイムシ、タイコウチ
貝:ナガオカモノアラガイ、スクミリンゴガイ
参加者の声
- ドンコ、ナマズ、オイカワ、クギムツ、コイ、フナ、ギギなどたくさんないきものをしれた。(小学3年生)
- 川の中に思ってたよりもたくさんの魚などがいってびっくりした。ラフティングがむずかしかったけど楽しかった。(小学6年生)
- 川で思っていた以上に生き物が取れ、子どもがすごい楽しそうにしていました。また、子どもと川でたくさんの生き物とふれあえる機会をつくりたいと思いました。(30代 会社員)
- 子供にとっておもしろい内容を無料で行って頂き、ありがたい。学生さんが手伝って下さっているのも良かった。(40代 会社員)
- 自然とふれ合う機会が多くありがたい。 知見がふえるのは子供・大人両方にとって良いことだ。(40代 会社員)
イベント実施結果
- 参加者数
- 保護者:27名
こども:27名 - アンケート回答数
- 保護者:18名
子ども:24名 - 参加者満足度
- 94%
- 実施してよかった点
・亀岡に生息する多様な生き物を子ども、保護者共に観察することができた点。
・誰一人事故なく、子どもだけでなく保護者も楽しみながら活動・学習できた点。
・亀岡高校自然科学部さんの紙芝居が分かりやすく、好評だった点。
- 実施して苦労した点
水辺での観察会であったため、安全には十分に配慮しました。
具体的には、流れのはやいところや深いところにはロープを張り、子どもが近づかないようスタッフを配置しました。
また、川辺で日影が少ないため、熱中症対策として活動場所にタープを貼ったり、万一の場合に対応できるように熱中症応急処置セットを活動場所に置くよう配慮しました。- 特に寄付が活きたと感じた点
助成金をいただいたことで、簡単に観察できる川の浅瀬だけでなく、川の流れが速く深さもある本流で、ラフティングに乗って川の生き物を観察することができました。
また、観察会で実際につかまえた生き物について、専門家のお話を伺うことができ、より深く亀岡の川の生き物を理解できるようになりました。
メディア掲載
ZTV(ケーブルテレビ)
- 主催・共催
NPO法人亀岡人と自然のネットワーク
NPO法人きょうとNPOセンター- 協力・後援等
亀岡市
亀岡市保津地域アユモドキ保全協議会
認定NPO法人日本NPOセンター
保津川遊船企業組合
亀岡高校- 協賛
- 損害保険ジャパン株式会社