SAVE JAPAN プロジェクト 2024-2025

レポート

自然共生サイト登録地でアカテガニ産卵観察会

2025年08月09日(土)実施
  • 昆虫・その他

レポート

生態系を活かした減災・防災「Eco-DRR」の地であり、今年環境省自然共生サイト登録された中津干潟のセットバック護岸部「舞手川河口」で今年も無事アカテガニ産卵観察会ができました。

始まりの会でアカテガニの生態と、自然共生サイト登録の意義など説明し、理解を促したうえで観察会に向かいました。

多くのアカテガニが波打ち際まで何も障害なく出てこれるのは、セットバック護岸のおかげであり、また人間生活の上の防災と自然共生が重なり合っている体験をみなさんにしていただき、保全の意識も高まったと感じている。

当日のスケジュール

18:00 潮位の確認、観察会場の確保縄張り

18:30 受付開始、資料配布

19:00 開会
       主催者挨拶、自然共生サイト・OECMについて説明
       プログラム説明
       紙芝居でアカテガニ勉強
       日が暮れる前に記念写真撮影

       子どもたちはライフジャケット着用

19:30 観察会場へ移動、観察開始

20:30 観察終了、受付場所に移動

21:00 アンケート記入(暗いのでQRコードを後日読み取っていただく)、解散

 ~21:30 備品等片づけ

実施内容

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雨上がりの曇という天気でしたので、やや暗い中開会式とアカテガニ生態紙芝居を実施

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セットバック護岸まで移動し、観察会開始。さっそくメスがあらわれ波打ち際まで

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産卵を終えたメスは背後地の森に帰る。そこをまたオスが待っているのだ

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アカテガニの赤ちゃん(ゾエア) 観察会用に放仔後海水をすくい確認。その後海にかえす

このイベントで得られたこと

このイベントは保護者、特に女性に人気が高い。波打ち際まで危険を犯してこどもを放つという行為に感動を覚えるとのこと。

そのような生き物の自然での暮らしや種を繋いでいくことに、こどもたちも理解を示してくれた。

自然共生サイトの登録とEcoーDRRとの関係性も説明し、理解と保全の協力を得られた。

参加者の声

  • 砂浜や自然に近い形での護岸など、保全の働きかけをしてくださったおかげで、このような生物の営みが守られていることが素晴らしいと感じました。(10代(中学生以上)団体職員)
  • 同じ母として、アカテガニの頑張る姿に毎回感動します!!たくさんの蟹、そして生まれたばかりの赤ちゃんたち、帰り際のカブトガニのつがい。東京生まれの私が見たことのない光景で、子どもと一緒に勉強になります。(自営業)
  • 今回は貴重なイベントに参加させて頂き、ありがとうございました。写真で見ていたアカテガニとはまた違い、実際に卵の孵化の瞬間を目の当たりにしたことで、これは『百聞は一見に如かず』だなと想像を超える感動の体験でした。また故郷の海に、こんなにも多くの貴重な生き物がいることを知り、子供と一緒に体験できたことは、かけがえのない思い出になりました。いつもありがとうございます。(40代、会社員)
  • 歩くお魚(ハゼ)がかわいかった。アカテガニの卵がブルブルしてとれるのを見てすごいと思った。水族館で見たカブトガニを海で見ることができてすごかった。泡を出して産卵しているのを見てすごいと思った。(小学1年生)
  • 水族館で見た生き物を海で見ることで知識が深まったし興味も深まった。貴重な機会なので、このような機会を通して生き物や自然に興味を持たせたいと思う。(30代、公務員)

イベント実施結果

参加者数
総勢54名
 一般参加者40名(中学生以上19名、小学生以下21名)
 スタッフ・ボランティア 14名
アンケート回答数
回答17
 中学生以上 11
 小学生以下  6
参加者満足度
91%
実施してよかった点

・今年も多くのアカテガニの産卵を観られたこと。

 引き上げる途中、カブトガニの産卵しているところも観ることができた(これはかなりレア)

・参加者とくに保護者の興味関心があがったこと。

・自然共生サイトへの関心が高まったこと。

実施して苦労した点

・8月豪雨時期での開催でなんとか観察会の時間は雨がふらなかったが、翌日だと豪雨で開催できなかった。

 九州は以前は7月初旬に線状降水帯による豪雨被害が出ていたが、それが最近は8月に起こるようになった。

 イベント開催の時期をどうするか検討しないといけない。

・観察会終了がどうしても8時30分すぎになるので、陽も落ちて暗く安全対策に神経をとがらせる。

・観察会アンケートはこのプログラムのみQRコードを配布して家庭で書いていただくことにしたが、回答数があまり多くなかった。

特に寄付が活きたと感じた点

・トランシーバーの活用

・仮設トイレの設置

・開会式のときの照明

主催・共催

【主催】特定非営利活動法人水辺に遊ぶ会

【共催】特定非営利活動法人おおいたNPOデザインセンター

協力・後援等

【協力】認定特定非営利活動法人日本NPOセンター

協賛
損害保険ジャパン株式会社